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三十杯目「グッドバイ・スワロウテイル」

コスタリカ(タラス)ラ ロカ "エル アルト"(Khazana Coffee
深煎り
¥875/ 100g

街の喧騒を少しだけ離れたところを歩いていた。
大きな駅が横たわり、何本もの電車が出発して、誰かを何処かへ連れ去っていく。
すごい速さで、今日の世界が作り出されていく。
僕は少しだけ歩を緩めてみたが、そのスピードは変わらなかった。
見上げると、ビルとビルの間に切り取られた細長い菱形の空があった。
大通りは赤信号だ——
きっと、しばらくは。

そこを揚羽蝶がふわりと飛び去っていった。
清涼な心地良いリズムだった。
行き先を聞いておけばよかった。


毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
優しい朝を迎えましょう。
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(四月一)

君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない