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PEOPLE1の歌詞を読み解く~YOUNG TOWN~

結論

結論から入ることはよいことらしいので、まずはYOUNG TOWNの歌詞を私なりに解釈して得た結論を以下に述べます。

 YOUNG TOWNは
 ①自分自身に宛てたメッセージソングであり
 ②若さ(=情熱・未熟さ)からの卒業を決意する歌である

君ってだれ?

多くの人が勘違いしていることかと思いますが、この曲は誰かに向けて歌っている歌ではありません。
自分自身へのメッセージソングです。

これは歌詞に出てくる「君」が誰なのかを考えるとわかります。
実際に歌詞を追って考えてみましょう。
例えば以下の部分

ああこんなもののために
また君を困らせてしまって
ごめんね さえ言えずに ごめんね
マイセルフ 楽しく暮らせよ
それだけで愛の完成形が僕らを待ってんだぜ

ここには人を表す言葉が3つ出てきます。
「君」「僕」「マイセルフ」です。

普通に考えたら「マイセルフ=僕」ですね。

でもよく考えてみてください。
歌詞の中で僕は君に"ごめんね"と謝っています。
そしてその直後に出てくる"マイセルフ 楽しく暮らせよ"の歌詞。

「マイセルフ=僕」だとしたら
僕という人間は君にごめんねと謝った直後に、自分に「楽しく暮らせよ」とアドバイスしていることになります。

反省の色なしですね!

謝罪の気持ちは歌詞の1フレーズ分しか続いていません。
気持ちの切り替えが早すぎます。
集団競技を見ていると、何かミスや失点をしたときに選手同士で「切り替えていこう!」とよく声を掛け合っていますが、この歌に出てくる「僕」には掛け声は必要ありませんね。

では「マイセルフ=僕」ではないとするとどうなるか。
考えられるのは
・マイセルフ=君
・マイセルフは君でも僕でもない誰か
になりますが、マイセルフが君でも僕でもなかったら曲の意味が通りません。

私は"マイセルフ=君"だと考えています。

君がマイセルフとはどういうことでしょうか。
マイセルフは直訳すると"自分自身"という意味です。

「君」に「マイセルフ」と語りかける「僕」。
私は、「君」はもう一人の「僕」と考えると歌詞の意味が通るのではないかと考えました。

君は21グラム

納得のいかない人もいるでしょう。
では他の歌詞も見てみましょう。

まだ消えない残り21グラム
君と月を歩くのさ

21グラムは言わずと知れた”魂の重さ”ですね。
知らない人はググってみてください。

ではこの魂は誰の魂か。
可能性としてはさっきと同じです。
・魂=僕
・魂=君

魂=第三者の選択肢は曲が意味不明になるので消しました。

どっちにしろ、少なくとも僕か君のどちらか片方は魂だけの存在になります。
ではこの曲は死別の歌なのでしょうか。
おそらく違います。

参考になるのは、PEOPLE1が少し前に出した「ゴースト」の歌詞です。

君はゴースト 胸躍る夜の亡霊
騙しててごめんよ 語る未来はないのだ

君はゴースト 売れ残る僕の願望
邪魔しててごめんよ 戻る兆しはないのだ

ここでは明確に「君=ゴースト」です。
そして僕は君にごめんねと謝っている。
YOUNG TOWNと通じる部分があると思いませんか?

つまり「ゴースト」を参考に考えると
魂=君となります。

するとひとつ疑問がわきます。

まだ消えない残り21グラム

"まだ"消えない。
この言い回し、少し引っ掛かりませんか?

まるで消えてほしいと思っているような、消えるのが当たり前のような言い方です。
仮に「君」が恋人や大切な人だった場合、そんな言い方になるでしょうか。

私は「君=僕」だからこそこの言い回しになると思っています。
もっと踏み込んで言うと、「君=自分の中の子供っぽい部分」だと思っています。

君は僕

YOUNG TOWNというタイトルが、ここでつながってきます。
この曲は「自分の中の子供っぽい部分に折り合いをつけて、大人になる曲」と考えるとつじつまが合います。

先ほどの"まだ消えない残り21グラム"は
「体が大人になっても、いつまでも消えない子供っぽい自分」のことと考えられます。

そしてこの曲は、そんな君に別れを告げる=自分の中の子供っぽい部分に別れを告げ、大人にならなくてはと自省する歌といえます。

大人にならなくちゃ(なるとは言っていない)

実は、子供っぽい部分を捨てて大人になるというのは
PEOPLE1の歌によく出てくるテーマです。

記事の中で例に挙げた「ゴースト」や、「常夜灯」も同じテーマです。

そう考えるとだいぶ前からPEOPLE1は"大人にならなくちゃ"と歌っていますが、何だかんだまだ大人になれていないようですね。
今後も同じテーマの曲が出てくると予想できるので、この記事が歌詞の理解の一助になれば幸いです

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