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♪コンテスト参加コラム 【「できる」の意味をはき違えるべからず!】

【はじめに】
 
「あなたにとって仕事とは?」
 
みなさんはこのシンプルな質問に対し、自分なりの明確な答えをお持ちですか?
 
仕事をどのように捉えるかは十人十色。
それぞれが置かれた立ち位置によって、その解釈も自ずと異なります。
ちなみに私の答えは、この数十年来、これに尽きます。
 
仕事とは、経済社会を生き抜くために必要な『お金』を『狩る』方法のひとつ。
 
自分だけでなく家族の『命』にかかわる以上、大袈裟でなく『命がけ』です。
命がけで臨む以上、そこには『心がけ』が必要不可欠であると考えます。
譲れない信念・叶えたいビジョン・辿り着きたい場所・その他あれやこれや……
日々の心がけなくして、これらを明確に見据えることはできないでしょう。
 
なにやら肩に力が入りすぎ?……いえいえ。
少なくとも私個人にとっては、そんなことはありません。
 
 

【第1章】 職業=キリギリス獏。
 
この自己紹介の一文、至って真面目なつもりです。
 
現在還暦越えの私は、個人事業主歴20年超。
毎年青色確定申告を、頑なに手書き手計算で提出し続けています。
文章を綴り、五線譜におたまじゃくしを並べ奏でることで、報酬を頂戴しています。
弱視の進行で運転免許証を返納したのが十数年前。
年齢・学歴経歴・体調面などから、今後健常者として雇用いただける可能性はゼロ。
 
現実は冷静に受け止めているつもりも、いわゆる悲壮感は誓ってありません。 

雇用関係締結は実質不可能。
ならばどうやってお金を狩る?
答えは至ってシンプルでした。

フリーランサーなる範疇に入れていただけるようですが、一個人的には違和感が否めぬ言葉の響きです。

学生時代からの腐れ縁が続く悪友たちは、大学新卒入社を経て、すでに定年を迎えています。
「会社に残してもらえたぞ!」
「あと数年は嘱託社員として給料がもらえるぞ!」
誇らし気な彼らにとっての吉報が同時期に届いたことを、今、思い出しました。
 
対して私は高校を半ば放り出されるように卒業から、ここでは綴り切れない紆余曲折を経ての、直近の20数年です。
お恥ずかしい話ですが、自事業に失敗からの債務整理に際し、
「自己破産以外のお力添えは致しかねます」
複数の弁護士が声を揃えるも、土俵際の魔術(?)でどうにか自力でクリア。
禁治産者とはならずに今を生きられています。
 
資本主義経済社会においては、法に触れたり他人を傷つけたりさえしなければ、なにを仕事にするのも自由。
 
みなさんご存知の『職業選択の自由』ですね。 

スマホ歩きや運転が日常化の人たちは、おそらく手に取らないであろう無料冊子群。
紙媒体に潜む有益な情報、アナタは見過ごしていませんか?

会社という営利目的の組織に属することで、拘束時間に対する賃金が約束されます。
より安定度が高いとされる公務員や大企業に憧れるのは、当然の判断基準でしょう。
それでも長年組織の一員として勤め上げることは、一筋縄ではいかないと思います。
 
・辞令ひとつで転勤(転居)を強いられ、家族の生活にも影響が避けられず
・反りの合わない同僚との連帯責任で、指示された業務の遂行を命じられ
・拘束時間に対して報酬が約束される雇用契約ゆえの、さまざまな制限制約
そして私個人が思う極めつけが、
・上からの指示命令に、基本NO!が許されない環境
 
キリギリス獏にはとても耐えられない以前に、仲間に入れてもらえなくて当然です。
 
私の立ち位置は、ザックリ申せば対極でしょう。
 
・どこに住もうと、24時間365日、基本すべて自分の自由
・同僚から賞賛・叱責・理不尽その他が届くことも、基本ゼロ
・努力した手柄(評価・報酬額その他)は、基本独占が可能
 
一方で、
 
・拘束時間に対する賃金保証がないため、仕事量MAXに対して報酬ゼロの可能性も
・待っていても仕事は与えられず、常に自ら募り続けねばならない
・定収入が確認できず、社会的信用度が低い場面が散見される
 
しかしながらこれらのデメリットを補って余りある、次のメリットが懐刀だと感じられています。
 
・自己責任で誰に対してもNO!といえる
 
これは幾分強引ですが、
 
・魚群を目指して大海原に繰り出す個人操業の遠洋漁業者
・包丁1本携えて腕一本で渡り歩く料理職人
・自らの芸を唯一無二の武器に木戸銭で生きる大道芸人
 
「一緒にするな!」
上記を生業とする方々からのお叱りが聞こえてきたような?
それでも経済社会における一人親方という点では、同じ立ち位置だと思っています。
 
外勤一筋の読者各位のなかには、意味不明理解難な自己紹介、申し訳ありません。
仕事は公務員や会社員など、組織に属する人限定の責務ではありません。
この点は少しだけ、価値観の歩み寄りをお願いできますでしょうか?
 
