戦略コンサルにおける”イメージする力”の重要性
戦略コンサルタントのアップルです。
戦略コンサルタントに求められる頭の使い方には様々ありますが、やはり「左脳」と「右脳」という二分論がわかりやすいです。左脳はロジカルシンキング、定量分析などの分析的思考。対して右脳は発想力、想像力、創造力です。このどちらが欠けても戦略コンサルタントとしては不十分で、左脳と右脳をバランス良く組み合わせて使える人が優秀なコンサルタントと言えます。
さて、表題にある「イメージする力」というのは、どちらかと言えば右脳に属する頭の使い方ですが、この力がコンサルティングの実践においてはすごく大切だと感じています。
具体的には、3つの側面でイメージする力が重要です。
1.アウトプットをイメージする力
2.ビジネスをイメージする力
3.試合運びをイメージする力
順に解説していきましょう。
1.アウトプットをイメージする力
戦略ファーム内では「アウトプットイメージ」という言葉が多用されます。何らかの調査や分析をした後に、結局どういうアウトプットに落とし込むのか?ここで言うアウトプットとは、鍵となるスライド(キーチャート)や、資料全体のストーリーです。
アウトプットイメージを早めに持つことによって、最終的にどんなアウトプットを作ればよいか、そのためにはどんな調査や分析をすればよいかが明らかとなり、調査や分析の無駄がなくなる(無駄がなくなる結果、調査・分析の質も上がる)ので、アウトプットイメージを持つことは大事です。
なお、超上級者のプロマネだと、プロジェクトのスタート段階で最終報告資料のアウトプットイメージを作ってしまうこともあります。
2.ビジネスをイメージする力
新規事業などで特に求められるイメージ力がこれです。新規事業というのはある意味「世の中にまだない事業」です。世の中にまだないものを作っていくために、それについて具体的なイメージをもつことが重要です。
・こういう商品やサービスを、顧客候補は本気で買おうと思うだろうか?
・対価として、いくらくらい払ってくれそうか?
・この商品・サービスの営業マンは、どういう売り文句でこれを売ることができるだろうか?
こういうことを徹底的に具体的に考えるわけです。頭の中で顧客が購入するシーン、営業が売るシーンがちゃんと想像できれば、おそらくその商品やサービスは売れます。
3.試合運びをイメージする力
プロジェクト運営において、具体的にどうデリバリーをしていくかの試合運びは極めて重要です。特にプロマネは、常に一歩、二歩先の試合運びを先回りしてイメージし、プロジェクトを円滑に進めていくことが求められます。
・どのタイミングでどんなアウトプットを出せばよいか?
・そのアウトプットを出した時、クライアントはどういう反応を示すだろうか?どう感じるだろうか?
・おそらくこういう反応を示すだろうから、その次はこういうアクションを切っていくことにおそらくなるな
・・・
こういうことを具体的に頭の中でシミュレーションするわけです。
コンサル界隈では良く「炎上プロジェクト」なるものが喧伝され、Twitterでも炎上プロジェクトで苦労している旨のツイートをしばしば見かけますが、こうした炎上は試合運びのイメージ力があれば基本的には起こりません。ひとえにプロマネの試合運びイメージ力の欠如により、炎上プロジェクトは起きていると思われます。
以上、コンサルで求められる3つのイメージする力について紹介してみました。何となくイメージする力の大切さをご理解いただけたのではないかと思います。
ロジカルシンキングも大事ですが、アップルの体感上、それ以上にこのイメージする力が大事です。コンサル業界に飛び込もうとされている方は、自分にイメージ力があるかどうかを自己評価し、自信があるなら思いっきり飛び込めばいいと思いますし、逆に自信がないなら躊躇した方が良いかもしれません。
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