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じゃあ、どうやって本にするか?~インスピレーション編~

 「出版化支援」の名の下で、本にできるかと思いきや、提示されたのが「借金しか残らない条件」で、いきなり振り出しに戻った絵本づくり。
 恐らく、ここで諦めてしまう人も多いのではないかと思いますが、私は「本にすること自体は可能だろう」と思っていました。
 
 一番手っ取り早いのは自費出版です。結局、そんなに費用がかかるというなら、そのお金で別の会社から必要な冊数だけ自費出版すればいいだけの話、です。
 でも、そもそも絵本出版賞に応募したのは「無料で出版できないものか」というのが出発点だった訳で、なのにいまさら自費出版するというのも、なんだか本末転倒な気がする……。
 
 費用をかけずに出版する一番の方法は、普通に商業出版してもらうことですから、出版社に持ち込んでみることも、もちろん考えました。でも、まだ絵本を1冊も出したことがない(しかも、肝心の絵すらまだない!)状態では厳しいだろうと考えていました。持ち込むにしても、絵がもう少し出来上がってこないことにはお話しにならない……。
 
 とりあえず、今の段階では、幅広い選択肢を探ってみよう、ということで、まず考えたのが「印刷会社で、印刷だけしてもらうことはできないだろうか」ということでした。普通に自費出版するより、その方が絶対、安上りだろう、と。
 
 と言うのも、以前、シンクタンクで行政相手のコンサルをしていた時に、付き合いのあった印刷屋さんに「簡単なデザインならうちでもできますよ」という話を聞いていたこと(そして実際、表紙のイラストとデザインだけお願いしたこともあった)、そしてその後、某財団法人のニュースレターの記事作成、及び編集を請け負っていた時も、印刷屋さんにページ構成のラフと文章及び写真を渡し、それに従って印刷会社の方でレイアウトしてもらったりもしていたからです。
 簡単な編集なら自分でもできるし、デザイナーの知り合いも何人かいるし、本の形にするだけなら、ページ組みして印刷屋さんに持ち込んで刷ってもらうのが、一番シンプル。
 
 もうひとつ考えたのは「いっそのこと、自分で出版社を作ってしまおうか」ということ。
 というのも、以前、取材で知り合った方が、ある本の復刊にあたって新しい出版社を作り、「案外、出版社って作ろうと思えば簡単に作れるんですよ」という話をしていたのを思い出したからです。
 実は、みらいパブリッシング社に行った時に、少しこの話もしたのですが、「高円寺にも、自分で出版社を作って本を出している方がいるみたいなんですが、宣伝とか営業とかの費用を差し引くと、ほとんど利益は出なくて、せいぜいトントンらしいですよ」との話もありました。トントンでOK、赤字より全然マシです(笑)!
 
 でもまあ、毎日フリーで動けるならともかく、現実的に別の仕事を抱えている身で、会社の立ち上げから運営・管理をするのは難しいだろうな、ということはありました。それに、結局、印刷等に関しては外注するということになるため、結局、そこでそれなりに費用は発生してくることになるので、そこまでの労力をかけるのは現実的でないな、と。
 という訳で、やっぱり、どこか既存のサービスに乗るのが費用対効果的にもベスト。あとはどれだけ低コストで出せるか、ということになってくるだろう、という結論にまずは落ち着きました。
 
 ネットで調べてみたところ、オンデマンド印刷で少部数から刷れる会社は結構あり、データ入稿することで、やはり費用をかなり抑えられることがわかってきました。私が最初に思い描いた印刷会社系列で出版を取り扱っているところもあり、やはり、その方が費用も安くできそうでした
 
 絵本出版賞の提示費用の妥当性について見極めるためにも、比較対象として見積りを取ってみたい、とも思っていたので、まずはネットから簡単に見積依頼できる会社の中から、諸費用の明細が明確に表示されていた会社をいくつかピックアップし、見積りをとってみることにしました。
 

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