「自分も同じ側の人間だから、理解できるよ」
つたない私の文言に同意・共感いただけたのであれば、心強い限りです。
 
ここまでの内容から、私という前期高齢者手前の人物像を、漠然とでもイメージいただければ幸いです。
 
ようやく本題です。
 
 

【第2章】 極私的仕事の心がけ
 
この記事の核となる同章は、結論ファーストで。
 
我が仕事の心がけ =「できる」の意味をはき違えるべからず!
 
これだけでは誰の目にも言葉足らず。
以下を読み進めていただくことで、より正確にご理解いただけると嬉しいです。
 
そしてここでひとつ、念押しと申しますか、辛口ストレートに大切な確認を。
 
この記事は世の中に無数にあふれる、
「これで絶対にうまく行く!私の極意を特別にお教えします!」
このような主旨で書き下ろしてはいません。
 
人それぞれ特性(長所・短所・その他)はもとより、なにより職種も置かれた立ち位置も異なります。
軽々しく100%の成功を確約などできませんし、なにより一番の理由として、
 
そんなにお人よしではありません。
 
絶対にうまく行くノウハウが存在するなら、誰にも教えません。
自分だけこっそり実践します。
そんな様子を心身の目で凝視から、盗み取っていただくのは自由です。
100%成功するノウハウは、値段がつけられない、素晴らしい知的財産です。
これの切り売りは、これぞ愚行の極致だと考えます。
 
以下はいずれも、自身の経験から導き出した自負があります。
「私はこんなふうに考え、これらを実践しています」
自分にとって重要な柱となる3つの心がけを、お披露目させていただきます。
 
 
#1・仕事を募り承る際には「できます」ではなく「やります」
 
先述の通り、文章作成・作曲・演奏などが、私の仕事とされる主作業です。
私語録では『想像からの創造』と言い換えられます……伝わっていますか?
実はこの仕事、他の多くの製作(ものづくり)作業とは、大きく異なる特徴があります。
 
実際に完成するまで、どんな出来上がりになるか、私にもわからない。
 
たとえば飲食店であれば、メニュー(見本)通りの料理が調理され、運ばれてきます。
見本と著しく違えば、クレームが避けられません。
新築分譲マンションの場合、完成図が三次元化された鉄筋建造物が疑いなく完成するからこそ、竣工前から完売御礼の連続です。
 
対して文筆や作曲の場合、参考となる資料や他の作品こそあれど、それらを単に模倣するだけであれば、盗作疑惑が避けられません。
クライアント(依頼主)さまのご意向に沿った商品に仕上げなければなりませんが、完成予想図は存在しません。
 
「できますか?」
相手さまはあくまで確認する意図であること、重々承知していますが、
「やります(やらせていただきます)」
心がけというよりも、私の立ち位置では間違えてはならない日本語だと、自身に言い聞かせています。 

蝶々さんとお話が「できる」?
誓ってトリックその他一切ありません。

揚げ足取り的なイメージと伝わるかもしれませんが、僭越ながら文章を納めて報酬を頂戴する仕事です。
この場面での言葉選びは、私にとって非常に重要です。
とりわけ面談や電話など口頭でのやり取りではなく、メールや書面は証拠として文字が残ります。
 
現在複数の在宅仕事仲介サイト上で、自己プロフィールを掲出中ですが、
「●●ができます」
この言い回し、私は一切用いていません。
 
 
#2・仕事道具には分相応の先行投資とスパルタ愛情を惜しみなく
 
個人事業主としてのスタートは2002年夏でしたが、現在のスタイルで生計を立てようと挑み始めたのは、2007年頃でした。
ジャンルを問わず、仕事には『仕事道具』が欠かせません。
私の場合、パソコンに搭載された基本機能と楽器などが、これに相当します。
 
百聞のみならず百読も一見にしかず。
ここでは画像を複数用いる手法で、より正確にお伝えできるかと考えました。
 
まずはノートパソコン。
2007年から今年(2023)までの16年間、現在連日酷使中の愛器は3代目。
連日鋭意酷使中です。
 
そして最も長く二人三脚を続けてくれたのが、下の画像の2代目です。
キーボードにご注目を。

黄色いあひるの眼下付近にご注目を。
削り取られて凹んでいるのがわかりますか?

