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小売業界でのAI活用動向

小売業界でのAI活用動向をまとめてみました。

主なAI活用トレンド

【データ分析系】
・POSデータなどを利用した購買分析、需要予測
・在庫や賞味期限によるダイナミックプライシング(値引き)
・ECによる顧客へのピンポイントレコメンド
【画像認識系】
・無人レジ(またはレジ業務効率化)
・レジ混雑の予測
・欠品による機会損失防止
・混雑状況提供(混雑予測)
・客層判別
・万引き防止

小売業界は少し遅れてAI導入が進んできた

元々、膨大なデータ(POSデータなど)を保有している小売業界は、データ分析によって需要予測やECなどからAIを活用が進んできました。
近年、カメラでの画像認識を利用して、実店舗でのAI利用も徐々に進んできています。
しかし、AI導入をしている企業は大手の一部に留まっているのが現状です。

AI導入が遅れた要因とは?

一番の要因は実店舗への設備コストが考えられます。
画像認識によるAI導入をする場合には、カメラを設置する必要があります。
防犯カメラの二次利用でコスト低減も考えられますが、解像度やカメラの撮影角度なども考慮する必要があるため、追加設置や改修工事などが必要になる場合があり、結果的に設備コストが高額になる可能性があります。
設備コストを掛けた上で、早期に導入コストを回収できるのかということも足枷になっている要因だと考えています。

そのため、まずは既に蓄積されているPOSデータなどから需要予測を導き出して利益向上への取り組みから導入が進んできたのではないかと考えています。

小売業の課題とは?

今後は少子高齢化になることで労働力が足りなくなる課題が顕在化してくると考えられます。そのため、従業員の補助としてAIが利用されると予測しています。
そこで、AmazonやNECが実証実験を行っている、無人店舗の取り組みを進めている背景だと考えています。

ここで、問題なのが設備コストが掛かりすぎるため無人店舗を展開することは現実的に難しいと思います。(資金力のある大手であれば可能だが)

上記を踏まえて仮定すると以下が重要ではないかと考えています。

最低人員で店舗運営を行えるように支援出来ること

小売業は利益率が低めな業界であり、人員補助を最低限の投資で短期に投資回収が出来ることは必要不可欠です。
人件費の圧縮で投資対効果を出していくことになっていくのではないでしょうか。

AIで従業員の補助は何ができるのか?

小売業での業務をベースにしてAIで従業員補助ができるのかを考えてみました。

【店舗運営】
・レジ対応:ユニクロでのRFIDタグでの自動会計ができるため、AIは必ずしも必要ではない。
・陳列作業:POSデータから欠品を検出することで対応可能。AIは必ずしも必要ではない。
・値札変更:POSデータや天候、来店状況などを掛け合わせて動的に価格を変更するのは複数要素を処理することはAIの得意分野。
・顧客対応:AIチャットボットなどあるが、人間が対応した方が良い。
・発注:予測についてはAIが得意としているところ。既に多くのサービスあり。
・廃棄・返品:需要予測と合わせてAIで実現されている?
・検品・棚卸:画像認識AIによって効率化が可能ではあるが、必要性が低い?
※RFIDタグがあれば済んでしまう可能性もあるが、点数が非常に多い場合にはメリットがある。(RFIDを全てに貼ることが難しい場合など)
【スタッフ管理】
・シフト管理:AIではなくても対応は可能。
・従業員行動:店舗行動などを追いたい場合はビーコンなどで済んでしまう。
【その他】
・防犯:異常行動の検知はAIで実現できる。(既存サービスあり)
【マーケティング】
・Web、SNSでの評価コメントの収集や分析:AIが得意。(既存サービスあり)

考察まとめ

小売り業単体でAI導入を推進していくことは、現状難しいという印象です。
理由としては、サプライチェーン全体を最適化することで利益最大化が出来るする構造であるためです。

需要予測でAI活用している事例は、販売の前工程である仕入れと直結している点では、理にかなった施策であると言えます。
これと同様に、販売の後工程である消費にAIを活用することも理にかなっているのではないでしょうか。

最後に

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