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それ本当に肩こりですか?頚椎症(けいついしょう)になりました

毎年、3月から4月にかけては超多忙なスケジュールをこなします。
新入社員向け研修があるからです。長年、講師業をしていることもあり、ご指名で依頼を受けます。リピートが多いので、一度担当すると「来年も」となり、年々増えていくわけですよね。
おかげで、「空いてる日であれば、いつでもいいです!」とクライアントに言っていただきパズルのようにスケジュールを埋めていきます。すると12日連続登壇、みたいなことになるのです。

今年も3月末からスタートし、平日はもちろんのこと、土日も稼働して4月29日の祝日まで、ほぼ毎日登壇の予定でした。

日中は研修を登壇して夕方から夜にかけて次の目的地へと移動、そしてまた翌日は朝から登壇という生活。
クライアントの皆様には本当に感謝していますが、年々ハードになるスケジュールを体に鞭打って乗り切っております。
(あぁ、4月だけでいいから体が3つくらい欲しい。)

とまあ、例年4月はこのような感じなわけです。私は年に研修だけで100回以上登壇しますが、その1/4は4月にこなしていると言ってもいいくらい。
研修講師を目指す方、4月の需要はすごいですよ。すぐにデビューしたい人は当社の講師育成講座をご活用ください!
研修実施をご検討の方、4月以外は余裕があるので遠慮なくご連絡ください!

(宣伝を無理やり記事にねじ込んだ、笑)

ところがです。今年の3月は新型コロナの影響で研修が全てキャンセルとなりました。
毎日自宅でゆったり過ごし、無期延期となった研修のテキストや配布資料を作成をしたり、補助金の申請を行ったりと、せっせとデスクワークに励んでいました。
そして、たっぷりの睡眠をとっていたら、3月末に寝違えた(と思った)んです。めちゃくちゃ痛かったのですが、2~3日安静にしていれば、治るかなと考えていました。

首の痛み

そうこうしている間に4月を迎えます。
研修事業はどうなるかと心配しましたが、「他の研修は全てキャンセルしましたが、おぎの先生の新入社員研修だけは不要不急ではなく、必要ですからコロナ対策をしっかりと行って実施します!」と言ってくださるクライアントも多く、しばらく登壇していました。

そんな中、4月に入ってから左手の甲にしびれを感じたんです。触ってみるとしびれてるな、という程度でした。でも1週間前の寝違えが原因だろうと考えました。今回は長引いているけれど、そのうち治るに違いないと。

そして緊急事態宣言が出たわけです。すぐさま4月8日以降の研修がキャンセルとなりました。
通常は研修実施2週間前のキャンセルは料金が発生するのですが、緊急事態です。前日のキャンセルであっても、もちろん全て費用発生なしで承りました。致し方のないことでしょう。

再び自宅で過ごす生活が始まったわけですが、時間に余裕ができて気付きました。この一週間で手のしびれが治るどころか、ひどくなっているということに。
常にしびれが出ている状態で、手首から肘にかけてもしびれていて、左手に力が入らない。そのために、つかみにくく感じて、決して重たくない物でもするっと手から落とすんです。
これはおかしい。

4月に入ってからほぼ毎日研修があり、しびれていることはわかっていても、大したことはないと思い込もうとしていたのかもしれません。

診察

そこで4月10日に初めて整形外科に行きました。
首のレントゲンを取ったら、見事に椎間板が変形して潰れており、それに伴い骨も変形して脊髄を圧迫していました。

そう、頚椎症(けいついしょう)だと診断されたのです。

症状は大きく3段階に分けられます。

【頚椎症】
<第一段階>
首・肩甲骨付近の痛みや肩こりの症状が出ます。首を動かすと痛みが増しますが、手のしびれはありません。(局所症状)

<第二段階>
主に片方の首〜肩〜腕〜手にかけての痛み、しびれ、力が入りにくいなどの症状です。これは脊髄の枝(神経根)の障害によるものです。(神経根症)

<第三段階>
両方の手足がしびれたり、動きが悪くなったりします。ひどくなると排尿や排便に異常が出たり、ぼたんかけが難しくなる、階段を降りるのが怖くなるなどの症状が出ます。これは首の骨(頚椎)の中を走る太い神経(脊髄)が障害されることによるものです。(脊髄症)

〜公益社団法人 日本整形外科学会 整形外科シリーズ〜

第一段階で病院に来る人は、まずいないそうです。
ほとんどの人が第二段階で異変を感じ、来院されます。『あなたはここ。我慢して放置していれば第三段階となり、手術が必要になったかも。』と医師から説明がありました。
実際に、手のしびれは加齢によるものだと思い込み、症状が出てから数年も経ってからようやく受診される患者さんも多いらしいです。

研修講師をしているので、姿勢には日頃からかなり気をつけているつもりですが、年齢とともに頚椎や椎間板は変形してきます。(なんと20歳ぐらいから劣化していくという話もある)
最近ではパソコン作業やスマートフォンなどによる首に悪い姿勢が変形に影響しているとも言われています。
『パソコンの画面を見る時に首を前方へ傾けることが極力ないように、画面高さを調整してください。』と指導を受けました。

出張が多く、新幹線や飛行機での移動中にパソコンで作業や携帯での業務メールの確認をしていることを伝えると、『絶対にダメ。うつむいて画面を見るのでまさに頚椎症になりやすい状態。今後は新幹線と飛行機の中では寝てください。』とも言われました。

頚椎症は1日や2日でなるものではありません。そうです、『3月末の痛みは寝違えは勘違いで頚椎症の第一段階の症状だったのでは。』とのこと。

例年のような忙しい状況で(今年の4月、北は富山、南は佐賀まで出張の予定だった)首を酷使していたら、絶対に症状がよくなることはありませんし、病院に行くこともなかったでしょう。

コロナに救われた、と考えることにしました。
(いや、3月と5月の売り上げは95%減だし、4月も稼働は最初の一週間だけだし、会社としては最悪の状況なんだけどもさ)

そこで、先生の指示どおりに真面目に牽引療法(上から吊るされたベルトで首を引っ張る方法)を受けに通院するわけです。たっぷり時間はありますから。
また、自宅でのパソコンを使っての作業中も肩の上に耳があるような正しい姿勢を意識し、定期的に休憩を挟み、首と肩を動かすストレッチを行いました。
更にスマホを見る時は、手元ではなく、顔の高さまで持ち上げるように気を付けました。
結構ストイックに実践しましたよ。

6月に入って病院で診察を受けたら・・・、かなり良い状態だと先生に大層褒めてもらいました。牽引療法の治療も週1回で良いとのこと。
現在は手のしびれは常にではなく、たまに出るくらいです。左の肩甲骨あたりは常に肩凝りのような痛みがありますが、以前と比べれば随分とましになっています。
そして、この6月から研修事業が復活です。

本当にタイミングが良かった、としか言いようがありません。
不幸中の幸いとはこのことか。

ちなみに頚椎症ですが、手のしびれは様々な療法でやわらげることができても、脊髄や骨の変形を改善する方法は現状では手術しかありません。
手術すると完全に治すことが可能ですが、ごく稀に肩や肘が動きにくくなることもあるとのこと。
『今の状態から悪化しないように配慮して、生涯その首と付き合って行くんだから大事にしてね』と医師に言われました。

うん、これは「もっと身体と向き合いなさい」と神様が言ってるのかもね。
皆さんも頚椎症にはご用心ください。


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