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▶︎目を覚ましたワクワクと、冬の一句

空気が澄んで青空が広がっていた今日。私は道路の水溜りに張る氷を見つけて、たまらず心を躍らせました。

本当ならば私がパリッとその氷を割りたかったのだけど、車に踏まれた氷には既に亀裂が入っていて、私は仕方なく、頭の中でそれが割れる瞬間の「音」を再生しました。

パリッ。__パキッ。

どちらの音が近いか、と言われると迷ってしまうけれど、そんな音を鳴らしながら薄い氷を踏む瞬間は、想像するだけでも結構楽しい。

足跡の無い真っ新な雪の上に踏み出すときとは、微妙に違った高揚感。どちらも『ここに最初の足跡をつけるのは私よ!』なんていう状況には変わりないのだけど、わたしには氷の上に踏み出す一歩の方が、どこか特別に感じてしまうのです。

薄い氷の下には、氷になりきれなかった水溜り。氷が割れる瞬間を楽しむためには絶妙な力加減が必要になります。厚い氷だと思えば意外と薄かったり。薄いと思っていれば氷が厚くて割れなかったり。その絶妙な力加減を読み違え、靴を濡らした経験は数知れず。

こんなことでワクワクする気持ちは、とっくの昔に忘れてしまったと思っていたのですが、眠っていたはずの気持ちが今日再び目を覚ましたようです。

やっぱりちょっとだけ、氷を割りたかったな。笑

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縁側で 寄り添い白き 雪うさぎ

沙々良まど夏さんにお誘い頂きまして、わたしも冬の一句を詠んでみました。

庭に植えられた南天の実と葉っぱをそっとちぎり、手のひらより少しだけ大きい「雪うさぎ」を作って並べていた幼き頃を思い出します。

白い雪景色のなかで真っ赤な実をつける南天の木には、ときたま鳥たちが遊びにやってきました。そんな景色を温かな部屋のなかから、祖父と一緒に眺めていた頃の思い出。

そんな温かで優しい記憶を、この企画が私に思い出させてくれました。まど夏さん、素敵な企画をありがとうございました。

募集は1月20日までとのこと。皆さまもぜひ。

皆さんからの応援は、本の購入や企画の運営に充てさせてもらっています。いつも応援ありがとうございます!オススメの1冊があれば、ぜひ教えてください。