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本の学び

ハロルドフライのまさかの旅立ち 
レイチェル•ジョイス


旅したいな
気分で目に留まった本



元同僚の
クウィーニーからの
手紙ではじまる

遠く離れた町の
ホスピスで
病床に伏している
という知らせだった

末期癌だいう


”お大事に”
としたためた封筒を
投函するため
ポストまでの道のり

彼女のことを思い出す

回想するには
あまりにも早く
ポストに着く

この手紙を出すことに
違和感しか感じない
ポストの前を通り過ぎる


休憩で立ち寄った
ガソリンスタンドのカフェ

ハロルドの放つ
言い回しさえ
意味が伝わらないほどの
若い女子店員

昔の知り合いが
癌になったことに
落ち込んでる旨を伝えると


「がんなんて珍しくないじゃん」
軽くあしらわれる

「けど、
前向きに考えなくちゃ」

「信じなくちゃ
あたしはそう思うよ
信じる心さえあれば
なんだってできるんだからね」


65歳の主人公
これから先の
老後のやっかいな問題に
日々鬱々として過ごしていた

けれども
若い女子店員の言葉に
混じりっけなしの
エネルギーで
身体を揺さぶる

この感情のうねりは
いったいなんだ?

衝動のまま
電話ボックスに向かう

クウィーニーが
患者として
滞在するホスピスの
スタッフに伝言を依頼する

ハロルド•フライが
そちらに向かっている
と伝えてください

”わたしが歩き続けるかぎり
彼女は生きていなければいけません”

そう伝えていただけますか


思い立っての旅なので
携帯も持たず 
くつも普段ばき
着替えも持たず

最南端から最北端への
1000キロの
旅がはじまった


物語の節々に
目の覚めるような黄色
レンギョウの花

紫ナズナ

柳の若芽

クズベリーとスグリの繁み

サクラソウやスミレ

たくさんの花が
登場する

目を閉じると
イングランドの
田園風景の美しさを
感じる

一緒に旅を
味わいたくて
地図を横に置いて
読み進める


歩くあいだは
子どもの頃の
つらい思い出

妻のモーリーンとの
冷めきった夫婦関係

に思いを馳せる

わだかまりは
あまりにも深く
底が知れない


息子との関係
向き合っていなかった
という後悔


なんだか
クウィーニーのところに
向かっているというより
”自分から逃げようとしている”
みたいだ


想定内であるけど

靴ずれ
足に豆ができたり

ふくらはぎの痛み

途中
熱中症のような症状に
民家に助けを求めたり

13キロ歩けた自分に
喜びを感じ

8キロしか歩けない日は
落胆する


丘陵を下っては上る

草原で
牛の群れに遭遇したり

旅人とあいさつを交わし

若い子鹿が飛び出してきたり

満開の桜の花吹雪

シーズン最初の
わすれな草の群生が
月明かりを浴びて
薄く輝いていた


旅の途中に出会う人たち
見た目にはわからないけど

それぞれみんな
内面に悩みを抱えていた


一方
彼の妻も
彼の不在中
虚無感に苛まれる

持っていた幸せを 
手放した後悔がどっと
押し寄せる


「こんな気分になるくらいなら
なんでもいいから
行動すればよかった」

キッチンテーブルに座り
両手で顔をおおった

悲痛な心の叫び



豊かな自然に
旅がより一層
心を弾ませる
日もあれば


突然
一夜のうちに
何が起こったのか

追い討ちをかけるように
嵐が襲う

身体が限界
悲鳴をあげる



彼も彼の妻も
孤独の中
自分と向き合い

過去の後悔から

自分の存在価値
を考え

人の心に寄り添えた喜び
を感じ

誰もが悩みを抱えてる
と知る



家族とは?
夫婦とは?

この本を読みながら
わたし自身も
いろいろ考えさせられ
ました

わたしの心を打った言葉は

「この旅を成功させるには
最初に自分を駆り立てた
”あの気持ち”
に忠実であり続けなければ
ならない

他の人なら
別の方法を取るだろうが
そんなことは
どうでもいい」


この本で学んだことは

人生の終わりに
後悔しないように
今できることは
今やる


行動を思い立ったときの
年齢は
やらない理由にならない

やらない理由を考える
時間があるなら

やらなかった人生の
最後に後悔してる
自分を想像してみて

後悔しない方法を考える

そんな生き方を
探していきたい











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