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唯一無二のからくりハンティングアクション / WILD HEARTS

今やひとつのジャンルにもなった『モンスターハンター』シリーズ。モンスターと戦い、素材を集め、装備を作成・強化し、さらなる強敵に挑む・・・・・・全体としてそういう設計になっているゲームを、総じて「モンハンライク(狩りゲー)」と呼ぶ。

しかしモンハンライクのゲームはただ似ているだけでは没個性化し、何かしら独特のアプローチが必要になる。「それじゃないといけない何か」がないのであれば、「モンハンでいいじゃん」という至極単純な感想で片付けられてしまうのは必然だ。

『SOUL SACRIFICE』は基本こそモンスターハンターだが、敵キャラのバックボーンや世界観の圧倒的な作り込み、重厚な物語の展開で差別化を行った。『ゴッドイーター』も同じく、ストーリー部分や、当時もっさりしていたモンハンと正反対のハイスピードアクションをフィーチャーした。

2012年ぐらいの流行り

どちらも「モンハンでいいじゃん」とはならない、モンハンから派生した独自性ある立派ないちゲームシリーズだ(今はもう見る影もないが)。他にも『討鬼伝』などがあり、いずれもが「そのゲームらしさ」を兼ね備えた作品であることは間違いない。

本作『WILD HEARTS』(以下ワイルドハーツ)も同様に、モンハンライクの何か程度かと思っていたが、しかし実際のところ似て非なる中身、新鮮で唯一無二のゲームだった。ガワはモンハンだが中身がぜんぜん違う・・・・・・そんな「触れやすさ」と「目新しさ」が両立した傑作だった。

今回もしっかりトロコンまでプレイしてきたので、PS5板の良かった点や悪かった点・・・・・・そういったものを触れつつの感想・レビューとしていきたい。都合上、モンハンと比較した内容が多くなるのはそういう方針ということで何卒。


良かった点

初狩りの王ことジゴクザルさん

「からくりアクション」という革新的な遊び

これはクリア直前にひらめいた鎖罠

ワイルドハーツの根幹にして象徴をなす要素こそ「からくり」だ。これをベースに戦いが展開し、ピンチを切り抜け、チャンスを生み出していく。からくり無くしてワイルドハーツは語れず、これによってモンハンとの大きな差別化が出来ている。

何度も使うことを前提とした基礎からくり、それを組み合わせてカウンターや起点を作る連結からくり、フィールドをより自由自在快適に動き回るための龍脈からくり・・・・・・この3つがワイルドハーツを構成している。そのどれもが必要で、不要なものは無い。最初こそ煩雑に思えるが、自然に設置、使用ができるようになる。

言うなれば、からくりはモンハンの砥石やシビレ罠などに存在として近い。モンハンは事前にポーチに必要なものを詰めていくが、ワイルドハーツは実際に戦場で必要なものを作るという違いがある。

そのため他アイテムの要素などが基本なく、リソース管理がコンパクトなのも評価点だ。プレイヤーが使うものと言えばからくりと癒やし水ぐらいで、他のことに気を取られる心配はない。

水も道中でたまに拾うぐらい

さて、からくりの面白いところはやはり、敵の行動をこちらが阻害できることと、爽快なアクションを更に延長できるという「能動的な関与」にある。

からくりというのは「使うと楽になる」ものなどではなく、「使うことが前提」にある。それを用いた移動はもちろん、攻撃すらも通常のものとは比較にならないほど強力だし、敵の攻撃はからくりで処理すれば被弾のおそれもない。宙を飛ぶ厄介な存在も叩き落とせるし、とにかく、盤面を自在に引き寄せられるのがからくりだ。

もちろん、始めたての頃は慣れなかった。匣を重ねて高いところにジャンプできたところで「そう・・・・・・」って感じだったし、イマイチ存在感がなかった。フォートナイト要素の入ったモンハンか? という程度にしか感じていなかったのは事実だ。

からくりの印象が大きく変わったのは、ワイルドハーツのガスコイン神父こと、ヤマウガチとの戦いを通じてだった。

クソお世話になりました!!!

初見時、ブチギレる寸前ぐらいのテンションでこいつと戦っていたのだが(主に傘のせいで)、その過程でイヤでもからくりの使い方や意味合いを知った。というか、ここで理解できなかったら遅かれ早かれ詰む。

どう考えても物理的に回避ができない攻撃への発、そして大技を完全に無効化する壁(羅生門って呼んでました)。これは、からくりを使って戦うゲームなのだと、肌感覚のみならず本質として理解できた。

「からくりを強制的に使わざるを得ないゲーム性が受け付けない」という意見もあるらしい。しかし、そうなるともはやワイルドハーツは無理だろう。それは人を撃たないFPSだし、コマンド入力をしたくないRPGで、内政のないシミュレーションだ。ワイルドハーツはからくりと共にあり、だからこそ印象に残る画期的なゲームなのだと私は思う。

「狩り場を作る」別視点の楽しみ

やってることはだいたいデススト

ワイルドハーツはただモンスターと戦うだけのゲームではない。バトルと同じくらい面白く、大きい要素としてあるのがインフラ整備・・・・・・狩り場の経路構築だ。むしろ人によってはこっちに没頭してしまった記憶の方が大きいという人も多いんじゃないだろうか。

ワイルドハーツのマップは地続きで、昔のモンハンのようにエリアが区分けされてはいない。すべてが繋がったひとつの巨大なマップをプレイヤーとモンスターが闊歩する。臨場感を感じる作りだが、しかしそうなると問題がでてくる。エリア移動の面倒さだ。

