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今日の科学 8月9日 長崎に原子爆弾が投下された日

1945年8月9日は、長崎市内に原子爆弾が投下された日。
広島に原子爆弾が初めて実戦投入された日から3日後、2個目の原子爆弾が長崎に投下されました。長崎で使われたのはプルトニウム239を使用した爆弾でした。

原爆は、核分裂の連鎖反応を起こすために、莫大なエネルギーが一気に放出されます。その原料となる元素は、ウラン235とプルトニウム239の2つです。ウラン235は天然では0.7%しか存在しません。そのため、爆弾を製造するためには、ウラン235の濃度を93%以上に濃縮する必要があります。それには大きな労力がかかります。

一方、プロトニウム239は、ウラン238に中性子を当てることで人工的につくります。アメリカはもともとウラン235を原料とする原爆の製造を想定していました。しかし、ウランやプロトニウムの研究が進むと、プルトニウム239が核分裂の連鎖反応を起こすことがわかってきました。

プルトニウム239は、天然で99%以上あるウラン238からつくられます。プルトニウム239を原料とする原爆ができれば、より少ない資源から破壊力のある爆弾を手にすることができます。そのようにして開発されたプルトニウム型爆弾は、トリニティ実験を経て、長崎に投下されました。

2024年6月現在、世界で保有されている核弾頭の総数は12120発と推定されています。それらが1発も爆発させないようにするために、私たちに何ができるのかを考えていく必要があります。

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