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英検 1Day S-CBTを受験したので当日の様子を解説

タイトルの通り、私は7月12日に某所で英検 1Day S-CBT(以下S-CBT)を受験しました。従来の年3回しか行われない英検と違い、S-CBTは月に1回の開催がされ、従来型よりも値段が安いというメリットがありながら資格の価値としては従来と全く同じという受けない理由がないものとなっています。受験会場も自分の住んでいる地域の近くを指定でき、遠くの高等学校まで電車を使って移動する必要が無いのも魅力です。

ですがコンピューターを使う、1日で終わるなど従来型とは違ったスタイルに戸惑う方がいると思うので当日の流れなどを従来の英検と比較をしながら解説したいと思います。

英検の種類と仕組みを簡単に下にまとめておきます。

【従来型の英検】
一次試験と二次試験の2日に分かれているよく知られた英検。
【英検 1Day S-CBT】
1日で試験が終了。パソコンに問題が表示され解答はマークシートに記入。
【英検 CBT】
1日で試験が終了。パソコンに問題が表示され解答はパソコンに入力。

どの英検でも問題の構成に変化はないと思われます。

(今回の話は会場や受験級によって異なる場合があります。)

試験会場に入るまで

私は午前に受けました。9時受付開始で9時15分にテスト開始という案内を見ていたのですが、従来の英検では着席時間の数分前には集合していてそこで話を聞いてテスト開始、という流れだったので5分前の8時55分頃には会場に到着していました。しかし到着したら見えたのは会場前の行列。受験者だと思われる人たちが熱心に単語帳を見ながら並んでいました。結局、会場の扉が開いたのは9時1分頃でした。

朝にヘルスチェックを行った証拠のスクショを並んでいる間に見せて「身分証明書と印刷した受験票を用意しておいてください。」と言われるので外で並びながらカバンから取り出しておきます。消毒を入り口でして受付の順番が来るまで待ちます。

試験を受ける席に着くまで

受付では受験票と身分証明書を渡すと名前の確認がされ、マスクを一瞬だけ下げて顔の確認がされます。その2つが返され受験控も貰います。そして「ロッカーの中のスリッパを履いてシャーペンか鉛筆とカバーを外した消しゴムと、受験票と受験控だけを持って3階まで上がってください。」と言われるのでそのまま従いましょう。ロッカーは鍵が付いている所を自由に選び脱げそうなスリッパで3階へ上ります。このロッカー室が凄く狭いので他の人と譲り合って使いましょう。私は携帯(電源を切り忘れた)と財布など全てロッカーに置いてポケットの中はロッカーの鍵だけという状態でした。携帯などはポケットに入っていると電源を切り忘れたり不正を疑われる可能性もあるのでしっかりロッカーに入れておきましょう。

(会場によって異なる可能性があります。ロッカーなどが無い場合でも携帯の電源を切ることは忘れないでください。)

3階まで上ると男性が受験票と受験控、シャーペンと消しゴムの確認をした後に「ポケットの中は大丈夫ですか?」と聞かれ問題が無ければ自分の席に案内をしてくれます。人によって試験室が異なり、半分ぐらいの人は2階の部屋に言ってくださいと言われていました。ここで消しゴムのカバーを外し忘れているとロッカーまで戻らされるので注意しましょう。

まずはSpeakingから

従来の英検ではReading & Writing→Listening→Speaking(面接)という流れでしたが、S-CBTはまずスピーキングからです。大まかな流れは公式がYouTubeに動画を載せているの確認いておきましょう。

まずはログインです。個人番号とパスワードですが、ネットで登録した際のパスワードではなく受験控に記載された数字4桁でした。どちらも受付から渡される受験控に記載されているので焦らなくて大丈夫でした。あとは受験する級が記載された画面で「受験する」というボタンを押すと始まります。試験監督の指示まで待ちますが、指示が聞こえるようにヘッドセットはまだ外しておいた方がいいです。手元に流れが記載されたプリントがあるので、しっかり読んでおきましょう。ちなみにこの段階ぐらいで9時20分頃と予定されていた9時15分をオーバーしていましたが、全員揃うまで待機しているので焦らず席に向かいましょう。

(S-CBTはそこまでネット操作に慣れていなくても大丈夫ですが個人番号には大文字の英語が含まれているので「Shiftを押しながらアルファベットを押すと大文字になる」くらいの知識は入れておくといいです。大文字のところが小文字だとどうなるのかは私も分かりませんが。)

あとは試験監督の合図の後にテスト開始です。まず最初に音声チェックから始まります。音量バーが緑色になるまでマイクを近づけてくださいと言われますがどれだけ近づけても赤色でした。みんなが「Hello ! How are you?」と大声で何度も叫ぶぐらい赤色でした。そして録音された自分の声が流れますが、赤色でも聞き取ることはできます。しかし常に大きな声でハキハキ話すことは意識しておいた方がいいです。

