(雑文)そばをすするという事。粋の考察


この前、テレビでラーメン通の方が出てきて、
ラーメンをズズッって音を立てて試食している
のを見たんですよ。

また、ウソかマコトか以前2ch(現5ch)で
ベルギーの人がラーメンすするように強要され、すごく不快に思った
っていう話が話題になったりしていましたね。

で、思った事。


ここらへんのマナー『音をたてても可』っていうのは、ラーメン普及以前からある日本伝統のファーストフード『そば』のマナーに由来していると思うんですよ。

ちょっと脱線……
拙者は麺類好きでして、そばも大好き。
拙者はつけそばが好きです。
ちょっと独断と偏見で解説? しましょう。

そば、昔は「そばがき」として食べられていました。
そばの粉を固めて大きな団子? 状にして加熱したものです。
今でもおソバやさんによっては、そばがきを食べさせてくれるところがありますね。
それに対して、現在食べられている麺状のそばは「そばきり」と呼ばれていたようです。

「そばきり」にもいろいろありまして、

まず、「田舎そば」
そばを殻ごと引いた粉で作り、最も「そば」らしいそばだと思います。
そばの香りが感じられ、拙者は一番好きです。

次に、「藪そば」
殻を向いた実を粉にして作ります。そばの香りが感じられ、拙者は二
番目に好きです。

最後に「更科そば」
そばの実の中心部分の粉を使った贅沢なそばです。ですがこのタイプ
のそばは香りが弱く感じられ、そばのありがたみが減る気がして拙者
はあまり好きではありません。

通の人は、まずはそばをつゆにつけずに食べ、そば本来の味を確かめる
とか。

次に薬味。
おそばやさんでも、ねぎにワサビが多いと思いますが本来はワサビではなく、辛い大根を薬味につかったらしい。
なるほど、ワサビだと香りが強すぎて、そばの味がとんでしまいますもんね。
昨今、辛い大根って手に入りにくいけど(みんな甘い青首大根ばっかり)、辛い大根の薬味で食べてみたいですね。

あと、ざるそばともりそばの区別ってわかりますか?
今、多くのそば屋では見た目、のりがかかっているかどうかの違いくらいしかないんですが、本来はざるが『上』、もりが『並』にあたり、つゆや粉が違ったらしい。だからざるそばの方が値段が高い。
今でも、ちゃんとした老舗ならそういうところしっかり区別して作っているのではと期待しているのですが、駅前ソバ屋じゃダメかな。


で、ですね、問題は食べ方なんですよ。

うどんは「手繰る(たぐる)」、そばは 「すする」 と申しまして、
うどんを食べる時は箸でうどんを持って、一噛みごとに口の中に押し
込んでいく。そばは細いから「すする」わけなんですが、

マナーとしては音をたてていい事になっている。

理論的な背景としては、そばは「ファーストフード」だから。
マナーをどうこう言う外人がいたら、
「お前らナイフとフォークでハンバーガー食べるんかい!?」
くらい言い返すのが日本人として、正しい姿。

しかしですね、どんな音を立ててもいいってもんじゃ、ないわけなん
ですよ。

鼻水すするみたいに「ズルズル・・」なんてNGに決まってるでしょ
う。だいたい、そんなヤツは江戸時代でも田舎もんって軽蔑されます
よ。そばは江戸っ子の食べ物なんですから、そんなwetな音じゃなく枯れ葉が秋風に舞うような「シュッ」みたいなクールな音をたてたいじゃないですか?

実際、昔の通はそばをかっこよく食べてたはずなんですよ。

で、話はもどってラーメン食べるとき。

上記踏まえて、
TVに出るほどのラーメン評論家が「ズルズル・・」はちょっとなあ
と思った次第。
ただ、ラーメンはなにしろ熱いので、空気と一緒にすすらないとやけどするという意見もありますが、だからといって不必要なほど聞こえよがしに大きな音を立てる必要もありませんよね。

食事のマナーって他人に対する気遣いと同時に、「かっこよさ」も追
求していると思うんですよ。結局、麺類食べる時に汚い音を出す人っ
てその視点が抜けていると思うんですよね。

「音はたててもいいが、格好よく!」

拙者はそういうのが粋って事だと思うんです。

B級グルメをかっこよく食べれる大人になりたいものですたい!


追記:
じゃあ、拙者、どうやってラーメン食べてるのって言いますとまだ研究
中(おいおい)。熱いラーメンは空気と一緒に食べないと唇やけどしま
すからな。

最近はラーメンを手繰って口に近づけてからすすったり。
(距離短くなるから音はめだたなくなる。)

こうしてみると、女子がミニラーメンつくるのは(レンゲにのせるやつ
ね)さましたり、音たてるの防ぐ工夫なのかあと、妙に納得したり。
いやいや、こんな事やってたらせっかくのラーメンのびるっつうの!!


もくじ

この記事が参加している募集

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?