広いエリアの中で特定の位置にいるモンスターにアクセスする場合、当然だがまずはその近くからスタートする。ワイルドハーツは「獣狩の幕屋」と呼ばれる、いわゆるテントからのみ出発することが可能で、これがファストトラベル地点になる。

しかしこれは最大設置数が5と、マップの広さに対してそこまで多くはなく、どうしてもアクセスが面倒になってしまう部分が出てくる。そこで始まるのがワイルドハーツ流インフラ整備だ。スタート地点から、よく行く場所やただ長いだけの道、往来が困難なロケーションをとにかくつなげ、工事することが出来る。これが最高に楽しい。

人の島を見ても楽しい

最も使う龍脈からくりはおそらく飛蔓だろう。いわゆるジップラインで、高所から低所はもちろん、逆も可能だし、谷をまたがるように設置することも出来る。ただ長い階段もこれを使えばスルーできてしまう。ほぼパスファインダーのウルトだ。

旋風台も優秀なからくりだ。これは下から上へ吹き上げる風を巻き起こし、かなりの高所へ移動することが可能なほか、一度風に乗ってしまえば着地まで落下死を無効化できる。そのため、降下地点が高すぎる場所から落ちる手段としても使える。

また、地上を猛スピードで駆け巡りたいのなら一輪馬だ。これは歯車の中に自分が入り、さながら転がるタイヤのように地を駆けることができる。普通に歩くよりよっぽど早く、強化すればさらに早くなる。飛蔓が設置しにくい、複雑に曲がりくねった洞窟を巡るには最適のからくりだろう。

飛蔓で横を、旋風台で縦を、そして地上は一輪馬で・・・・・・ワイルドハーツでは、戦闘だけでなくこういった移動をもからくりで支配することが出来る。より良く快適な戦場を作るにはどうしたらいいのか? それを考え、実際にインフラの整ったバトルフィールドを駆け巡る快感は、他のゲームにはない格別さがあるだろう。

すべての文明は道から始まるらしいです

これがあるから、新マップにたどり着いたときのワクワクがかなり強かった。それはもちろん、新たなロケーションを視覚的に楽しむという面もそうだが、それより「どこをどう開拓すると効率的かな」と考える楽しみが大きい。これはモンハンには無い要素だ。

ちなみに龍脈からくりは移動だけでなく、狩りゲーに欠かせない素材集めなど、ファーミングをも手助けしてくれる。困難な戦いには欠かせない垂涎必至の高価な食材や、集めるには手間な鉱石なども自動化が可能(これらは後述)。

狩りゲーで『DEATH STRANDING』ごっこができる・・・・・・ひと粒で二度美味しい、そんなワイルドハーツの「大き過ぎる」いち要素だ。

理不尽感の少ない敵モーション

50%のユーザーを切って捨てるヤマウガチ先輩

「簡悔(簡単にクリアされたら悔しいじゃないですかw)」という言葉がゲーマー界隈に浸透して久しい。意味は文字そのまま、クリアさせる気がない(あるいはされたくない強い気持ちの現れに近い)モーションやステータスなど、ユーザーとスタッフが戦っているかのような構図かと錯覚するほどの仕様を指す。

およそ狩りゲーにはこの手の要素、またはモンスターが絶対に1匹はいて、たとえばMH3Gのジンオウガ亜種やGE2のマガツキュウビ、討鬼伝のミズチメなどなど、もはや生まれてきたことが間違いだったと言いたくなるほどのクソボケ野郎がこんにちはしてくる。

本来、ゲームは楽しいはずなのに、「なんで辛い思いしてまでこんなことやってるんだろ・・・・・・」と思わず我に返るほどのカスが本当に毎回いるのだ。

ゴミ

さて、ではワイルドハーツはどうだったのかと言うと、思い出す限りクソモンスは記憶にない。というのも、本作の敵はかなり調教されていて「必ず予備動作があり」「必ず後隙があり」「必ず見た目通りの当たり判定になる」、そんなステキ仕様なのだ。当たり前だろと思うかもしれないが、この手のゲームでコレはむしろ異端だ。

さらにはからくりで相手の得意を潰すことが可能なので(空を飛ぶやつは閃光玉で何度も落下させられたり)、ずっと一方的に相手から攻撃されるような事態になることはほぼない。必ず相手の行動には呼吸があり、その合間で的確に行動すれば誰だって倒せる・・・・・・そういう、ちゃんとターン制をしてゲームを楽しませてくれる気遣いが存在する。

これの何が良いのかと言えば、反省がすべて自分に行くという部分にある。予備動作があり判定が通常であるならば、なぜその攻撃を食らったのかと言えば「自分の立ち回りが悪いから」以外に追求のしようはなく、故にイライラも別にしない(しないは嘘かも。するかも)。クソ判定の強攻撃連打なんかされた暁にはつまらないとか通り越して「アホくさ」となるのだからコレは非常に大切だ。

このわざとらしい後隙!

