自分用メモ-カルトと村上春樹と全体主義と-1Q84をめぐる冒険

Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.
人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから眺めれば喜劇である。
-チャップリン

「お前知ってた！？こいつ(長兄)、新興宗教入りやがった！
　しかも２つも！！！」

父の危篤と呼ばれた先、飛行機の当日券に大枚はたいて乗って来た先で
最初に告げられた喜劇的な言葉に
（なんだろう、ここが私の人生のクライマックスかな？）
と思った私の話はさておき、

必然的に日本の新興宗教について詳しくなっていっている私の
個人的な資料としてのリンク集です。

最初に雑感 --- 一番大事なのは「居場所」作り

個人的に、宗教に対する私の姿勢は
詳しくは記事「陰キャの私が世界中どこでも友を作る単純な戦(略)」の
「政治と宗教と新興宗教の話」章にも書きましたが、
「本人が幸せなら、そして社会に害がないなら、無理して相手の信じる事を否定する必要があるだろうか？」
と思っています。
今回、特にJWに関して色々調べて知った・感じた事は、
所属する事で不幸になる宗教、構成員を常に脅し続ける宗教、「争いをしない」と教えながらも奉仕時間で教会内の地位が決まるシステムが作られている、つまり、実は奉仕時間をどれだけ行ったか？の争いが行われている、コミュニティ内の地位や権威を欲する気持ちを満たしている宗教である、という事。
ただ、私が色々知ったからと言って、勧誘に来る知人にその知識を告げるのは、何か「違う」と感じてしまうのです。
今、その人にとっての生きる意味はJWであり、JWのコミュニティの中で「愛」「幸せ」を信じて活動しています。JW以外の居場所を、今の私が用意できないならば、その人からJWを取り上げるような行為はやはり無責任じゃないでしょうか？
かと言って、私自身が「その団体に所属していると、常に脅しの思想を植え付けられる、つまり扁桃体揺れまくりのレイニーブレインへと、自身の脳を変え、不安病状態になって、辛いし不幸だ」と感じているにも関わらず、それを放置する、見殺しにするのも、やはり違うと感じてしまうのです。
次に訪問して来たら、どう対応しようか…絶賛考え中です。
取り敢えず、この宗教は「訪問時間」ノルマがあり、沢山訪問しないといけないそうなので、時間がある時に来たならとりあえず話を聞こうと思っています。あと、ものみの塔紙の聖書解釈を鵜呑みにする事ではなく、個人として聖書に向き合う事をやんわりと勧めるだろうな、と。
無理せず、無理強いせず。

JW(Jehovah's Witnesses-エホバの証人)とは

・Wikipedia-エホバの証人
現在の世界はサタン思想に汚染されており、もうすぐ神がハルマゲドンを起こし皆滅ぶが、エホバの証人という組織に所属してる人のみ救われ楽園に行けますよ、というキリスト教系宗教。特徴として布教活動に熱心なので、恐らくカルトの中で一番よく勧誘された事のある新興宗教。岡田あーみん教に属する私としては「ハルマゲドンのマルハゲドン！」を思い出す。1870年代のアメリカ発祥で1884年にペンシルバニアで宗教法人として許認可受けてる。創始者は1852年生まれ。因みに最初は1914年のWW1勃発をハルマゲドンの到来だ！と言っていました。
村上春樹著「1Q84」に出てくる「証人会」のモデルとされる。

・JW解約-エホバの証人の真理を検証する
　JWさんがJWを抜ける為に書かれたPDF集
・エホバの証人の活動のなかで、最もつらかったこと
JW2世である「よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話」の作者が、JWがおかしいと気づいたきっかけが「NHKへようこそ」という作品、と語っている…という事が「NHKへようこそ」の作者さんに届いている(笑)↓
・https://tatsuhikotakimoto.com/2018/03/27/jehovah/

ヤマギシ会とは

・Wikipedia-幸福会ヤマギシ会
原始共産主義っぽい農業を中心とした自給自足のユートピアを目指す宗教と名乗らない団体。私有財産を一切認めず、全てを共有する理念のため、会員となって入村するには、家、財産、服そして自分の命や身体までもを団体の「共有物」として差し出さなければならないらしい。1950年代(昭和20年代)、つまり戦後WW2後すぐ頃の日本発祥、創始者は1901年生まれ。
村上春樹著「1Q84」に出てくる「タカシマ塾」のモデルとされる。

・「カルト村」で生まれた私は、19歳で村を出た。
・両親の結婚について聞くと父が「ある意味、非合法だったんだよね…」親と子が離れて暮らすカルト村の驚きの結婚事情
ヤマギシ会２世の「カルト村で生まれました」の作者さんも、学校の図書館などで本を読んで自分で考える力をつけた、小学生の時は一般人の友人から漫画を借りていた、との事。

Wikipediaの「怒り研鑽」項で苦笑したけど、この、恐らく統一教会の元信者だろうと思われる人の文章にも「神秘体験は作れる」って書いてあって、だよねーってなった。↓
・元カルト信者の私が『ミッドサマー』に覚えた既視感

