第1のハードル~絵の描き手さがし~
まず、この作品を絵本化するにあたっての第一のハードルは「誰に絵をつけてもらうか」ということでした。
美しい色彩、優しいタッチの絵、と自分なりのイメージに近い人について考えましたが、なかなか思いあたる人がいません。それに、もしピッタリくる人が見つかったとしても、いきなり見ず知らずのプロに頼むのは、費用やスケジュール等、色々な面で難しいでしょう。
となると、理想は「無名だけれど才能溢れる人」。お金をとって販売する以上、“プロとして世に流通させられるレベルの絵”というのは絶対条件です。問題はどうやってそういう人に依頼するか。
まず頭に浮かんだのが、美大出身の叔母。そして、娘の友達(高校生ですが、すごい絵を描いていて驚いた子)。「私が描こうか?」と長女(美術部出身)にも言われましたが、それはちょっと違うかなーと思いつつ、やっぱり一番しっくりくるのは……と考えに考えた末に、可能かどうかはわからないけど「やはりこの人しかいない」という結論に至ったのが、ツジカナさんでした。
保育園時代、末娘の担任だったツジ先生。美大を出てから保育士になったという異色の経歴の持ち主で、全国夜間保育所連盟のイベントちらしのイラスト等も手がけていた方です。
忙しい日々の中、卒園児ひとりひとりの顔をリアルに描き上げ、卒業アルバムに入れてくれたツジ先生。その娘も現在中2ですから、恐らくもうその保育園にはいないのではないかと思いながらも、あきらめきれずに伝手をあたったところ、連絡先を入手でき、二つ返事で引き受けていただきました!
他の保育園に移っておられましたが、今も現役の保育士さんで、受け持った卒園児全員の顔をずっと描き続けているそうです。再会して今回のお願いをした際、「実は、娘さんの担任をした年から卒園児の顔を描き始めて、しかもその第1作がSちゃん(娘)だったんです」というお話を聞き、不思議なご縁を感じました。
作品のコンセプトを伝えてサンプル画像を描いていただき、これから少しずつ、現物の絵を描き上げていってもらいます。
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