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#目標づくりガイドブック の真髄は、目標を立てた後にこそある

発売前にご恵贈いただいたにもかかわらず感想エントリを1ヶ月も寝かせてしまった。よわいぼくをゆるして……

さてこちらの書籍。軽やかな語り口と漫画、そして分かりやすいストーリーによってとっても読みやすく仕上がっています。もちろん「目標設定・管理の手法がわかる」と銘打たれている通り、確かにそういったスキルを学ぶことができるのですが、それだけに留まらない本書の魅力を、ネタバレにならない程度に、私見たっぷりでご紹介できたらと思います。

目標づくりは「立てる→計測する→見直す→達成する」のプロセスすべてを指す

あなたの職場では、目標が「立てたらそれで終わり」になっていませんか?個人のものにしろチームのものにしろ、目標というのはとかく、気を抜くとすぐ存在を忘れてしまって、思い出すのは半年後……なんてことも、ままあることでしょう。

というわけで、本書の「はじめに」から、私が特に気に入っている一節を引用します。

タイトルに「目標づくり」とあるのにSTEP2で早くも目標設定までの解説を終えてしまうことに驚く方もいらっしゃることでしょう。この書籍では最初に目標を設定することと同じくらい、目標を追いかけていく過程を大切だと考えています。また、その目標を追いかけていく過程では、最初に設定した目標を見直していくことも起こり得ます。常に目標と向き合い続ける。目標を追いかける中で見えてきたことを目標にも反映させていく。目標は一度設定して終わりではなく、それを追いかけ続ける間ずっとアップデートし続けるものです。そういったプロセスをひっくるめて、本書では「目標づくり」と表現しています。

「アジャイルチームによる目標づくりガイドブック」より(太字は筆者)
  • 立てた目標を自分たちに定着させるには?

  • 日々の行動を変えていくにはどうしたら?

  • 活動の中で見えた新たな事実を、どう目標に反映させていけばいいの? 

  • ステークホルダーに目標の達成を阻まれていると感じたら?

などなど、通り一遍の「目標の立て方」では説明されない、運用の中で生じる様々な壁の乗り越え方を、分かりやすいケーススタディと共に教えてくれるのが本書です。

大事なのはアジャイルであることではなく、チームで同じ方向を向き続けること

もう一つ、「本書は手法の解説本にあらず」ということも強調しておきたい側面です。それこそアジャイルやOKRといった、目標管理と密接に結びついた手法や考え方が数多く紹介・援用されている(そしてこの密度たるや!)のですが、それぞれの手法を知っていればそれらの応用として楽しめるし、手法を知らなくても大事にしたいポイントがわかる構成になっているところが特に素晴らしいと感じました。「突然知らん概念が出てきて迷子になる」がないようにガイドすることは、実はとても難易度が高いことなのでは……!?

また、本書で達成したい目標づくり(のプロセスを回して事業に資すること)のためには、チームのみんなが同じ方向を向いて走れるようにすること・心に火を灯し合うことが不可欠で、そのためには手法を当てがうこと以上に「あらゆることをやり抜く」ことが大事なのだ、という小田中さんの思いが、本書の根底に流れているような気がしました。だからGRITについても言及があったのだと思います。たぶん。

「アジャイルチームによる目標づくりガイドブック」は、目標づくりの全てのプロセスにおいて必携のガイド

というわけで、「アジャイルチームによる目標づくりガイドブック」のご紹介でした。プロダクトを背負って立つPdM、開発メンバーを束ねるマネージャー、このチームならもっとやれるはず!と思っているメンバーなど、皆さんにとって発見の詰まった一冊になっていると思います。ぜひお手に取ってみてください。ご購入はこちらから!


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