ワイルドハーツはここだけでなく、あらゆる部分で丁寧に作られている印象がある。今回の開発チームによる前作、討鬼伝は思わず辟易としてしまう要素がちらほらあったが、本作ではほぼ無い。本当に同じチームなのかと思うぐらい「良いゲーム」になっていたのは嬉しい誤算だった。

つくづく思うのだが、私達は苦痛を味わうためにゲームをやっているわけではなく、楽しむため、気持ちよくなるためにやっている。ゲーム内のストレス要素そのものの存在は別に良い。適度な負荷は楽しみのスパイスになる以上、離乳食のような抵抗のないゲームもまた退屈なだけだ。しかし、悔しさあふれる、倒されたくなさ全開のモンスターなんてどこに需要があるのだろう。

負荷を与えつつ、決して悔しさにじませない、ワイルドハーツのモンスターたちは最高だった。ただちょっとカバネアラシ系列の肉質はもうちょうどうにかしてほしかったかもしれない。せめて背中の結晶は破壊できても良かったのでは。

そして本体のモーションだけでなく、行動ルーチンも優秀だったということも評価したい。というのも、小型は邪魔してこないし、大型2頭が1エリアに合流すると必ず一方は移動するのだ。これは本当に良いと思う。1v2なんてやってられないんだから。

非常に質の高いアクション

とにかく動かしていて楽しい

アクションゲームの善し悪しを決めるのはシンプルに操作性だ。たとえグラフィックが良くとも、ストーリーが良くとも、肝心の操作が終わっているのならばその作品の評価は芳しいものにはならない。アクションが微妙なアクションゲームなんて擁護しようがないから。

私の人生における最高のアクションゲームは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』なのだが、これもやはり操作性が抜群に良かった。何が良いのかと言われればまず操作性、そして次にSEなどの音響部分と来て、そして雰囲気とかが続いてくる。ただ、操作性以降の観点は後付で、手触りが良いこと以外の評価はぶっちゃけ添え物だ。

これまでもこれからも最強のアクションゲーム

善し悪しは感覚面で判断する部分が大きいものの、要は「自分の想像(想定)通りに動いてくれるかどうか」がポイントになる。自分では最高のタイミングで回避したのに入力遅延やFPSのズレのせいで被弾すると、ただただストレスが蓄積してしまう。

さて、ワイルドハーツの操作性はと言えば「文句なしに良い」という印象を受けた。プレイしていて思い通りに動かせずキレそうになったことはたぶんないし、仮にあったとしてもそれはゲームが悪いのではなく、そもそも自分の操作が悪いだけだろう。

通常の移動や攻撃のみならず、頻繁に使うことになるからくり関係のアクション。これらが自分の想像通りのタイミングや挙動で展開できるので、バトルにおけるストレスはほぼ無かった。目論見が甘く、羽で逃げ切れずに被弾することは多々あったのだが、これはそういう算段を取った自分が悪いのであってゲームに非はない。

アクション面で特に感動したのは回避だ。ワイルドハーツの回避はかなり強力で頼りになる。

回避の重要性を教えてくれるヒメトサカ先輩

モンハンの回避と言えば、一部の攻撃を除いて回避性能などのスキルで効果を増強しない限り、ただの隙消しとしてしか運用ができなかった。つまり、バニラ(何もスキルの影響がない状態)では回避としてほぼ役に立たないのが実情だ。

それに対し、ワイルドハーツの回避は初期状態でもかなり無敵フレームが存在する。回避は2種類あり、ローリングとスライディングで分かれている。どちらにも長い無敵が付随するのだが、特にスライディングが優秀で、これでほぼすべての攻撃をすり抜けられる。これ以上の無敵となると発による移動で、こちらもとんでもなく無敵が長い。

初期状態の回避が優秀ということは、それだけ敵の行動に対する選択肢が潤沢になることを指す。最終的には張り付きが安定するけど最初は間で逃げるしか無いなんて、そんなのつまらないだろう。

バトル面で億劫になる操作が無いのは当然として、探索においてもストレスは感じなかった。インフラ整備やつくも回収、素材集めなどの都合上、島を駆け巡るのだが、コレをやる際に不満を覚えることがほとんど無い。とにかく、動かしてて楽しいに尽きる。

キビキビとメリハリある挙動に支えられた本作、ワイルドハーツ。アクションゲームとして最も大切で基本的な部分が練り上げられていることは評価せざるをえないだろう。文句なしに良かった。ただ、少し話は変わるが、マップのしょうもない段差はアクションを阻害していて不満だったかなあとは思う。

かなりヌルい素材集め

何でも割とサクサク作れる

狩りゲーと切って離すことの出来ない要素といえば素材集めだ。プレイヤーによってはこれが一番楽しいと思っている人もいることだろう。しかし、まず最初に言っておきたい。私は素材集めが嫌いだ。やらないですむならやらない。できることならやりたくない。そもそもそういうマラソン行為自体が嫌いで、ただの水増しとしか思えないのだ。

これまでに数々の狩りゲーをプレイしてきた。それこそモンハンを含め、モンハンを意識して勝手に爆死した数多の狩りゲーをやってきた。そのうえで言わせてもらうが、私は素材集めが嫌いだ。理由はシンプルで「面倒くさいから」。素材集めというのは狩りゲーの構成要素に必要なストレスファクターであって、自ずから求めた快楽ではない。

では、そもそも自分がこのジャンルをやるにあたり、何が楽しいのか、何を求めているのかと言えば、バトルの最適化にある。最初は被弾しまくり20分かかっていたモンスターをノーダメ5分で沈める・・・・・・その過程と結果こそ最大の面白さだと考えている。

素材集めというのは、上記を満たす必要な装備を整えるにあたり避けうることの出来ない壁でしかない。素材集めそのものを楽しんだことなどこれまでただの一度もないし、今後もそんな機会はおそらく訪れない。仕方なくやっている、以外の感慨がないのだ。

そんな自分にとって、ワイルドハーツの素材集めのヌルさは最高としか言いようがなかった。武器や防具を作るのに何度も何度も同じモンスターを倒した記憶はないし、無駄に必要数が多い割に入手法が限定されてかつ排出も厳しいものなど無かった。一般的に入手困難とされるジゴクザルの熱溶岩も常に規定数が集まっていたぐらいだ。

