見出し画像

Olympus OM-1の分解

オリンパスOM-1は、数ある一眼レフの中でも、最高級の人気をほこる逸品です。プリズム腐食という病に陥っているので、人気の割に比較的安価で手に入れることができます。


OM-1のバージョン違い

ノーマルのOM-1以外に、見た目ほぼ同じのバージョン違いがあります。

Olympus M−1

台数が少なく値段にはプレミアが付いています。古い機種の為、不具合が出ていると治りづらいです。ネームがM-1なのですぐわかります。

画像3

Olympus OM-1N

製造されたのが、一番新しいのがOM-1Nです。
よく見るとOM-1の横にちょこんとNの文字があります。
プリズム腐食がほぼ無い非常に優れた機種です。

画像2

Olympus OM-1 MD

MDと書かれたシールが張ってあるのがOM-1 MDです。剥がれているとぱっと見同じで判別できないのですが、裏蓋を見るとモータードライブ用の蓋がついています。

画像1

トップカバー分解

プリズムを脱着する時に、スクリーンが傷つかないように予め外しておきます。
大変傷つき易いパーツですので、外したスクリーンは、遠く安全な場所に避難させておいて下さい。
またトップカバーを外す場合の基本ですが、露出計はOFFにしておきます。

巻き上げレバーの分離

レバーのカバーをゴム板を押し付けて外します。正ネジです。
外れなければ銀の縁の外周に溶剤を注してから再度回して下さい。
(溶剤によってはカバー下のプラスチックパーツがボロボロになるので注意)

画像5

回しても外れなければ、カバーのシール(薄い金属板)を剥がします。
剝がさないで、カバー上にある2つの穴を直接回しちゃうとまず引っかきます。
カバーの内周に溶剤をかけた後に、ゴム板で回していると剥がれてきます。
シールの下にカニ目があるので、そこではじめてカニ目レンチを使って回して下さい。

レバーの下に円盤の押えがあるので、ペンチ等で外します。

画像6
画像7

巻き上げクランクの分離

蝶番のピンを押し下げて、裏蓋を外しておきます。

画像8

フィルム室内の二股を固定しつつ、巻き戻しクランクを左へ回します

画像9

ネジ2本を抜きます。

画像22

トップカバーの分離

中央にある銀のリングを外します。
先の細い丸ペンチで、リングの欠けを挟みつけて回します。
この際、頭部を引っかかないように注意して下さい。

画像15

先が細くても、角ばった歯だとリングが傷つくのでNGです。
細めの丸ペンチを使用して下さい。

分解に必要な各パーツは取れたのでトップカバーを上に引き上げます。
ボディに残ったバネとワッシャーは失くす前に回収します。

画像22

組み戻す際に忘れやすいので注意です。

画像17

トップカバーを外したついでに、フィルムカウンターが動いているか直接手で触ってみてチェックして下さい。リセット(戻り)が鈍くなっている場合があります。
また、OM-1の場合、ギアに注油などするのはご法度です。
シャッターが切れなくなります。

プリズム分離

ホットシューのネジ2本を外します。

画像22

矢印部分にワッシャーがあります。(ないことも多い)固定されていないパーツなので失くさないようにして下さい。
ブロワーなどで吹き飛ばしがちです。

大量のモルトが付着しているので、除去します。
またこの部分のモルトが、トップカバーの裏にも付着してるので合わせて掃除しておくとよいです。
ホットシューの金具は脇に垂らしておきます。

画像19

コードを介錯して、プリズム左右のネジを露出させてから外します。

画像22

押えの金具とカバーを外します。
OM-1の初期型やM-1は金具がエキスパンダーみたいな形をしていてこれより脱着に苦労します。互換性もないです。

プリズムを上に抜きます。
これまたモルトだらけになっているので除去して下さい。

OM-1nの場合

OM-1nの場合は、プリズムの脇のオレンジのコードが這ってます。

プリズム押えの金具と共締めしてあります。

組み上げ

プリズムがしっかりと収まっているかチェックします。
結構置き方間違えて、露出計の針を曲げてしまうかた多くいます。
下の画像はプリズムが元に戻っているように見えますがずれています。

正しい位置ならば、アイピースとプリズムの隙間はほぼありません。

ASAダイヤルにずれがないかチェックしします。
正しい位置であればダイヤル下の飛び出した金属部分がトップカバーの溝にはまります。
ずれていてもトップカバーを締めてしまえるので注意が必要です。

ちなみにASA100で外した時の位置はこれです。

ASA1600の位置がわかりやすいので、場所を見失ったらここで合わせてください。半円のパーツが金具の一番厚い部分にのります。

カバーを戻す際は、左肩のバネとホットシュー上のワッシャーを忘れず。

画像21

軍艦中央のリングから取り付けます。
他のパーツを先に取り付けると、リングが入る穴の位置が中心からずれて入らなくなります。

画像22

トップカバーを取り付けたら、
シャッタ―が切れる?
裏蓋ちゃんと開閉する?
とう基本動作をチェックして下さい。
また、ASA感度ダイヤルを回して数値によって針の角度が変化するか確認して下さい。
先ほどの注意でも書きましたが、ダイヤルがズレていると、例えばASA25の方がASA1600より露出計の針が上にある(感度がいい)なんてことになります。

クランクが分離した時の対処法

組み合わさった部品がバラバラになることがあります。

画像23

戻す時はまず、ノブの部分を円盤の溝に差し込みます。

画像24

留めの棒を差し込みます。

画像25

上に引っ張れば元に戻ります。棒の左右のはみ出しが偏らないようにして下さい。

画像26

その下の金属パーツ取り付けの時は表裏に注意して下さい。
長方形の突起がある方がボディ側です。

オリンパスOM-1の不具合対処法

シャッターチャージをするときの不具合が良く発生します。
特に、”巻き上げるとシャッターが切れてしまう”と、”巻き上げがスカスカ”は定番で治せないとかなりの率でジャンク品になってしまうと思います。

巻き上げるとシャッターが切れる

巻き上げとともに、レリーズボタンを押していないのにシャッターが切れてしまうというものです。

ここから先は

2,337字 / 27画像

¥ 1,900

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?