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講演会でお話ししてきました!

 去る9月21日(土)に、武蔵境の武蔵野プレイスで開催された講演会にて「こどもの虐待をみんなで一緒に考える~児童虐待問題の根幹にあるもの~」というタイトルでお話しさせていただきました。

 これは、作成した絵本「あの日の空の色」のクラウドファンディングのリターンの一環として呼んでいただいた会で、午前中、約2時間いただけたので、2本の資料を作成し、前半でこの絵本を作成した背景や、この絵本を通じで世に知らせたかったメッセージについてのお話しをし、後半では「虐待の連鎖を断ち切るハッピー子育て術」と題して、機能不全家族で育ち、子育てに自信を持てない人達に向けて、どうしたら、こどもと良い関係を築いて育児生活を送っていけるかについてのお話しをしました。

 絵本「あの日の空の色」は、私が親子心中で命を絶たれていたかもしれなかった1日について、当時の私のこどもの目線から綴り、そんな私が成長して感じたこと、親になって実際にこどもを持って感じた思いなどについて、書き上げています。
 この絵本を通じて最も訴えたかったことは、「こどもの気持ち≠親の気持ち」であるということ。こどもはこどもなりに、大人が思う以上に色々なものを見て、感じて、考えているのだ、ということを、世の中の人達にもっと知ってほしいと思ったことでした。

 いわゆる「親子心中」事案も、こどもにとっては「虐待死」にあたる。でも、「それを虐待死というのはかわいそうでは?」といった社会通念があるのは、「親もそこまで追い込まれ、苦しんでいたんでしょ?」という「親の側の視点」が背景にあるからかと思います。
 でも、じゃあ、こどもの気持ちは無視されていいのか。そこがこの根幹にある問題です。

 元々、「親の手で命を絶たれる子をなくしたい」、「親子心中も虐待死であるという認識を世に広めたい」ということがこの絵本プロジェクトの出発点でしたが、「児童虐待=こどもの権利を侵害する行為」であるということが、あらゆる児童虐待問題の共通の根っこにある、ということを、最近、あらためて強く実感するようになりました。
 
 そのきっかけの1つになったのが、えがしらみちこさんの「ようこそこどものけんりのほん」(白泉社)です。こどもの権利について、小さなこどもにもわかりやすくまとめられているだけでなく、「こどもの権利を守る」という視点を持つことが、児童虐待や不適切な養育を防ぐことにつながるということをわかりやすく学べる良本です。ことあるごとに勝手に宣伝させてもらっているのですが、今回の講演会でも最後にこの本についてご紹介させてもらいました。

「ようこそこどものけんりのほん」(白泉社)

 こどもの気持ちや権利を、大人は守らなければならない。その視点が広まることで児童虐待は大きく減らせる。私は今、そこに大きな期待を持っています。

 そして、もう一つのテーマは、「そういった機能不全家族で育った人が、未来をどう生きていけばいいのか」という問題について。

 いわゆる「毒親ブーム」以降、「うちの親も毒親だった」といったストーリーが数多く語られるようになり、それは機能不全家族に育った人々にとっての“一種の救い”にはなったかもしれませんが、結局、そこで終わって先に進めない人達がものすごくたくさんいることを、私は長いこと感じてきました。そして、私自身もどこか偏って育ったような思いがあり、若い頃は自分がこどもを生んで育てる、ということがどうしてもイメージできず、「こどもなんていらない」と思っていたクチでした。

 そんな私が3人娘の母に…。走りながら考えてきた結論として「虐待を連鎖させない子育ては可能」という思いに至った背景と、実際の具体的方法について、後半のパートでお話ししました。
 
……なんて言うと、ものすごく大それた話、みたいに聞こえるかもしれませんが、実はとってもシンプル。一言でいえば「自分がされて嫌だったことはしない、自分がしてほしかったことを子にしてあげる」
これに尽きます。ある意味、究極の反面教師がいる訳ですから、逆のことをすればいいってだけで、具体的に私が意識して行っていたのは以下の3つくらいですね。

 今回、連休の入りで、参加者は少なかったのですが、その分、深く話せたし、主催者の方に「もう1回くらいはやりましょう」というお話しもいただきました。私としても、児童福祉法の改正で、こどもの権利についての考え方が浸透しつつある今が、この問題について訴えていくチャンスというか、釣りでいえば「時合いがきている」ような感覚を覚えています。
 今後も息長く発信を続けていきたいと思っているので、チャンスがあればどんどんお話ししていきたいです。講演会等、お呼びいただければ、無料で伺いますので、興味を持って下さる方がいらしたら、遠慮なくお声かけください!


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