22.機能性ディスペプシアや上腸間膜動脈症候群と亜鉛について

機能性ディスペプシア(FD)や上腸間膜動脈症候群(SMA)と直接ではないですが関連すると思われる、亜鉛欠乏のことを書いておきます。

きっかけは、サンプルでもらった牡蠣のサプリを飲んだことでした。それを飲んだら少しお腹の調子が良くなったように感じたのです。
牡蠣と言えば亜鉛。亜鉛不足になっていたのかな?と思い、体のミネラルバランスを測定する「オリゴスキャン」やオーソモレキュラーの栄養解析を受けてみました。すると予想が的中。他のミネラルはそれほど悪くないのに、亜鉛の欠乏が著しかったのです。

亜鉛は、体の中でさまざまな酵素を作るのに必要なため、不足すると種々の不調を生じるそうです。
亜鉛不足で有名な症状と言えば味覚障害ですが、これはかなり重症になってから出る症状だそうなので、味覚障害が出なくても亜鉛不足になっている可能性はあります。皮膚や粘膜を正常に保つのに必要なので、不足すると、皮膚炎、口内炎、脱毛、創傷治癒の遅れなどが生じます。

私の場合、FDが悪化する2年くらい前から、「くちびるのフチがピリピリと痛がゆくなりやすい」という症状がありました。その頃は、皮膚科でもらったステロイドの薬をつけて抑えるというくらいで済んでいました。
ところが、FDが悪化する2か月くらい前から、くちびるの症状も悪化していました。口紅はもちろん普通のリップクリームでもピリピリ痛くなってしまい、ひび割れたようになり、ごはんを食べる時もしみて痛いという状態になってしまいました。
また、この頃は、暖かい時季なのに手荒れもひどくなっていました。指に湿疹ができて、なかなか治らず、かゆくて夜中に起きてしまうほど。

その他、「髪の色が抜ける」という症状もありました。具合が悪く食事が充分にとれなかった期間に伸びた髪が、5mm~数cmの幅で、色が薄くなっているのです。白髪のような真っ白ではなく、ヘアカラーで脱色して茶色や金色になったような薄い色になっています。すべての髪ではないですし、色が薄くなっている程度なので、髪をおろしているとわかりません。光に透かすと、ところどころ色が抜けているのがわかるという感じです。

これらは、すべてが亜鉛不足のためだけではなく、たんぱく質や全体的な栄養不足も影響していると思います。
亜鉛不足がFDの原因なのか結果なのかは判然としないところです。胃の調子が悪くて食べられない→栄養不足→体が治らない、と巡ってしまう関係なので、どちらにせよ同時に治療する必要があると思います。亜鉛が不足すると腸の消化能力も落ちるそうなので、ただでさえSMAでたいへんな思いをしている十二指腸を助けてあげることにもなると思います。

思い当たる節がある人は、病院の血液検査でALPや血清亜鉛の数値を調べてもらい、不足していたらサプリメントなどで補うようにすると、FDやSMAの直接の治療ではありませんが、体全体の不調の改善にはつながるかもしれません。

私も、ごはんが食べられるようになったり、亜鉛を補充していって、くちびるの荒れやピリピリ感が弱まり、手湿疹も改善しました。
髪の脱色は、部分的に色が抜けた後、黒色が戻っている毛もあれば、その後も色が抜けたまま伸びている毛も、両方あります。これも一度抜けて新しい毛が生えたら直る可能性があるのではないかと思います。加えて、FDで激やせした後に止まっていた生理が自然に再開しました。亜鉛に限ったことではないと思いますが、胃腸の調子を治して、再び栄養をとれるようになれば、体の各所も治っていってくれるのだと思います。

《私が行っていた唇の症状への対処法》
・口紅やリップクリームは使わず、白色ワセリンやプロペトのみにする。
・歯磨き粉がしみる場合は、歯磨き粉なしで歯を磨く。(歯磨き粉は、フッ素で歯を強くするといった付加価値はありますが、汚れを落とすのに必須ではないそうです。ただし、歯磨き粉を使わないと色素沈着で歯に薄いグレーっぽい色がつきやすくなりました。数か月おき程度、歯医者さんに行ってクリーニングしてもらうと良いと思います。)

《私が行っていた手荒れ、手湿疹への対処法》
・食器洗い洗剤を素手で扱わない。お皿洗いをする時は、蒸れてかゆくならないように綿の手袋をした上から、ニトリル手袋をして行う。(天然ゴムはアレルギーを発症する可能性があるため。)
・油汚れを落としたい時も、ハンドソープは洗浄力が強すぎるので、ボディソープで手洗いする。
・保湿のためのハンドクリームさえ、手にしみることがありました。そういった時は化粧水の方がよかったです。(乳化剤などが刺激になっていたのかもしれない。)肌に刺激が少ないようアルコールフリーのものを選んでいました。日中や暖かい時季は、化粧水だけで足りれば化粧水のみ。夜寝る時や化粧水だけで足りない時は、クリームか、クリームが使えなければオイルをプラスする。
・寝る時に、指に薬をつける場合、薬が落ちたり、掻いてしまわないように、指用のネットで保護してあげるとよかったです。

各種症状に悩む人のご参考になりますように。

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