強いて言えば「鉱石」という汎用素材が足りなくなることがたまにあったが(からくりで自動化出来るのでどうでもいい)、まあそれぐらいで、モンスター素材に困ったことは本当に覚えがない。たった1枚の厚鱗を求めてひたすらにモンスターを狩り続ける虚無はワイルドハーツには無かった。

これはもしかしたら人によって賛否両論なのかもしれない。苦労して装備を作る甲斐が無いとか、ようやく強い装備を作れた射幸心が弱いとか・・・・・・いくらでも素材集めヌルさに対する批判はあると思う。しかし、私個人としてはそんなの何もない。むしろ楽で助かる、ありがとう以上の感想はない。

さらに言えば、武器をいつでも強化前に戻せるのも素晴らしい。派生をミスったら最初からやり直しなんて、そんな原始時代みたいなシステム、今じゃもう流行らないよ。

悪かった点

傘は絶対に使うな

良くも悪くもからくり依存のバトル

良さと悪さが表裏一体

「からくりを駆使した戦い」というのはこのゲームのとても良い部分ではあるが、それと同じく、面倒に感じる部分であることもまた間違いない。私は飛燕刀をメインで使っていたのでそこまでからくりは多用しなかったのだが、他武器だとそうも行かず、ただやるだけでは思うようにバトルが展開できず苦労した。

問題点としては、武器ごとの天つ糸回収効率の差がありすぎて、からくりを思い通りに使えない場合があるということだ。

基本的に武器の攻撃というのは貧弱で、からくりを駆使した攻撃が醍醐味、かつ強い。なのだが、上手いこと回収ができず、頻繁にからくりを回せないとなると後手後手になり、火力も大幅に落ちるという有り様になる。

かと言ってからくりを使わずに戦うというのも、そもそもワイルドハーツに反するようでなんか違う。

大技に対するカウンターとしてのからくりは非常に良いと思う。とりあえず羅生門を使っておけばなんとなく処理できるし。しかし、攻撃におけるからくりは補助程度でも良かったのではないかと少し思う。

もちろん、別にからくりを使わず、武器だけで攻撃しても別に悪くはない。だが、からくり併用の攻撃を知ってしまうと物足りない感じはどうしても否めないのだ。こと、攻撃に関する部分だけはからくりの依存性を下げてもいいのかなと少し感じた。

武器種間の微妙なバランス

産廃は無いけど強弱はあります

武器バランスというものはこの手のゲームが常に抱える問題の1つだ。バランスの取れたゲームなんて見たことがないと言えるぐらい、何かしらが強く、そして悲しいほど弱い。本家モンハンは未来永劫ガンナー有利のゲームだし、『ファイナルファンタジーXIV』は定期的に運営に殺されるジョブが出てくる。

ワイルドハーツも例に漏れず、明確によろしくない武器強弱のあるゲームだった。

まず、最初に「良好な武器バランスとは何か」という部分を定義しておきたい。これは人によって解釈が違うので、個人的な定義を最初に述べておく。それは「それぞれの短所長所がはっきりしていること」「向き不向きと特徴が明確なこと」だ。

たとえば「扱いは難しいが火力が高い」ものと「扱いは簡単だが貧弱」というものがあった場合、これはバランスが取れていると言える。しかし「扱いは簡単で火力もある」ものと「扱いは難しく火力も貧弱」が共存している場合、バランスが崩壊していると捉えられる。

あらゆる要素は本来トレードオフであるべきだ。「◯◯は得意だけど△△は不向き」など、一方を手に入れると一方を手放さなくてはならないから、そこに選択の余地や考察が入り交じる。

要は、それぞれに明確な目的があり、プレイヤーによって選択肢が変わるものこそ、個人的に思う「バランスが取れている状況」の解釈になる。

一般的に、武器バランスは「火力」という一側面だけで語られることが多い。「Aは火力が高いけどBは低いのでクソバランス! ナーフしろ!」というのはネットで本当によく見る光景だ。これもまた解釈の1つだと思う。

しかし、私の定義からすると火力というのは1つのファクターでしか無く、それ以外の要素も鑑みないことにはバランスは判断できない。

もしかしたらAは限定的な場面でしか輝かない、非常に扱いの難しいものなのかもしれない。また、Bはゲーム内の仕様として非常に汎用性が高く、何にでも合わせることが出来る柔軟性がウリなのかもしれない。そういった文脈を察すると、一概に火力だけでバランス部分を評価することは難しくなる。

勘違いしてほしくないのは、武器(あるいは対立する構造)に強弱があるのが悪いという話ではないということだ。というか、あってしかるべきだ。横並びもまた、ある意味で特徴や長所短所の無くなったバランスの悪いゲームになる。重要なのは「それぞれに存在感があるかどうか」なのだ。

何使っても同じってどうなん?