(周りの人の声も少し録音に入るので自分の声をしっかり届けましょう。)

Warm-upは本当に簡単な質問がされます。採点には入らないところなので、緊張を和らげるつもりで答えましょう。何も話さないと「録音がされてないけど喋ってた?喋ってたなら試験監督に異常を伝えてね。」みたいなことが言われました。「次へ」ボタンで何の問題も無く進みましたが。

Warm-upが終われば本番です。従来型の面接と同じ流れで進み、黙読の時間などもしっかり与えてくれます。私は準1級を受験してナレーションをしたのですが、2分間を使い切らず早く終わっても「次へ」ボタンを押せば次の質問に移ります。質問ですが、従来型の場合は面接官に聞き返す言葉が必要でした。しかしS-CBTでは「もう一度聞いてやり直す」ボタンを押せば全く同じ映像を流してくれます。このボタンは2回まで押すことができ、最初と合わせて計3回聞けるということですね。また、賛成か反対かのような質問に対しては「Yes」「No」ボタンを押してからの回答です。質問が終わればヘッドセットを外すように画面で言われ、ListeningからReading & Writingの流れをスクロールしながら読むことになります。読み終えてページを進め、名前と都道府県の確認をして待機です。

早めに音声確認を終えないと周りが終わっているのに自分だけSpeaking試験をしている状態になりますが、気にせず大きな声で話しましょう。先ほども言った通り、基本的に赤色なので消極的になると録音されなくなってしまいます。周りの人はあなたの名前も知らず数時間後には忘れてるので、周りの目など気にせず恥ずかしがらずに試験を終えましょう。

あと個人的な感想としては、従来型よりも聞き取りやすいなと思いました。従来型の面接は「面接官によって不公平があるぞ!」というクレームを防ぐために一度でも一次試験に合格すれば一次試験免除を1年間設けているのだと思われますが、S-CBTは全員に同じ音声が流れます。公平であると同時に誰でも聞き取りやすい音声を意識しているのかなぁと思いました。

続いてはListening

Listeningの開始は試験監督の合図でだいたい同じですが、ボタンを押す時間が違えば終わるタイミングも異なるます。この合図の前ぐらいに、先ほどのSpeakingの流れが記載されたプリントが回収されて、メモ用紙がファイルに入れられて配布されます。こちらもYouTubeに流れの動画があるので確認をしておきましょう。

音量チェックをして試験を開始しましょう。音量は試験中にでも変更が可能なので、悩まず自分が聞き取りやすいと思った音量ですぐに受験に挑んでも大丈夫です。あとは先ほどの動画の通りなので話すことはあまり無いです。パソコンの画面上にチェックボックスがあるので後で見返すボタンには印を付けられますし、問題番号を押せば選択肢を見返すことは出来ます。解答の時間は10秒で、10秒後には次の問題が流れます。問題を何度でも見返せますが音声は止まらないので注意しましょう。次の問題の選択肢も見ておくことは出来ますがクリックが必要で、チラ見しておくのが面倒になるというのは1つのデメリットかも知れません。

全ての回答を終えるとReading & Writingに移ります。Listeningを始めるのが早ければ周りはまだListening中でも筆記試験が可能です。

最後はReading & Writing

こちらもYouTubeの動画を確認しておきましょう。

こちらもチェックボックスがありいつでも問題は見返せます。Writingの主題を先に確認しておくことはもちろん可能となっています。時計が持ってくるものに記載されていませんでしたが、画面右上に秒単位で残り時間の表示がされているので具体的な時間が分かり便利でした。先ほどの動画では赤ペンとマーカーを綺麗に引けるかのように紹介されていましたが、文章や単語に合わせて引けるのではなく長文が書かれた紙に落書きできるぐらいのものとなっているので、あまり期待しない方がいいかも知れません。ですが鉛筆の黒と違い、赤と黄という二種類の色で目立たせやすいというのはメリットと言えますね。

長文は何となく画質が荒くガサガサな字のように見え、スクロールしないと読み切れないので面倒ですが「全文表示」ボタンでスクロールの必要なく右側に問題を表示しながら長文を読めるので便利ですね。私は終始この機能を使っていましたが、大問3の英文は長いため全文表示すると文字が小さめになってしまいます。赤ペンや黄マーカーは全文表示をした際は反映されないようになっていました。

Writingの下に「筆記試験を終える」ボタンがあります。これを押すと残りの時間が何分でも試験を終えて退場が可能です。WritingをReadingをやる前に行ってこのボタンを押してしまうとReadingの問題はもう見れないので注意しておきましょう。90分が経過すると「試験は終了しました」のような文字が白い背景に映し出され、もう問題は見れなくなります。画面を進めると、受験票と受験控、解答用紙とメモ用紙をファイルに入れて試験監督に渡してください、と表示されるので従いましょう。受験票と受験控は、何も書いていなければその場で返却してもらえます。あとは1階のロッカーで貴重品や荷物を取り出してからスリッパを元の位置に戻して帰宅するだけです。