連合赤軍、日本赤軍とは

・Wikipedia-連合赤軍
・Wikipedia-日本赤軍
所謂「左翼」、それも「極左」のテロ組織。思想的に共産主義から始まっているが、「武力を用いて」「自分と違う思想」を弾圧する集団。双方1971年発足、70年安保後、つまり学生運動のなれの果ての人々。連合赤軍のリーダーは1944年生まれ、日本赤軍は双方1945年生まれ。終戦前後。
村上春樹著「1Q84」に出てくる「あけぼの」のエピソードは連合赤軍が起こした山岳ベース事件/あさま山荘事件がモデルとされる。

オウム真理教とは

・Wikipedia-オウム真理教
もはや有名すぎて解説いらない？日本における超有名宗教系テロ事件地下鉄サリン事件を起こしたカルト集団。1980年代日本発祥。創始者は1954年生まれ、つまりWW2後のベビーラッシュの頃、団塊の世代少し後くらい。1984年に「オウム」の名を使い始めた。
村上春樹著「1Q84」に出てくる「さきがけ」のモデルとされる。

私がオウム設立の経緯やオウムが壊れて行った経緯を詳しく知った本は森達也さんの「A3」なので、「友を作る単純な戦(略)」でもお勧めしましたが、再びお勧めしておきます。
・「A3」amazon honto カーリル
「A1」「A2」もその内観てみたいし、村上春樹さんのサリン事件を扱ったという「アンダーグラウンド」「約束された場所で」も読んでみたい。

1Q84内コミューン系の流れと実在モデル年表

1Q84では
「タカシマ塾」で学んだ人が「あけぼの」を立ち上げ、
更にそこから分れた武闘派が「さきがけ」になった。
という訳で、実在の1Q84関連(でない物も含む)思想史年表を書きだしました。

年表…▼1Q84上証人会系、●1Q84上コミューン系
▼紀元前1280年頃ーユダヤ教成立@古代イスラエル
▼紀元1世紀頃ーキリスト教成立@エルサレム→ローマ
▼1390頃？ーフリーメイソン設立@西欧
●1818ー共産主義の祖カール・マルクス(-1883@ドイツ→イギリス/ユダヤ教)
▼1852ーJWの祖ラッセル(-1916@ペンシルバニア/米)
・1869ー非暴力・不服従のガンディー(-1948@グジャラート/印)
▼1870頃ーJW(エホバの証人)設立
●1901ーヤマギシ会の祖 山岸巳代蔵(-1961@滋賀→三重)
・1903ー『1984』のジョージ・オーウェル(-1950@英領インド)
・1914<WW1>
・1917<世界初の社会主義共和国ソビエト連邦発足>
・1925ー後年右翼化する三島由紀夫(-1970@東京)
・1928ー左翼の英雄エルネスト・ゲバラ(-1967@アルゼンチン)
●1944/1945ー連合赤軍/日本赤軍の祖
・1945<WW2終戦/冷戦開始>
・1948<右翼の活動家がガンディー暗殺>
・1949<<『1984』出版
・1949ー『1Q84』の村上春樹(@神戸)
・1950<ジェーン台風>で山岸の田地が無事だった
●1950頃ーヤマギシ会設立
●1954ーオウム真理教の祖 松本智津夫(-2018@熊本)
・1956<チッソ水俣病>は松本の視覚障害の原因？
・1959<世界の若者を熱狂させたキューバ革命>
・1960/1970<安保闘争・学生運動>
・1967<ビートルズ世界多元衛星中継放送で“All You Need Is Love”>
・1970<三島由紀夫、自衛隊にて演説後割腹自殺>
●1971頃ー連合赤軍/日本赤軍設立
●1972<山岳ベース/あさま山荘事件>
・1978<鄧小平改革開放、中国は資本主義経済へ(共産主義の終焉)>
●1980頃ーオウム真理教の前団体的な物設立
・1980<小人たちの王チャップマンがジョン・レノン殺害>

・1Q84
【各団体の状況】
=JW:輸血拒否が各国で問題化
=ヤマギシ会:学生運動家達が1970頃から雪崩込み14年、丁度最盛期の初期
=極左団体:活動はもはや下火に
=オウム:1984にオウムと名乗り始めた
=NHK:テレビ普及率が1975に90%を越え1984は一般向け衛星放送開始

・1989<ベルリンの壁崩壊、ソ連も間もなく解体>
・1990<ゴルバチョフ ノーベル平和賞授与>
●1995<地下鉄サリン事件>
・2009<<『1Q84』出版
・2019<<斎藤幸平著『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』出版

JW(エホバの証人/ものみの塔)と1Q84

1Q84の女性主人公、青豆は「証人会」というエホバの証人に酷似した宗教団体の２世であった、という設定から、ＪＷ関係者は1Q84をどう読んだのか？
という問い

●「エホバの証人をキリストへ」という活動をされていたサイトJWTCより
・村上春樹【1Q84を読んで】中澤啓介
・村上春樹【1Q84（第三巻）を読んで】中澤啓介

●脱退した２世さんのブログ
・トンちゃん騒ぎより1Q84カテゴリ
・PWさんのJW的エンタメ 1Q84と1984

●その他
創価学会２世の方にも届いてる↓
・1Q84を読んですごく共感したこと

1Q84に対する良い文章だな、と思った↓
・「1Q84」に関する暫定ノート - SilverboyClub

その他思想団体

●Wikipedia-日本共産党
現在は暴力を使わない日本の左翼/左派最大政党。日本のマスメディアが自民党批判をしなくなった頃でもきちんと自民党批判をしてくれているという有り難い政党。でもトップがずっと同じ人って大丈夫なのだろうか、と個人的には思う。