前座が長くなったが、結論を言うと本作の武器バランスは良いとは言えない。飛燕刀と弓が特別に強く、そして傘があまりにも人を選びすぎる仕様になっているのが大きい。それ以外の5つは良い意味で横並びになっていて、前述した3つだけが異様だ。

中でも異質なのが飛燕刀で、これは正直ワイルドハーツのゲーム性を少し逸脱している。全武器屈指の機動性、定点連続攻撃による高火力、シナジー効果との相性・・・・・・そして何より、からくりに依存しない立ち回り。もはや別ゲーの武器になっているとさえ思う。

飛燕刀とかいう調査兵団

弓は飛燕刀よりはワイルドハーツができる。からくりへの依存性が高く(というかこれが普通なんだけど)、使い心地も悪くはない。ただ、誰がどう見ても初見で分かるほどの超火力が出せてしまう。そのうえで操作が煩雑ではないので、まさしく「扱いは簡単で火力もある武器」だ。

そしてある意味では全武器屈指の最弱でもある傘。これがヒドい。

唯一のパリィ武器で、ほぼすべての攻撃をパリィできるというところでカタログスペック的には強いのだが、その判定猶予が非常に短く、狙うことが困難だ。スキルで受付時間を伸ばさないことにはまともにパリィはできず、そして極めつけはそこまで火力が高くないという悲しい事実。

私は最初に傘を使い、ゲームを辞めかけたところ飛燕刀を使って神ゲーかと感じ、以降クリア後にいろいろ触ってみた。そして思ったことは前述したとおりだ。

傘は少なくとも初見で使う武器ではない。もしかしたら非常にゲームセンスが高く、動体視力も良いプレイヤーなら使いこなせるのだろうが、私にとっては苦行以外の何物でもなかった。

あとほんの少し受付時間が長く、そしてもうちょっと火力が高いのなら傘はおかしい武器にはならなかっただろう。専用スキルを盛り盛りにして的確にパリィをしてようやく他と並べるかな、ぐらいなのはヒドいと思う。そこまでの準備や操作を要求するならもう少し慈悲が欲しかった。

ただ、本作は別に何を選んでもクリアできるようにはなっている。

確かに武器の間に強弱はある。しかし、どうしようもない産廃は存在しない。使うことがデバフみたいなものはないので、自分に合うものを使うのが一番だ。

だが、だがそれでも私は初見で傘を使うことは絶対にやめたほうが良いと忠告しておく。いやほんとマジで。

ロードの長さ

比較的長め?

ワイルドハーツをやっていて明確に残念な点がロード時間だ。絶対的に見ればそこまで長くはないのだろうが、他のPS5のゲームを経験すると非常に長く感じる。湊に帰ったり他の島に行ったり、つくも宿回収のために移動が頻発するとなおさら思う。

もちろん、我慢出来ないほどではないし、そもそもが長いわけではないのだが、積み重なってくると結構気になる。PC版はかなり速いらしいが、そうなると単純に最適化不足なだけか。

あまりにもクソすぎるカメラ

ノーロックでいい

アクション部分はピカイチなものの、カメラワークは結構ヒドい。最初はモンスターの動きが速いため、ロックオン必須かなと思ったが、むしろやりづらくなるので、旧モンハンのように手動でカメラを操作していた。

本作では敵に視点を向けるターゲットカメラと、常に敵を捉えるロックオンカメラの2つがあるのだが、どちらも微妙。タゲカメはまだ使えないこともないぐらい。「むしろ利敵に近い」と配信で言われたが実際そうだと思う。難易度上昇を感じる。

問題点としては距離の近さとチルトの低さにある。臨場感を味わえるようなカメラにしたかったのだろうが、そのせいでプレイがしにくいことこの上ない。この辺の距離などをオプションで調整できたら良かったなと思う(カメラ距離200でもなお思う)。

そもそもとして本作はスピード感が強めで、縦横無尽に駆け巡るモンスターが多い。そうなると本作のカメラは暴れに暴れ、アクションがどうこうの話ではなくなる。そしてタゲカメに関してはテンポが悪く、予備動作の確認が遅くなってしまう。これでも昔よりは改善されたらしいが・・・・・・ほんとぉ?

オンライントロフィーの実装

やめましょうよ!!!

私はオンライントロフィーというものが大嫌いだ。時期によって入手難度が変わりすぎるし、場合によっては事実上解除不可になるものさえある(というかそういうものが大半)。『アサシンクリードⅣ』などはまさにそうで、今アレのオンライントロフィーの獲得はほぼ不可能だ。

ワイルドハーツには3つのオンライントロフィーが実装されている。条件はそれぞれ「オンラインで20回クエストをクリアする」「助太刀(乱入みたいなやつ)を5回行う」「味方を1回蘇生する」となる。幸いなことにそこまで面倒な条件ではないものの、いずれにせよサクサク取れるものでもない(助太刀は楽)。

問題となるのはやはり過疎の点だ。当時はもちろん、そして今はゲームカタログの追加によって活気があるが、時期を逃すと地獄を見ることは想像に難くない。この、外部要因によって入手が困難になるのがバカバカしくて嫌なのだ。

トロフィーを獲得しない人からすると死ぬほどどうでもいい部分だが、私にとってはどうでもいいことではないため、文句としてここに記載しておく。オンライントロフィーは誰も幸せにならないからやめてくれ。

攻略メモ

昨今のポリコレを意識したキャラメイクをしました

次は、プレイしてる上で思ったこと、プレイ当初の自分が知りたかったことをいくつか記載する。これから始める人や、今やっている人、その人達の参考になれば幸いだ。

食事について

お米食べろ!

