(お話)「月」


人里離れた山奥の小さな山小屋に夜が来た。

小屋の中には一人の男と犬、猫が寝息をたてている。


月が天高く昇り、窓から月のあかりが小屋の中を照らし男は目を覚ました。

「……やけに明るいと思ったら今夜は満月か」

月の光に照らされた男は、たちまち全身に毛が生え、牙が尖り、鋭い爪が伸びる。

男は狼男だったのだ。

狼男は小さくあくびをするとシーツのシワを直し、

犬と猫を抱き寄せ丸くなる。

そして、再び眠りにつく。

ぐっすりと夜明けまで。


小屋の中には一人の狼男と犬、猫が寝息をたてている。



#月 #短編 #小説


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