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プロフェッショナル仕事の流儀の言葉群を分析してみてわかったこと

プロフェッショナルー仕事の流儀という番組があります。毎回ある分野で卓越した成果を出しているプロフェッショナルに密着取材し、プロフェッショナルの仕事への向き合い方や葛藤を伝えるNHKの番組です。

同番組のクライマックスは、スガシカオのProgressがエンディングテーマとして流れる中での、「あなたにとってプロフェッショナルとは?」という問いかけに対するプロフェッショナルの回答です。

久々に同番組を見る中で、ふと、「数多くのプロフェッショナルたちの言葉を分類し構造化したとき、つまるところプロフェッショナルってどう定義されるのだろうか?」という有閑貴族のような問いがふともたげてきました笑。

そこで、本稿では、上記を実際にやってみたプロセスと結果について書きます。プロフェッショナルとは何か?という問いに関心のある方、プロフェッショナルを目指していらっしゃる方はぜひご覧ください!

プロフェッショナル像は多様で捉えどころがない

同番組におけるプロフェッショナルの答えは、三者三様です。短く端的に答える人もいれば、結構長い言葉で説明する人もいます。プロフェッショナルの本質の捉え方の切り口も様々です。プロフェッショナルという言葉は比較的日常的によく使いますが、その具体的な「プロフェッショナル像」のイメージが如何に多様かを思い知らされます。しかし、プロフェッショナル像が多様であるからこそ、同番組は15年以上にわたって人気番組であり続けているのだと思います(初回放送は2006年)。

さて、アップルが所属するコンサルティング業界においても、プロフェッショナルという言葉はよく使われます。コンサルティングファームのことをプロフェッショナルファームと呼ぶこともありますし、一人ひとりのコンサルタントもプロフェッショナルと呼ばれることがあります。

そういう意味では、コンサルティング業界に比較的長く身を置いているアップルもある種のプロフェッショナルなのだと思いますし、個人的にももちろん、プロ意識をもって仕事に取り組むことは大事だと考えています。プロ意識を持って仕事に取り組むべきだと、ファーム歴の浅いジュニア・ミドルメンバーに伝えることもしばしばあります。

では、いざ「プロフェショナルとは何か?」と真正面から問われたら、即座にシャープな答えをするのは難しいと感じます。日常的によく使う言葉なのにその定義を問われると答えに詰まる。その手の言葉の代表格だと思います。このように定義があいまいで捉え方に幅があるからこそ、プロフェッショナル仕事の流儀に出演するプロフェッショナル達の捉え方にも多様性があるのではないかと思います。

プロフェッショナルたちの言葉の類型化

しかしながら、何事も定義をしたくなるのがコンサルタントの性。プロフェッショナル仕事の流儀の出演者の言葉を括って、共通要素を抜き出すと、どういった定義ができるだろうか?とふと考えてしまいました。同番組の番組数は500を超えますが、さすがに500をすべて見るのは大変なので、以下のサイトのfile400以降の100弱のプロフェッショナルの言葉をざっとみてその分類、共通要素の抜き出しをやってみました。

【まとめ】”プロフェッショナル-仕事の流儀”の名言を一覧化してみた | ITコンサルタント わさおのブログ (itconsultant-dictionary.com)

ピンと来たプロフェッショナルの言葉を、キーワードを抽出して並べると次のとおりです(数字はfileナンバー)。

立ち続けること 488
愚か者 484(大迫傑)
等身大 476
未来志向 475
同じことを続ける 463
人並でない 459
逃げずに走り続ける 458
期待を超える 455(田中みな実)
手を抜かない 453
遊び心 452
情熱 450(黒柳徹子)
正解がないことに向き合う 442
気合い 436
仕事が趣味 423(三木谷浩史)
着地のイメージがもてる 415
仕事について考え続ける 411
あきらめない 405
自分を貫く 393
この人にしかできない 384(小藪千豊)

これらを類型化すると、主に以下の4つの類型となります。

■情熱・没頭
情熱をもって没頭することができることこそがプロフェッショナルの本質。好きこそものの上手なれ。

■粘り強さ・継続
対象は何であれ、一つのことに向き合い、粘り強く続けられる人こそがプロフェッショナルである。

■クオリティ
クオリティのためには決して手を抜かない。だからこそ周囲の期待を超え続ける。それこそがプロフェッショナルである。

■オリジナリティ
その人にしかできないこと、その人にしか生み出せない価値を提供する人こそがプロフェッショナルである。

さらに、これらを因果関係でむすびつけると、

情熱・没頭→粘り強さ・継続→クオリティ→オリジナリティ

になると考えられます。

情熱をもって没頭するからこそ、粘り強く継続できる。
継続するからこそ、クオリティが高まる。
クオリティを追求する中で、オリジナリティが生まれる。

ということです。

ここまでの流れを図にまとめると次のとおりです。

以上を踏まえると「プロフェッショナルとは何か?」という問いに対する最も標準的な答え(最大公約数的な、バランスの取れた答え)は、

「ある対象に対して、情熱をもって取り組み続け、その分野において卓越した成果とオリジナリティを生み出している人」

という感じになるのではないでしょうか。

アップルのプロフェッショナルの捉え方

最後におまけで、現時点でアップルが「あなたにとってプロフェッショナルとは何か?」と問われた場合にどう答えるかを言葉にしておきます。

「プロフェッショナルとは、クライアントの期待を超えることはもちろん、そこに自身の意志やオリジナリティを織り込んで「面白い!」と言わせることができるコンサルタントのことである」


真面目でまっとうなことも大事だけど、ひねりや変化球でクライアントをアッと言わせることができる「ビジネスエンターテイナー」たれというのが、アップルの目指すプロフェッショナル像です。コンサルティング業界ではあまり一般的でないかもしれません。


今回は以上です。
本稿が読者の皆様が「プロフェッショナルとは何か?」について考えるきっかけになれば幸いです。
最後まで御覧いただきありがとうございました!


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