30.FDと不安症

機能性ディスペプシア(FD)と、不安症(不安神経症)やパニック障害を併発しているという方、散見されますよね。
私もFDの時、「不安感」の症状がありました。「外で具合が悪くなってしまったらどうしよう」「電車に乗っている間に気持ち悪くなってしまったらどうしよう」という不安に駆られて、外出や電車に乗ることを怖く感じるようになってしまっていました。

誰でも体調が悪い時に、そのような不安な気持ちを感じるのは当然ですよね。体調が悪い時には不安感も強くなるし、体調の悪さを感じていない時にはあまり不安感も感じなくて済んでいましたし。
そのため、自分でも、これらの不安感の症状はあくまでも、機能性ディスペプシアという体の症状から派生、あるいは付随して起きているものであって、精神的な症状が単独で起きているわけではないだろうなと思いました。ですので、体の症状が治れば、不安感の症状も治まるだろうと予測していました。

念のため一度だけメンタルクリニックにも行きましたが、先生もそういった受け止め方(体の症状が重いからそちらの治療が優先的)でしたし、一応安定剤も出しておいてくれましたが、飲まずに過ごせました。どうしてもお薬を飲まなくてはいられないという程の状態にはならなかったのと、ただでさえ消化器系の薬を飲んでいたのでこれ以上お薬を増やすのがかえって心配だったり、症状が重くて普通に過ごせないくらいの時には助けてもらっても良いと思いますが、お薬はあくまでも一時的に症状を抑えるものに過ぎないので、それで根治はしないだろうと思ったので、体の症状といっしょに治していこうと取り組みました。

私がFDを治した経緯は以前のnoteに記してあります。

私はオーソモレキュラー的な観点から、FDは、たんぱく質とミネラルの欠乏により、消化能力の低下や知覚過敏が起きているのではないかと考えました。そして、それらが不安感を引き起こす原因にもなっているのではないかと思いました。
神経は、ナトリウムイオンやカリウムイオンを使って電気信号をやりとりすることで刺激や情報を伝達していますよね。そのため、ミネラルバランスが崩れると、神経も正常な働きができなくなってしまうのではないかと考えたからです。
私も飲んでいた半夏厚朴湯も、神経性胃炎(FDの昔の呼び方)と不安神経症に適用されるものです。胃腸と精神不安の症状を併発することがあるというのは、昔から知られていたのでしょう。

ちなみに、私の場合は、ミネラルの中でも特に亜鉛が欠乏していたことが後にわかりました。

ところで、“神経”と、“精神や心”を混同している人もいると思いますが、これらは一応区別をつけなければならないと思います。
神経は血管のように体中に張り巡らされた組織で、体の一部です。これがあるおかげで「熱い」「冷たい」「痛い」「かゆい」といった刺激を感じ取ることができます。そして、そこから派生する、私たちの思考や感情が“精神や心”です。
体と心、神経と精神はつながっているので、まったく別物ではなく影響を与えあっていますが、“まったく同じもの”と捉えてしまうのも不適切だと思います。私も“神経の不具合”は起こしていましたが、それがイコール“心の病”ではないなと感じていました。

FDを治すためには、たんぱく質も野菜も総合的に栄養をとった方が良いと思いますが、ミネラルを補給するために、それまであまり好きでなかったししゃもや食べる小魚も取り入れるようにしました。そういったものを食べた日は、少し落ち着いた気持ちで過ごせるように感じて、“おまじない”的ではありますが、体に良さそうなおまじないなら良いかなと思っていました。

また、外出先でソワソワ、ドキドキ感がつらい時は、緊張をやわらげる効果があるという、「神門(しんもん。手首内側の小指側)」や「後渓(こうけい。感情線の末端)」というツボを押していました。これなんかさらに“おまじない”的ですが、どこでもできるおまじないがあるというのはちょっぴり心強かったです。

そして、自分の予測と期待通り、FDの症状が軽減するにつれ、不安感も起きなくなっていきました。
原因がわからないことはよく、「ストレス、メンタル、自律神経のせい」「精神的なもの」と片付けられてしまうことがありますが、そこで思考を止めなくてよかったと思います。人によって、症状や原因に違いはあると思いますが、安易に曖昧なもののせいにせず、心身両方を治していってほしいなと思います。

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