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研修講師あるある【受講生の巻】

今回は研修講師としてのお話。
(ちょっとだけ重たい部分があります。後ろ向きな時には読まずに、元気がある時に読んでくださいね。)

・全く目が合わない。
・腕組み&足組み。
・挑んでくる視線

こうした受講生がいると緊張が走ります。
が、同時に腕が鳴ります。『よーし、来い』って感じですね。
そしてあの手この手で構って差し上げます。

講師スキルを少しだけご紹介すると、例えばこんなの。

1.体調を気遣う。
「体調、優れないですか?」
「辛いなら薬を用意してもらいましょうか?」

2.帰るよう促がす。
「仲間の足を引っ張るなら、お帰りください。」
「やる気無いのであれば無理してここに居る必要ないですよ。」

その他にも、こちらに意識や体を向かせるスキルは色々とあります。
しかし全てのスキルにおいて、伝える時は言い方や表情に最大の注意を払います。すると心を開いてくれるのか、はたまた根負けするのか、きちんと向き合って受講してくれるんですよね。

お陰様で、長い講師人生ですが、更に態度が悪化しまう人や、本当に帰ってしまう人は一人もいませんでした。一人も、です。
ただし、態度の変化が見られないということは残念ながらたまにあります。

後悔が残るのは、最初から最後まで態度が頑なだった受講生です。(でも、退室はしないし、ディスカッションやワークは参加していました。)
最後の受講者アンケートには「この研修に参加した意味はなかった」というようなことが書いてありました。
普段、アンケートを実施すると評価がとても高いだけに(ちょっとだけ自慢)本当にショックでした。力が及ばなかったことが悔しくて、いつも以上に一人で研修の進行や内容について振り返りを行いました。

数ヶ月後、その受講生がいる会社に別の仕事で行き、研修担当者にあの時の厳しいアンケートコメントを書いてくれた受講生は元気にしているかと聞いてみたら、自死を選んだと言われました。
詳しくは聞いていませんが、どうやらプライベートで悩みがあったらしいのです。研修講師はプライベートな問題にまで踏み込む立場ではないと考えていますが、たとえ1日という限られた時間しか過ごさない関係であっても、その日が初対面だったとしても、頑な言動は何かを伝えたかったのかもしれない、とやりきれない気持ちになりました。

もうかなり昔の出来事ですが、いまだにふと思い返し、どうすべきだったのかと内的思考を繰り返します。

他に印象的であったのは、朝から机に突っ伏して寝ていて起きない受講生です。
これも講師になりたてだったこともあり、結構ビビりました。どうしよう・・・、と焦りまくったのを覚えています。
そこで、しばらく寝かしておきました。その後は早々に1回目の休憩を挟み、絡みに行きます。
話を聞くと前夜は研修に緊張して眠れなかったらしい。(本当のところはわかりませんが。)
休憩明けからは、しっかり受講することを約束させて、研修再開。
すると、午後からはグループディスカッションを盛り上げてくれたり、積極的に質問してくれたり見違えるように真摯な態度へと変わります。研修終了後は自ら居残って、色々な話をしてくれました。
なんだ、いい人じゃないか!!

本当にわからないものです。どの対応が正解はわからないから、いまだに研修本番は流れを掴むまで緊張します。

それでも、そっぽを向いてる人が、段々と耳を傾けるようになって、しっかりこちらを見てくれるようになると心の中でガッツポーズですね。
講師経験を重ねて、近年はあまり手強い研修生に遭遇していませんでした。
私が歳と講師スキルを重ねたからか、もしくは単に迫力が増して恐れられているのかは定かではないですけど。

昨年、久しぶりに、とにかく久しぶりに、なかなかの強豪に出会いました。
とにかく何をどのように伝えても「現場ではそんなことやってられない」「関西人には通用しない」(これ、凄くないですか?)と受講生の一人に見事に否定されました。
話しかけたら、にこやかに会話もしてくれるし、研修は盛り上げてくれるんですけど、意識改革や行動変容を促すことはできませんでした。

またしても力及ばず、大いに反省。もしも次に会うことができたら、その時こそはもっと上手く伝えたい。

ちなみに写真は数日前の研修風景です。この時の受講生は全員真摯な態度でしたよ。3年次から5年次のスタッフで新入社員研修ぶりの再会です。とても成長されていて感激しました。

これだから研修講師はやめられないですね。



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