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食卓の向こう側・第2部「命」つなぐために(10)高齢者 「食べる力」いつまでも
今日のテーマは「自分の歯で食べることの大切さ」。
歯に関しては、私自身が今問題を抱えているので、このことが身に染みてわかる。
「年齢はただの数字です!パワーエイジング」
が合言葉のタキミカさん!
彼女が健康なのは、90歳で全て自分の歯、なんでも噛めているから?
昔は少し虫歯があったらしい。電動歯ブラシと普通の歯ブラシを使い分け、1日に5回、10分かけて、1本1本丁寧にみがくそう。
「歯が弱い方は内臓が悪くなる。噛めないので病気になる。歯が一番大事」と熱弁!やっぱり〜、と腑に落ちた。
食卓の向こう側・第2部「命」つなぐために(10)高齢者 「食べる力」いつまでも
ノリのいい洋楽が流れる明るい食堂。仲間内の掛け声「よっこいしょういち」(元日本兵の故横井庄一にちなんだしゃれ)で、二階のテーブルに着いた。
楠病院(福岡県久留米市)デイケアセンターの昼食。集まったのは七十ー八十代のお年寄りだ、魚のもろみ焼きなどおかず五品とみそ汁。
個別に栄養管理されており、人によってはごはんもたっぷり、食欲旺盛で食べ残しはない。「みんな元気でしょう、食卓を囲むのは大事なこと」と、同病院常務理事の吉永美佐子。
高齢者が増えるとともに、高齢者の「孤食」も増えている。吉永は「一人だと食欲がわかなくなり、適当な食事になる。これは生きる意欲に直結した問題」と指摘する。
「昔は隣近所で総菜を分け合っていた。しかし個人主義社会の中で、そんな食を通じての交流も破壊した」。高齢者数は二〇一五年にピークに。
「会食所を整備するなど、食べる力を失わせない取り組みが急務」と言い、「運営を高齢者に任せれば雇用対策にもなる」と提案する。
健康に不安を抱く高齢者。吉永は「訪問販売でサプリメント(栄養補助食品)を『体にいい』と勧められ、買ってしまう人も。食べる気力のない人は食事代わりにしてしまう」。
通常の食事で必要な栄養素は取れる。「病院から薬をもらっていると、飲み合わせで体に悪影響が出ることがある」という。
ヘルパー資格を持つ佐賀県西有田町の主婦、永尾真奈美は今、定期的にボランティアに参加する。祖父の入院がきっかけだった。
母が毎日でかけ、食事を助けていたが、ある日、枕元に置いていた入れ歯が消えていた。病院側に訪ねる「入れ歯?なくなったようですね」と素っ気なかった。
以後、点滴や流動食になり、それが合わなかったのかみるみる弱っていった。「情けなくて涙も出なかったが、食の大切さを痛感した。食をもっと学んで介護に役立てたい」
「食べる力」を奪われないよう、長崎市の歯科医、角町(つのまち)正勝(56)は、施設や住宅の寝たきり高齢者のための「口腔ケア」の必要性を訴える。
「人間の器官は使わないと機能しなくなる。寝たきりで長期間チューブ栄養を受けると、口の動きを支える筋力などが低下、自分で食事することが困難になり、心肺機能が著しく落ちてしまう」
角町は口腔内の粘膜を刺激する療法で「チューブ食」からの解放を目指す。口を動かすことは、意識、思考の活性化につながる」
角町は昨年、高齢の末期がん患者の歯を治療した。一粒のブドウをほおばると、患者は「うまか」と笑い「口から食べることってすごい」としみじみと語った。
食べる力を奪われた人は衰え、与えられると再び輝く。「食事とは栄養を取るだけではない。奪われてはならない人間の尊厳がある」と角町は力を込めた。
2015年問題
厚生労働省は2015(平成27)年までに高齢者介護社会の実現を目指している。そのころの「団塊の世代」が高齢者(60歳以上)の仲間入り。推計で2015年の高齢者は3277万人、高齢化率は26.0%に達する。うち1人暮らしは497万人とされる。
転載終わり
7年前に義父レンの世話を始めた頃、一番に連れて行ったのは歯医者だった。食べることが一番の楽しみなのに、入れ歯が合わなくて、食べにくそうにしてた。
新しい入れ歯ができ、噛み合わせもよくなり、食べることを楽しめるように…最後亡くなるまでの数ヶ月、介護しながら、実の親子のように仲良くずっと一緒に過ごした。そして、最後に家族でサンデーローストを食べてから、あちらの世界に旅立った。
食いしん坊のレンが好きだったローストチキンが最後の晩餐となった。
「天国でもきっと美味しいものを食べてるんじゃないか」とふと思う。
歯が丈夫であれば、自分の力で食べられ、健康でいられる。タキミカさんも言っているように「歯が一番大事」かもしれない。ぐらぐらしている前歯の治療をどうしようか考えながら、「奇跡の林檎」の大きく口を開けて笑う木村さんの顔が頭から離れない自分がいる。笑
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