15.SMA症候群の治療

SMAの原因は、十二指腸まわりの脂肪が落ちすぎてしまったこと。
であれば、太って内臓脂肪をつけ直せば治癒するはずですが、私の場合はそうなりませんでした。

身長160cm、病前は52kg。
それが機能性ディスペプシアにより、1か月半ほどの間に約-7kg。45kgくらいまで落ち、その後、10か月程かけて50-51kgくらいまで体重は戻ってきました。そのため、一見すると痩せているようには見えません。病気であることは、言わなければ人にわからないくらいです。

ところが、十二指腸まわりの内臓脂肪は増えていない。
増えた分はおそらく筋肉と皮下脂肪が主ですが、どこに何がついたかはわかりません。なぜ内臓脂肪がつかないのかもわかりません。

こういった病気なので、「薬を飲めば治る」というものでもありません。
体重を増やそうと言っても、十二指腸の通過障害があるわけなので、多く食べると気持ち悪くなったり、具合が悪くなってしまうので、多くは食べられないというジレンマもあります。
ピンポイントでつけたい場所に脂肪をつけられるわけではないので、効果的な治療法がないのです…。

ごはんを多く食べられない分の補足として、エンシュアリキッドなどの栄養補助剤(ドリンク)があるので、食事時にプラスして飲んでみました。
エネルギー補給にはなるので、1日1日を過ごすエネルギー源にはなってくれていると思いますが、これによって、体脂肪率が増えるとか、内臓脂肪が増えて症状が軽減していくというところまでにはならないようです。

Twitterなどを利用して、他の患者さんを探して話を聞いてみました。
元々患者さんが少ないですし、あまり見つからず、数人しかお話を聞けませんでしたが、経過は人によってさまざまでした。
漢方などの薬を飲んで消化を助けつつ、1-2年くらいかけて回復していったという人。
入院して中心静脈栄養療法(点滴のようなもので栄養を摂取する)で体重を増やすも内臓脂肪は増えず、再発してしまったという人。
中心静脈栄養療法で治らなかったため、狭くなっている箇所の外側で十二指腸をつなぎ直す手術を受けて治した人。

症例が少ないので、特にこの病気を診ているという病院や、詳しい医師も見つけられませんでした。
中心静脈栄養も、体重を増やすこと自体はできても、つけたい場所に脂肪をつけられるわけではないですし、開腹手術は体に負担が大きいし、癒着など別の問題を起こす可能性があるため、私のかかった医師はあまり勧められないと言うことでした。

2020年10月にSMAであることがわかってからおよそ3か月。現時点では、あまり良い治療法が見つからないでいます。
将来的には、①そもそも機能性ディスペプシアなどの病気をきちんと治療できるようになり、SMAを予防できるようになること、
②私の場合はSMAであることがわかるまでに1年以上かかり、時間もお金も労力もかかってつらかったので、早く正確な診断をしてもらえるようになること、
SMAの良い治療法ができること、を望んでいます。

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