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主演:新恒杏子

主治医は、今杏子さんは精神的に不安定ですので大きな決断や動きを控えてください、具体的に言えば栃木の実家へ帰省することや、離婚の決断、就職などです。なぜかというと、新しいことを始めるといい方向に向かうように思えますが、負荷がかかるのでうまく行かないことが多かったり、決断を後悔することが多いのです。とのことだった。帰省に関しては、コロナの危険性も危惧しているようだった。

政府がホームページでおこなっているDV相談のチャットでも相談した。別居を勧められた。主治医の言葉は病状として心配しているが、性的DV、軽度ではあってもモラハラを行なう『離婚したい人』の傍で精神的に安定するまで過ごすのは無理があると思います、とのことだった。


七夕の昨日、わたしは市内にある福祉関連施設に女性相談をしに行った。ここで別居にあたってどんな支援を受けられるかヒントを得られればと思った。

1時間少しかけて、相談員に洗いざらい夫婦や家庭のことについてさらけ出した。もちろん主治医の意見、DVチャット相談の結果も伝えた。

「他の相談員とも話し合ってみますので、しばらくお待ち下さいね」
と言われて20分くらい待った。

結果。

「あくまで相談者は杏子さんなので杏子さんベースでお話しますが、やはり一度ご実家に戻られることをおすすめします。距離をおいて冷静になってメリット・デメリット考えてみてはいかがでしょうか」


杏子さんベースってなんだろうな。こんなテンプレみたいな回答のために2時間もせまい相談室に閉じ込められて言いにくいことも告げて、こういう複合的なハードルを持つ困窮者を救済する提案もなされず、事なかれ主義日本代表みたいなことされなきゃいけないんだ?

どうしてコロナ感染のリスクをおかしてガン治療中の母や高齢になる祖父がいる地元に帰らなくてはいけないのか。わたしが聞きたかったのはそんな付け焼き刃みたいな対策じゃねーんだよ。実家に戻ったとてその後年金ぐらしの両親がわたしの面倒見るなんて申し訳なくて情けなくてそんなことできない。そしてどんなに冷静になって考えても、モラハラ夫というのは往々にして無自覚で、指摘しても会話にならないからモラハラ夫になっているのだ。わたしがハイリスクな帰省をして迷惑かけて心の整理をして戻ってきて何が変わるというのだろう。

心底がっかりした。そして学んだ。自分で生きること、自分の人生を生きることをしていくのなら、他人にアドバイスを求めるときには気をつけなきゃいけない。

他人は、本音と建前があるし、相談員は仕事でやっている。突飛なことは言えないのだろう。主治医だってそうだ。あくまで病気でわたしが不利益を被らないように助言はする。しかしそれらは、彼らの『専門家の一意見』でしかないし、わたしの幸せ、わたしが舵を取る人生は、他の誰でもないわたしが勝ち取りにいかなくてはいけない。

言われたから我慢する。こう言われたからこうする。って人に言われたことをやるのは簡単だ。思考しなくていい。でもそれでうまくいかなかったら、どうだろう。あいつのせいで。とか、こんなはずじゃなかった、とか思わなやいけない。

自分で決めて全力でやったことは、それこそ死ぬほどつらい結果が生まれても、わたしはしっかりと受け入れて後悔しないと思う。反省はするしそこから学べることがたくさんあるはずだ。そもそも、それが生きるってことじゃないの。間違っていいんだよ、それと向き合って次はそうならないようにしていく、生きてれば、それができる。ヒリヒリと生きている実感を全身に浴びられる気がするんだ。

両親には離婚協議中であることもわたしが別居に向けて動いていることも伝えてある。ただ両親は、わたしがひとりでいきていくことに大きな不安があるから、昨日までの結果を伝えても、「もう、自分を信じてやってみたら」みたいなことは言わない。わたしの話を遮るように、それこそテンプレみたいな回答を返してLINEの会話を終わらせた。

どいつもこいつも、心配とかそういうキレイな建前を使って、結局わたしの「生きる幸せ」をさりげなく無視するんだなって。

自分の人生はもう自分で切り開くしかないんだ。

ことごとく頼った先にがっかりした。こんなにうまく進まないことも珍しいくらい。相談すればするほど身動きがとれなくなるのだから。

だけど、そっか、じゃあやっぱりおとなしく様子見ようか、なんて気持ちは微塵も湧かねぇ。お前らの保身のためにわたしは大切な自分の生き様を我慢でぶっ壊したくないんだよ。むしろやっと気付いた。自分の生き方を決めるのも責任とるのも、全部あたしなんだから、って。

あたしは、やるからね。見てろよ。絶対笑ってやるよ。

倍にして返すくらいの文章を書くよ!!!!!