ワイルドハーツの食事は物によって耐性がアップしたり会心率が増加したりするが、それらは些末なもので、最も大切な効果は体力の増加だ。増加量の大きいものこそ良い食事と言ってもいい。ということで、それらを安定して効率的に供給する方法を紹介する。

まず、湊と春と秋の島に置けるだけつくも宿「糧」を設置する。これは時間経過で食材を集めてくれるもので、置いておけば後は勝手に食材が貯まっていく。こっちがやるのはそれらを定期的に回収して加工するだけだ。

山菜は茄子以外をまとめて日干し笠に吊るす。これで干し野菜(満腹度40)になる。茄子は別個でまとめて干して干し茄子(満腹度20)に。基本的には干し野菜*2+干し茄子1でちょうど100になる。効果量的にもまずまずだ。

キリキリ働こうね

また、よりよい食事を楽しむために夏の島も使う(冬はスルーで)。こちらには魚取車を置くだけ設置し、魚のディスポーズを開始する。収穫したイワノトトなどはそのまま食べてもいいが、メインは醸し樽に入れて魚醤へと変換することにある。

ただ、加工しまくってもどうせダダ余りになるので、干した後は燻し箱へ突っ込んでおくと、ラインを止めず、最高に手間のかかったイワノトトが出来る。効果量も素晴らしい。まあここまでやってもなお余るけど。

魚は無限に捕れる

そして、さらなる強敵に挑む場合、穀物(粟、黒米、煌米など)を魚醤と一緒に漬け物壺へ入れ、ひしお飯(満腹度40)を作る。これと干し茄子を一緒に食べればかなりの体力増加が見込める。

とりあえずこれぐらいやっていれば食事で困ることはないはずだ。普段の採集をする必要もない。安定した食事環境を作るために以下のnoteが非常に参考になった。感謝。

インフラ整備の基本

とにかく楽に無駄なく

トロフィーの関係上、オンラインで他の島に行く機会がある。しかしながら、他の島は9割ぐらいの確率でインフラがまともに整っておらず、移動にかなりストレスを抱えることが多い。私も最適解が組めていると自負しているわけではないので、あまり大きな事は言えないが、基本すら逸脱しているのを見ると結構萎える。

ワイルドハーツの目的はモンスターを狩ることにある。しかし、その狩りを補佐するものも大切で、それが島のインフラだ。目的地に早く行き、装備を整える。こういった手段部分がもつれると結果にも多大な影響が出てしまう。

というわけで、これを守っておけば快適だよという点を紹介する。私も最初は人伝で教えてもらい、だんだんと我流で調整していった。

まずは拠点を作る。テントを設置するのだが、位置は野営地(各島2つ)と、よく訪れる場所の近く(3つ)に設置するといいだろう。場所のポイントとして、必ず井戸の近くに置くというものがある。じゃないと補給ができない。

テント、井戸、櫓はセット

そして、付近に櫓を一緒に設置しておくのも大切だ。テントから始まり、櫓で探知し、飛蔓で移動する・・・・・・という流れが構築できればひとまずは快適に狩りが出来る。オンラインだと、そもそもテントを置く場所が適当だったり、櫓も無かったりで、スタートダッシュすらままならないことが多かった。櫓は共鳴するため、範囲内で重なって、最終的に島をすべて覆う形にする。

どこか一箇所を起動すればいいだけ

拠点はすべてを繋げる必要などなく、それぞれからよく行く場所へのアクセスができればいいので、テントからテントへの飛蔓などは不要だ(ファストトラベルすればいい)。ある特定地点に行くためにファストトラベルを行い、そこから移動するための手間をからくりで補う・・・・・・これがインフラ整備の基本になる。

とりあえず上記ができれば通常プレイでそこまで問題は無いだろう。あとは高所に登るための旋風台や洞窟を駆け巡る一輪馬(使うときだけ設置して都度壊す)を併用する。また、食材や鉱石収集のためのつくも宿や、食事加工用のからくりを置いたりしてもいい。

確かな答えがない以上、基本さえ守ればあとはいくらでも拡張することができる。インフラ整備の本質は「問題の認識」と「その効率的な解決」にある。今、この狩り場における問題はなにか? それを認識するところから始めよう。

早めにやっておいたほうが良いこと

やらなくてもいいと言えばいい

正直、やるやらないで大幅に影響が出るわけでもないのだが、やっといたほうが良いよねということを記載する。少なくとも過去の私にはやっとけと言いたい。

まずはサブクエの消化だ。このゲームはメインクエストだけ進めると恐ろしい速度で難易度が上昇していく。モンハンで言えばあっという間に上位に突入し、またすぐG級に入るほどのスピードだ。そうなると装備更新しないまま挑めば苦戦は必至。ということで、拠点開拓も兼ねてしっかりサブクエはこなした方が良いだろう。

マップ開拓も重要だ。とりあえず、初めて訪れた島は隅々まで探索し、採取したり野営地を見つけたり龍穴を開放したりして慣らしておくことを勧める。インフラ整備は非常に大切だ(別項で書いてるので割愛)。

湊で増築を頼むのもやっておきたい。これにより湊が賑やかになる・・・・・・のはどうでもよく、持てる食材の数と枠そのものが増えていく。初期はすぐポーチがいっぱいになってしまうので、どんどん依頼すると良い。お金も相応に必要になるものの、サブクエを消化していれば足りるだろう。

声がエドワード・エルリックの人

装備更新あれこれ

そんなに作るのはしんどくない

ここでは、各進行度に応じて自分が作った装備を紹介したいと思う。ただ、特に最適解ということではなく、とりあえずこれでいいよねというレベルだ。各難易度で1つセット装備を作るくらいだったが、それで困ったことは特に無かった。つくづく素材集めに執着しないゲームだと思う。