●Wikipedia-自由民主党
多分右翼(?)/右派。Wikipediaに「つねに革新を進めるとする保守政党である」と書いてあって、その一文で見事に矛盾がにじみ出ているな、と思った。自由でも民主でもない保守政党(※意見には個人差があります)。ずっと日本の政権を握り続けているので、それって一党独裁状態と何が違うのだろう？と個人的には思う。確か大元の党は戦後「アメリカからの独立」的な思想を掲げて結党したと思うけど、むしろアメリカに付和雷同する総理こそが長く続く印象。ところで「アメリカからの独立」って、「人生の目標は何ですか？」って聞かれたいい大人が「親元から離れて自活する事です」って答えるような事だと、個人的には思う。岸時代には統一教会とタッグを組んで反共運動やってたという歴史もあるそうです。
・Wikipedia-日本会議

●Wikipedia-天理教
宗教の名前が市の名前にまでなった宗教。確か松下幸之助がどこかの新興宗教を訪れた際にその信徒達の礼儀正しい姿に感銘を受け、以後「人づくり」に重きを置くようになるのだけれど、それは恐らく天理教では？と個人的に思っている。1838年奈良発祥、創始者は1798年生まれ。

●Wikipedia-金光教
神道系新興宗教。金色の鳥居で有名な御金神社と似た紋章を使う。1859年岡山発祥、創始者は1814年生まれ。

●Wikipedia-大本
神道系新興宗教。自動筆記する。1892年京都発祥、創始者は1837年生まれ。

●Wikipedia-創価学会
「公明党」の母体宗教。政教分離とは、と学生時代に思った。法華経系新興宗教。1930年発祥、創始者は1871年新潟生まれ。
・Youtube大学【創価学会①】【創価学会②】

●Wikipedia-PL教
パーフェクトリバティ教。甲子園に良く出場していたPL学園の宗教。お布施で打ち上げられる豪華花火大会が有名。1916年発祥、創始者は1871年愛媛生まれ。

●Wikipedia-世界救世教
大本信者が作った。当初観音信仰だったらしい。熱海にMOA美術館を持つ。エセ科学なのか科学なのかイマイチ不明なEM菌推奨してる。1935年発祥、創始者は1882年東京生まれ。

●Wikipedia-成長の家
1930年発祥、創始者は1893年兵庫生まれ。

●Wikipedia-真光系諸教団
個人的には「手をかざすとガタガタする集団」と覚えているのだけど、あのガタガタする科学的原理が本当に気になる。1959年東京発祥、創始者は1901年生まれ。

●Wikipedia-真如苑
涅槃経系新興宗教。1936年発祥、創始者は1906年山梨生まれ。

●Wikipedia-世界平和統一家庭連合
キリスト教系の新興宗教。2022年の安部晋三暗殺事件で再び脚光を浴びている。1954年韓国発祥、創始者は1920年生まれ。

●Wikipedia-GLA
God(神)Light(光)Association(会)。1969年発祥、創始者は1927年長野生まれ。
・GLA系諸教団

●Wikipedia-浄土真宗親鸞会
1958年発祥、創始者は1929年富山生まれ。
・なぜ人はカルトに惹かれるのか honto amazon …親鸞会を脱会し現在はカルト脱会支援をしている方の本。良レビュー達に考えさせられる。その内きちんと読みたい。
PRESIDENT Onlineの記事…3P目に村上春樹氏の考察にも触れる

●Wikipedia-幸福の科学
「幸福実現党」の母体宗教。GLAの創始者が亡くなり離れた信者をとりこんで1986年発祥、創始者は1956年徳島生まれ。
・虚業教団…元幹部が告白する設立当初の話

最近耳に残った言葉は「日本人は特定のイデオロギーがないから」と自嘲気味に言われた事で、私はその言葉に、自身が以前は「日本人は他宗教と対話する為にもまず自国の歴史と、思想の根底である仏教と孔子を勉強した方がいいし、哲学をやった方がいい」と今よりずっと強く思っていた事を思い出した。…ただ、今の私はそれが「日本人」だけではない事を知っているし、例え何らかの宗教に属していようとも、人は迷うし間違う、そして自らの正しさを押し付ける事で他と衝突する、と言う事、自分と違う考えを「認める」「許す」事が言うと行うでは全く違うし困難である事を知っている。
…それらと関わり続ける事がしんどいという事も。

人は圧倒されるような失意と苦悩のどん底に突き落とされたときには、絶望するか、さもなければ、哲学かユーモアに訴える。
ーチャップリン

(m●▼w▼●)m ハッピーハロウィン☆