私の残り時間が3分になったぐらいから、もう終わったのかなというような人が出始めました。早すぎだろみたいな人はさすがにいませんでしたね。私が時間を使い切って帰るぐらいでもまだ試験中の人もいました。みんな時間がバラバラというのはS-CBTの1つの特徴ですね。

英検 1Day S-CBTのメリット・デメリット

まずはメリットから

・各個人に丁寧な対応をしてくれる。

・Speakingが緊張感なく出来る。

・S-CBTにあって従来型には無い機能がある。

・残り時間が具体的で分かりやすく見やすい。

解説していくと「各個人に丁寧な対応」というのは残り時間表示などもそうですが、流れの解説や席の案内まで1人ずつ行っていて自分で教室を探して移動する従来型とは違うなぁと思いました。ちなみに各試験室に15人前後で試験室2つで30人ほどの受験者がいたように思います。人数が少なめであるから出来る対応なのかとは思います。

「Speakingの緊張感の無さ」は凄かったです。相手がパソコンで人ではないというのが大きいかとは思いますが、周りに他の受験者もいて緊張感は無いですし「聞き直す」ボタンを心置きなく使えるのは良かったです。先ほども言いましたが面接より聞き取りやすく感じました。

「従来型にない機能」は赤ペンやマーカーの機能、チェックボックスなどの機能ですね。「残り時間が見やすい」はそのままの意味です。ちょうどいいサイズ感で右上にあるのが良かったです。


次にデメリットです。

・問題の移動にクリックが必要で面倒。

・長文1つに何問あるのかが分かりにくい。

・試験結果の返却日が遅い。

「問題移動が面倒」は先ほども少し言いましたがチラ見をしておこうという気に全くなりません。かと言ってこれの解決法はこの形式となると考えるのが難しいので、一長一短と考えておくのがいいでしょうか。

「長文1つの問題数不明」は慣れれば大丈夫かも知れません。私は従来型でも試験を受けたので、準1級の大問3は長文3つで問題数が3-3-4ということを知っていましたが、初めての人は分からないと思います。「次の問題へ」のボタンを押し続けて長文が変わるとやっと気付けるという感じなので、問題を解き終えたのに無駄に最後まで読むことになる可能性があります。問題を解いたらすぐに「次の問題へ」ボタンを押しておきましょう。

「返却日が遅い」はデメリットとして挙げるのは申し訳ないですしSpeakingの試験も含まれているので遅いのは当然ですが、従来型の1次試験結果報告と比べて遅いという認識でお願いします。従来型の1次試験は2~3週間で結果を確認できますが、S-CBTは4~5週間後ということになっております。

とにかく受験してみよう

もちろん費用も掛かるので無駄に受ける必要は無いですが、毎月開催で1日で全行程を終えて近場で丁寧にやってくれる、とメリットばかりです。従来型を受ける前に受けてみても、時間配分や難易度の確認として十分な役割を果たしてくれるので受けてみるといいと思います。(私は従来型を受けてからS-CBTを受けましたが、従来型の時間配分を反省して受けると時間がかなり上手に使えました。)

まだ従来型もS-CBTも結果が出ていない私が英検準1級についてアドバイスをしておくと、とにかく単語を覚えた方がいいです。準1級を受けるような方は基本的な英文法は覚えているとは思いますが、文法は難しくしようとしたとしても限界がありますし、だいたい中学校で習いました。しかし英単語は難しくしやすいですし、覚えるのにも時間が掛かります。例題を出すと

I was happy , but I was (  ①  ) and sad now.

本番はこんな簡単な文法では無いですしもう少し複雑ですが、本番の時でもカッコの前後は2級を持っている人なら簡単に読めます。この文章なら

私は幸せだったが、①されて今は悲しい。

ですね。この①に何が入るのか考えます。悲しませる出来事で受動態だから裏切られたとか殴られたとかかなぁと考えます。そして何となく日本語訳の候補を考えてから選択肢を見て思います。

選択肢の単語どれも分からねぇ!!!!!

ってなります。いくつか分かって消去法をしても2択とかになることが自分の場合はほとんどでした。単語を覚えれば時間を掛けずに大問1を解くことが出来るので、とにかく単語が大事だと思います。いくら文法を理解しても単語が分からないと文章は読めないですし、品詞が分からないと文法を理解しても動詞や形容詞を見つけられず、文法を理解していない同然となるので頑張りましょう。

ちなみに自分は過去に英検2級をReadingとListeningの点数が受験者平均より低かったのにWritingだけかなり良くて合格した、ということもあるので常に諦めずに頑張りましょう。

質問などあればTwitterやコメントで受け付けます。

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