  • 若武者

    • ハナヤドシとコハクヌシの装備

    • まずはこれを集めつつワイルドハーツを学ぶ

  • 黒備え

    • クロマトイの装備

    • 特に理由はなく、素材が余ってたので更新した

  • しろがね

    • ラセツの装備

    • スキルも防御力も優秀、さすがパッケージモンスター

  • ガルラ

    • シラヌイの装備

    • 非常に強力なスキルが揃っている、まさしく最終装備

    • ただ、これに挑む際に来ていたのがしろがね(炎弱点)だったのでワンパンが珍しくもなかった

      • 間にジゴクザル装備を挟むと楽になるか

スキルや防御力も大切だが、耐性もかなり大事だ。特に、相性の悪い装備だとワンパンされるので、被ダメがヤバい場合は気にかけていきたい。

また、活人と獣道は少なくともストーリー進行上においてはどっちでもよく、いったん一式を揃えて、発動するスキルや防御力を加味して強化すればなんとかなる。

護符は腐らないスキルを選べばそれで良い

そして武器に関しては各種類によって名前が変わるかもしれないので説明しにくいが、とりあえず「スナツヅミ→クニナラシ→ハナヤドシ上位→コハクヌシ上位→カサヤドシ上位→シロウガチ上位→シラヌイ」という流れで強化を進めた。

このゲームは属性武器というものの存在価値が基本なく(有効なのはツクヨミだけ)、とにかく基礎攻撃力が高いものを選んでいけば間違いない。そして、仮に派生をミスっても、いつでも戻れるのが嬉しい。

強化の際は継承技能を意識しておくと戦いが楽になる。たとえば会心系の武器なら会心強化などを積極的に継承していくといいし、あるいは武器ごとの固有スキルを積んでもいい。最終的には、到達目標武器から逆算して継承技能を拾っていく形になる。そのため、最短ルートではなく寄り道しまくるのが基本。

換金素材、腐らせてませんか?

しばらく気づかなかったやつ

中盤ぐらいまで、ワイルドハーツは金銭面で苦労することが多く、お金は信光の依頼をこなすことでしか集められないのかとかなり困っていた。しかし実際そんなことはなく、モンスターを倒すともらえる換金素材があった。これを売れば十分な資金になり、困ることはそう無い。

この要素に気づかず、しばらくは寂しい財布で生活していた。ふとショップで護符を売ろうとしたとき換金素材に気づき、すべて売却したところ所持金が15万を越え、あのチマチマした魚取衆の依頼はなんだったんだ・・・・・・と脱力。

よく見れば介錯後の画面で、最下部あたりに和同開珎みたいなマークの素材が毎回映っているのだが、本当にしばらく気づかなかった。お金はクエスト報酬金で稼ぐもの、という先入観が悪さしていたのは言うまでもない。

トロフィー取得解説

83時間かかりました

次は、本作のトロコンを目指すに当たり、注意したことや詰まった部分などを記載する。下記サイトは非常にわかりやすく各種トロフィーの獲得方法をまとめてありとても助かった。しかし、一部誤記があったり、自分の環境とは異なる部分が見られたので、その部分を本記事にまとめておく。

ただ、検索してみたところ各ユーザーによってバグがあったり無かったりと言った様子なので、基本的にはリンク先の内容がほとんどの人に対応するはずだ。ワイルドハーツのこういうとこ嫌い。

ひとまず、条件を満たしてもトロフィーが獲得できない場合はソフトを再起動する。私はこれで解決した。

からくりの湊

やはりバグなのか?

条件は「湊に龍脈からくりを累計15個設置する」こと。似たようなトロフィーは他にもあり、春夏秋冬4つの島に規定個数設置する必要がある。で、これは内容的にはまったく解説の必要はなく、ただ脳死でホイホイ設置すれば良いのだが、ここで立ちはだかるのがトロフィーの取得バグだ。

条件を満たしているのにトロフィーが獲得できない・・・・・・令和のゲームでこれが普通に起きるのだから恐ろしい。幸いなことに、アプデによって「取得そのものが不可能(=別データでもう一度フラグを立てなければならない)」という最悪の事態はおおむね(!?)解消されたらしいが、それでも細かいバグはあるらしい。私が被害者です。

「どう考えても15個以上設置してるのにトロフィーがゲットできない!」という場合はまずワイルドハーツのアプリケーションそのものをいったん落とし、リブートすることで解消できる。私はこれで獲得できた。もう一度ゲームを始めた瞬間に一気に獲得できたのでまあ、そういうことなのだろう。

困ったらまずは再起動。大切です。

澱みを制す者

1乙ゲームオーバーで高火力はちょっとどうなん

本作の裏ボス的な扱いである「澱み深き獣」を4匹倒した場合に入手できるトロフィー。いわゆる高難度コンテンツにあたるもので、だいたいはこれが最後のトロフィーになる。クエスト的にも実質的に最後の目標であり、これをこなすと以降は自由狩猟(目的がなくなる)へ移行する。

まず、彼らと戦う前に要石を集める必要がある。挑むためには9個必要で、クリアのたびに消費する。要石は「澱」とつく強化個体を倒すことで入手が可能。介錯+クエスト報酬で一度に5個程度入手できるため、2回倒せば参加資格が得られる。

現在はアップデートで通常クエストのような扱いの澱み深き獣(制限時間60分で残機3。要石は不要)が出現しているが、私の環境では、これらをクリアしてもトロフィーは得られなかった。あくまで初期の時点で実装された「ハナガラシ」「アギトサカ」「トガアラシ」「ラセツザン」が対象なのだろう。ちなみに「ナラクザル」と「ヤミマトイ」はやる必要なし。

澱み深き獣は通常個体と比べはるかに攻撃力や耐久が高く、また攻撃パターンも変わっている。そして何より、クエスト制限時間が20分でなおかつ1回たりとも死亡が許されない。常に残機が1の状態でクエスト達成を求められる(要はノーデス)。これが結構キツい。