酷使8年目に突入のタイミングで、OSのサポートが終了してしまいました。
さらにキーボードの戻りも怪しく、誤作動や無反応も散見され始めたことで、断腸の想いで引退させました。
気持ち的には完全に壊れてしまうまで、10年でも使い続けたかった、頼もしい相棒。
もちろん現在も大切に保管しています。
 
 
次に楽器ですが、我がメインの片腕=アコースティック・ギター。
ちなみに腕前はお話になりません……堂々と文字にする内容ではありませんね。

この時点で1本手元になく、計6本で記念撮影。
賃貸マンション、騒音トラブルには常に気を配っているつもり。
電子ピアノはヘッドフォン装着が基本です。

音楽教育を受けた覚えもありませんが、不思議なことに小学校低学年の時点で、楽譜の読み書きを理解できていたようです。
趣味が嵩じて仕事となった、ある意味大変幸運な人生です。
パソコンが一般普及する前の1990年代中頃までは、採譜(=音楽を聴いて楽譜に起こす作業)も貴重な収入源でした。
(※現在はソフトが出回っているため、人間によるこうした仕事は実質消滅状態です)
下世話な話で恐縮ですが、特殊能力とされていたらしく、報酬は「ニヤリ」でした。
 
話が逸れますが、和文・英文タイピストなど、かつて高評価だった資格や特殊技能が、活躍の場を失ってしまいましたね。
技術の進化に伴う、簡単便利を無条件で称賛する価値観の蔓延。
これと引き換えに失ってしまった諸々、少なくないと思われます。
しかしながらこの世の中だからこそ、今日の私が存在できているのも、まぎれもない事実です。
 
……おっと、また悪い癖の脱線寸前、ここで軌道修正しましょう。
 
 
上のパソコン同様、長年酷使すれば、このような姿に。

長年押さえ続けた結果、えぐれて凹みがこんなふうに。
亀裂は木工補修も、表板が削れて薄く、この外観です。

不動産・車・時計などの装飾品・ブランド品など、呆れるほどに無知無関心な私。
楽器(ギター)が唯一の財産であり、大切な仕事道具です。
もちろん上を見ればキリがありませんが、分相応から不相応のボーダー・ラインで、お金をかけています。
 
「凄い(高額稀少な)ギターですね!?これでお仕事してもらえるのですか?」
共通の趣味や知識を持つクライアント(依頼主)さまの心をグリップできるのも、心強いメリットです。
市民権には及ばぬマニアックな分野ですが、相手に一目置かせる効果は無視できません。
 
ハッタリなどと揶揄されれば、こんなふうに反論するもしないも、その時々次第です。
「一度所有してみては?そうすればわかりますよ」
一文の価値もない言い争い未満ですが、持っている者の勝ち!……いかがですか?
 
今夏を迎えられれば62歳。
人生を陸上競技のトラックに置き換えれば、間違いなく最終コーナーから最後の直線です。
 
相棒たちと擦り切れるまで。
 
シンプルですが、これに尽きます。

 
 
#3・いつでもスイッチオンできる体勢で
 
ゼロからなんらかの商品を作り上げるためには、材料が不可欠です。
文章(物語など)や楽曲(メロディー)を生み出すスタイルは、人それぞれでしょう。
 
・机の前に正座から原稿用紙(パソコン)を睨み、辞書を片手に唸りながらひねり出す
 
このスタイルで知られる著名人が少なくありませんが、私は凡人小市民です。
 
・まずはヒントとなるネタの種子を拾い集めるところからスタート
 
会社勤めでは無いので、基本拘束時間はありません。
平日の午前中から行き先を決めず、近所を散歩したり、電車に揺られてみたり。

幼い頃から鉄道大好き。
この日は小雨模様も、ずっと眺めていても飽きません。

ここでポイントとなるのが、感性のアンテナの感度を常に研ぎ澄ませておく姿勢です。
頭の中で妄想が自由に暴れ遊び回れるよう、この作業は必ず単独行動です。
 
文章も旋律も、突然頭の中に舞い降りてきます。
極私的に「イタコ降臨」と称する状態ですが、これは第三者には説明できません。
文章であればメモを残せますが、帰宅後にそれを見返しても、
「なんだこれ?何のことかサッパリわからないぞ」
メロディーも同様で、無理なく記憶の片隅に残っていなければ、結局使い物には価しないようです。
 
出勤時にタイムカードを打刻しながら、
「あと8時間で帰宅できる。それまで頑張ろう!」
金曜日の退社時刻が近づくにつれ、
「明日と明後日はオフ!楽しみだな!」
日曜夕刻の国民的アニメが始まる頃になると、
「また月曜日から週5日勤務か……(溜息)」
 
私のライフスタイルとは、いずれも無縁な感情です。
だから一般的にいわれる、仕事モードのスイッチのON/OFFの概念はありません。
強いて申し上げるなら、
 
普段は自然体でボタンに指先を置いた状態で、何時でもONにできる体勢を維持。
 
イタコ降臨は時と場所を選びません。
真夜中にこれが生じると、飛び起きてパソコンの電源を入れます。
汚い話ですが、繁華街で駆け込んだトイレの個室内に降ってきたことも。
こうなると流れていかないように、心身のコントロールが大変だったりします。
 
ON/OFFを明確に分けるライフスタイルを好む人には、正直辛いスタンスでしょう。
ですが幸いにも、私は自分の仕事が好きで、自分の意志で臨み続けています。
好きなことであっても、辛く苦しい場面は避けられませんが、それよりもこの気持ちが常に勝っています。
 
私は私がなりたい自分を目指せている、幸せな毎日を生きられている喜び。
 
●●賞受賞の有名文筆家やミュージシャンが目標ではありません。
(※実際無理でしょうし、私個人とは違う世界の話だと捉えています)
 
・自分だったら最後まで読んでみたい文章
・自分だったら最後まで聴いてみたい音楽
 
これらを地道に供給し続けることを生業とする
、それだけです。
合否良し悪しの厳しい判断は、読み手(聴き手)さまに一存です。 

ビジネスマンが行き交うエリア、異邦人ならぬ異邦あひる?
違法人とならぬよう「心がけ」て、己が仕事に勤しみましょう。

天命を知る年齢を大きく過ぎた今、究極の自分勝手を仕事と名乗れる幸運。
キリギリス獏ライフの真骨頂です。 
だからこそ『心がけ』が本当に大切だと、これは素直に痛感しています。
いい加減なことをやろうものなら、それこそ100%泣きを見ることになります。
明言できるのはお察しの通り、これまで幾度もやらかしているからに他なりません。

 
 
【おわりに】
 
#仕事の心がけ
 
この奥深いテーマに対し、こうして文章を綴るチャンスに恵まれました。
「やります!チャレンジさせていただきます!」
告知画面を見た次の瞬間、条件反射的に自身の予定を組み直し、この文章を綴る時間を捻り出そうとしていました。
 
極私的心がけに関しては、より個人的なものとして、
 
・仕事(制作作業)時間 < 完成後の確認修正作業時間
・高評価を伝える画面上の数字(=いいね、など)は追わない
・心の背中は丸めず凛と伸ばして
・大衆と同じことをやるだけでは、最高到達点はお手本の手前止まり
 
他にも文字にしたいポイントがいくつもありますが、抽象的だったり、不特定多数の読者に響かない可能性が否めなかったり。
これらはまた別の機会に遭遇できれば、その際にご一読いただければと思います。
 
確固たるお手本も、遵守を義務づけられたマニュアルも、なにもない私の仕事。
毎日が手探りです。
明日を探るべく前に伸ばした指先に痛みが走り、条件反射的に引っ込める繰り返し。
昨今の価値観とは真逆に振り切った、大いなる回り道や無駄な手間暇の連続です。
 
それでも私自身にとって、これが天職。
消去法であれこれ模索してみた結果、他に選択肢が見当たりませんでした。
「これならできるかな?……もとい、これなら挑ませていただけるかな?」
 
この拙文をご一読から、或 頁生(ある ぺじお)なる筆名にご興味をお持ちいただけたのであれば、
『KW=或 頁生』
こちらで検索いただければ幸いです。 

こんなのやら あんなのやら 色々ヒットするかと思います。

近未来の新たなクライアント(依頼主)さまとの出会いを、この拙文が紡いでくれますように。
 
ご一読ありがとうございました。


2/12/2023 (SUN)


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