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OLYMPUS OM10の分解

オリンパスOM10は、そこそこ人気はあるもののちょっとチープな感じのカメラです。アダプターがないとマニュアルでの速度設定が出来ことや、シャッターの”カシャコン”って音も好き嫌いありそうです。
OM-1とプリズムが共通かつ、腐食していることもほとんどないので、
カメラ修理をやっている人間からすると、プリズム交換用の生贄だと思っている人も多いかもしれません。
とはいっても、OM10自体もある程度の値段で売れるので、OM-1にプリズムを捧げた後、腐食除去したOM-1のプリズムをOM10に入れ直すと割がいいです。
参考: OM-1のプリズム腐食の修復


基礎知識

シャッター切るには電池必須

電気系統はかなり強めだと思います。完全に不動な個体は稀ですが、バルブでシャッター切るにも電池が必要です。
まあ、電池いれるとピーピーうるさいですけど・・・

タイプ違いと裏蓋交換

データバック入りの裏蓋がかなり流通してます。比較的コンパクトではありますが、普通の蓋の方が売れ行きは良いです。
交換するにもOM10は、パーツの互換性がないものが多く、蓋を交換する時には完全に同じか確認する必要があります。
参照: フィルムカメラの裏蓋交換方法
裏蓋以外にも、巻き戻しクランクのサイズとか、シャッター速度決めてるテンションの位置とか色々違います。

トップカバー分解

巻き上げレバー

カバーを外します。
OM-1と違ってカニ目を直接回してしまえば良いです。

ワッシャー、レバーと上に抜いていきます。

巻き戻しクランク

ここがOM10分解の最大の鬼門
いきなりクランク回すのはNGです。
ノブの下にあるネジを外してからでないと外せません。
空回りしないようにフィルム室の二股を固定しながら、ドライバーでネジを外して下さい。
クランクの軸は、プラスチック製なのでネジを外さず無理やり回すと千切れます。また、壊れたから別のジャンク品からパーツ持ってこようとしてもバージョンが多いので適合者を見つけるのが大変です。

他のオリンパス一眼レフでは見慣れないCクリップ登場
専門工具(cリング用プライヤー)があると外すの楽です。

穴付きバージョンもあります。

トップカバー側面のネジを抜いていきます。
OLYMPUSのロゴプレート2本、側面2本、アイピース横2本の計6本です。
抜いてもらえば分かりますが、ネジ外してる感触は気持ちよくないです。無理やり締めてあるだけ。固いし、何回か抜き差しするとバカになると思います。

分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。
AUTO、ASA100で外すと位置が分かり易いです。

組み戻すときの為の下準備

トップカバーを外した時に、シャッターモード切り替えダイヤル下のパーツの向きを覚えておいて下さい。
下の画像は、AUTO、ASA100で外した時の位置です。
この後、中心のプラスネジを外してパーツを取っていきます。

先ほどのパーツは、トップカバーと組み合う位置が決まっています。
組み戻す際に迷わないように、位置関係を把握しておいて下さい。

プリズム分離

プリズム周りは基盤がミッシリ囲っているので周りパーツを緩めていきます。
赤丸のネジを取ってめくります。

めくった内側にある、上のネジは取ります。
下のネジは緩めるだけで良いです。

パーツが干渉しますが、上手く避けながらドライバーで回して下さい。

プリズムを押さえている金具があるので外します。

逆サイドにもあります。

斜め前にプリズムを抜いていきます。

黒いカバーごとプリズムが分離できます。

スクリーン清掃

スクリーンは、ミラー室から取り外し可能です。
取り出し用の突起はないですが、OM-1,OM-2でも利用可能です。

ミラーの上にある半円のプラスチックカバーを外します。接着してあるので剥がして下さい。

真ん中のネジを外します。

ネジで止めてあった金具を前方に引き出します。

雑ですが、カメラを振って底板を叩いてやるとスクリーンが下に抜けます。

豆知識

シャッター機構は、OM-1と同じなので、シャッターロックしたらOM-1と同じやり方で改善できます。
参照: Olympus OM-1の分解

Olympus OM10の分解は以上です。

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