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スペクトラム・スペクトル【詩】

幼い頃から騒がしい場所が苦手でした。
なのにひとりは怖かったので、たくさん話しかけました。だけどお友達は全然できませんでした。
パカポコで頭を殴られた時走った衝撃、音のない時間、少し遅れてくる痛み。
私だけの世界でした。

悪くなくても、悪かったって、謝ったり、
知らないことを、知っているって、ごまかしたりじりじりと人のふりが出来ています。

私は人の不幸が分かりません。
殺人事件のニュースが流れても、私の体は痛くはなりません。
クラスメイトが気になる男の子について話している間、私は先生が消す黒板消しの向きを眺めていました。午後の天気がわかるんです。
隣の子に、先生のこと好きなんでしょってまるで核心をつくかのように言われて、心底気持ち悪いって思いました。
あの子のことは今でも分かりません。
Instagramで毎日彼氏との写真をストーリーで載せています。1日経ったら消えてしまうのに。

共感のできる凡人が、結局は勝つのでしょうか。
スペクトラム・スペクトル

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