私はすべてソロでクリアしたが、どうしても無理ならオンラインを頼ったほうが良いだろう。ただ調べたところ、人の澱み深き獣を狩ってもトロフィーは獲得できないらしいので、やるなら自分が受注しなければならない。とはいえ、このクエストは周回する意義が薄いので、参加者が集まるかは微妙。自分でやったほうが結局は速いかも。

討伐のポイントとしては正直、死んで慣れろとしか言いようがない。私はハナガラシとラセツザンは初見で行けたが、アギトサカは3トライ、トガアラシは4トライかかった。結局アクションゲームなので何度もやって慣れるしか無い。制限時間の20分は慣れれば十分に足りる範囲だ。

そして、起死回生は必ず発動させておくこと。これは本当に大切。澱み深き獣の大技は問答無用でワンパンしてくるので、その事故対策として必須だ。あとは制限時間の関係上、火力スキルをなるべく多く盛っておく。また、捲土重来のような「命脈が1つの場合に発動する」スキルも効果的だ。

最重要項目として、挑む前、あるいは最後の1匹を倒す前は絶対にワイルドハーツの再起動をしておくこと。じゃないとトロフィー獲得が認識されず、また4匹を倒すハメになりかねない。私はもう二度とやりたくないため、これだけは意識してやっていた(ハナガラシとアギトサカは初討伐トロフィーが出なかった)。

どうしても無理ならハメ技を使うのもアリかも。

薬湯に魅せられて

最後の最後までやらなかった要素

意外と入手に手間がかかったトロフィー。というのも、薬湯の情報が抜けてたりするサイトが結構多かった。最初はまた取得バグなのかと思ったが、なんのことはない、そもそも条件を満たしていなかっただけだった。

こちらの獲得条件は「すべての薬湯を作る」こと。薬湯は2章開始直後に解放される要素で、強化していくことで恒久的にHPの最大値を上昇させられる(強化自体は4章から可能)。トロフィー獲得に必要な強化、薬湯の種類は全5つ。詳細は以下に。

  • ししかねの湯

    • 4章のメインクエスト

  • くろおにの湯

    • 上記達成後解放

    • 「浄土猿の熱溶岩」を納品

      • 怒り中のジョウドザル(強)の腕破壊で低確率入手

  • あまつ果の湯

    • 「ウサギの実」の納品

      • 春島にいるコノハナウサギを撫でることで入手

  • つくもの湯

    • つくもを20回強化することで解放

  • いやし花の湯

    • 「姫鶏冠の頭冠」と「飼い獣の尾羽」の納品

      • 前者はヒメトサカの頭部破壊

      • 後者は鳥系の小生物を手飼い籠に入れて入手

つくもを率いし者

地味に一番しんどかったかも

こちらは澱み深き獣とは別ベクトルでしんどいトロフィー。春夏秋冬各マップのつくも50匹、計200匹の完全収集が求められる。そしてトロフィーバグがよく報告される地獄の和え物だ。

こちらはマップに表示されているクエスチョンマークを片っ端から消化していけば良いだけなのだが、場合によっては表示されていないこともある。原因は2つで「櫓の探知範囲から外れている」のと「そもそもマップの霧が晴れていない(=未踏破)」こと。

すべてのマークを踏破したのにつくもが足りない場合は、今一度マップを確認し、行っていない場所がないかどうかを吟味しよう。春島だと最序盤に訪れる橋、夏島は東の洞窟、秋島は炸裂弾で壊せる壁の先、冬島は堀から入れる隠し通路あたりが見逃しやすい。

ちなみに、私はつくもを集め終わってもトロフィーが獲得できず、再起動して焚き火でつくもの調整をしたら入手できた。本当に心臓に悪い。

安息の地

普通にスルーしてた模様

条件は「すべての野営地を開放する」こと。これは春夏秋冬それぞれの島に1つずつあり、さらに見落としやすい要素としてラストエリアにも存在する。

この最後の野営地をスルーしていたため、最後まで入手が滞っていた。ちなみにこれも獲得バグは存在するらしい。私は霊峰にテントを置いたら獲得できたので良かった。

さいごに

最高のゲームでした

発端としては、PS Plusのゲームカタログにやってきたのでやろうという動機があった。そもそも発売当時(2023年2月ごろ)にやろうと思ってはいたものの、なんだかんだと時が過ぎ、気がついたら無料で提供されるぐらいまで期間が空いてしまい・・・・・・。

あまりこういう言い方は良くないが「普通に面白かった」ので、たぶん当時何もやるゲームが無いのであれば買っていたと思う。そして、定価で買っても後悔はしなかったと思う。それぐらいちゃんとした良いゲームだった。

およそ◯◯ライクというゲームは元ネタの凄さを再認識するためだけの存在であることに対して(ソウルライクとかがまさに)、モンハンライクはどれもが独自性のある傑作な気がする。ワイルドハーツも同様に、これでしかできない遊びがある神ゲーだった。

残念ながらモンハンという存在が大きすぎてメジャーにはならなかったが、「唯一無二のからくりアクション」という肩書がきっと本作を輝かせ続けるだろう。プレイした人からはきっと「モンハンのパクリ」なんて言葉は出ないはずだ。本当に面白かった。

さいごに、配信に付き合ってくれた方々に極大の感謝を。普通にプレイしてるだけでは気づかないようなテクや仕様のコメント、ありがたかったです。感謝!

ということで以上、おしまい。

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