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出身高校の「合格体験記」を読み返してみて

戦略コンサルタントのアップルです。

今回の記事はコンサルっぽくないネタです。半分昔ばなしです。

少し前に「消えた天才」という番組がありました。やらせが発覚して番組終了となってしまいましたが、「学生時代にある分野で天才的だった人が、今何をやっているのか?」を取材で追跡検証する番組でした。番組のコンセプトは面白かったので、アップルもしばしば観ていました。本稿は、この番組と似た感じで、合格体験記に載っていた人たち(知人含む)が今何をしているのかをググって調べてみましたというお話です。興味ある方はご覧ください!

ふと発掘された、出身高校の合格体験記

最近、自宅で昔の書類を漁っていたら、出身高校の合格体験記(アップルも卒業後に寄稿したもの)が出てきました。

アップルが通っていた高校はとある県の公立の進学校だったので(県内トップではなく、県内3~4番手でしたが、地元では進学校の一角)、国立大(旧七帝大)や有名私立大学(早慶上智、同志社、立命館等)に現役で合格する人は一定数いました。進学校らしく、有名大学に現役合格した人が後輩に向けて寄稿した「合格体験記」が毎年生徒たちに配られていました。

もう20年以上も前のことですが、アップルも無事志望校の某国立大学に現役合格しました。大学入学後しばらくしてから「合格体験記に寄稿してほしい」というリクエストが高校からあり、快諾して寄稿したのでした。

何せ20年以上も前のこと、何を書いたのかほとんど覚えていませんでしたが、読み返してみるとずいぶんと適当なことを書いていました笑(私がどんなようなことを書いていたのかは、最後に少しご紹介します)。

印象に残る3人についてパブリックサーチ

この合格体験記には約20名が寄稿しています(文系約10名、理系約10名)。その中には、同じクラスだった人、友人だった人、直接話したことはないが校内模試の成績上位で名前をよく見かけた人もいます。懐かしい名前が並んでいるなあと思いつつ、ふと、「この人たちは今何をしているんだろう?」と思ってパブリックサーチをしてみました。ごく一部の友人を除き、高校の同級生たちとは卒業以来まったく交流がないため、合格体験記に名を連ねている人たちが大学卒業後どこに就職したのか、そして現在は何をやっているのか、全く知りません。ググったら何かしら情報が出てくるだろうと思って興味本位で調べてみたのです。

調べてみたのは、特に印象に残っている以下の3人です。
・G君(東大理一進学):学年トップに君臨し続けた神童
・H君(一橋大商学部進学):高1のとき数学のライバルだったクラスメイト
・Y君(大阪大工学部進学):変わりものの親友

この3人について、
・どんな高校生だったのか(+アップルとの関わり)
・合格体験記にどんなことを書いているのか
・現在は何をしているのか(パブリックサーチの結果)
を紹介していきます。

G君(東大理一進学)

G君は学年のトップに君臨し続けた秀才でした。当時は校内実力テストの成績上位は掲示板に張り出されていましたが(確か上位30位まで)、G君ほぼ常に1位だったと記憶しています。そうして成績が貼りだされることもあり、圧倒的秀才として、校内で知らない人はいませんでした。

彼はオールマイティでした。理系に進んだのでどちらかと言えば理系科目の方が得意だったのでしょうが、英語、国語、社会もバランスよく加点し、総合力で他を圧倒していたと記憶しています。なぜ彼が県内トップの高校にあえて進学せず、県内3~4番手のこの高校に入学したのかずっと不思議でした(直接の面識はなかったので、そんな質問を投げかける機会もありませんでしたが)。

学校の期待を一身に背負ったエースのG君は、エースらしく東大理一を受験し、見事現役で合格しました。

彼の合格体験記には、
・塾には通わなかった。部活に熱心に取り組んだ
・平日は1時間くらいしか勉強しなかった(土日はもうちょっとした)
・とにかく授業が大事。授業を集中して聞けば、家で勉強なんかする必要はない。後輩たちには授業を大切にすべきと言いたい
というようなことが書いてあり、神童タイプだったことが窺えます。

さて、そんなG君、その後どうなったのかを調べてみると、あまり多くの情報は出てきませんでしたが、
・東大理一から工学部へ
・東大で博士課程まで進学し、博士号を取得
・現在はとある研究機関で助教を務めている
ということのようでした。学問の道を究めるべく博士号を取得しているところはさすがという感じですが、40歳過ぎで助教ということはその後研究者として花開いていないのかもしれません。あの神童G君でもアカデミックな世界で成功できていないとすると、やはりアカデミックな世界で成功するには半端ない頭の良さが必要なんだなと再認識させられます。

余談ですが、戦略コンサルで頭がいいというレベルと、アカデミックで頭がいいというレベルとでは、10倍以上の地頭の差があると思います(アカデミックで活躍している友人・知人の観察事実から)。

H君(一橋大商学部進学)

H君とは文系・理系に分かれる前の高1のときに同じクラスでした。左利きで、数学がかなり得意だったと記憶しています。彼とは友達ではありませんでした。したがってコミュニケーションを頻繁にはとりませんでしたが、クラスメイトとして当たり障りのない会話はしていたように思います。

アップルも数学は得意だったのでなんとなく彼のことをライバル視していました。おそらくH君もアップルのことをライバル視していたと思います。今後お互い理系に進み、数学のテストの点数を競い合うんだろうなと思っていたところ、なんと彼は文系に進んでしまい、肩透かしを食らった記憶があります。

しかし、さすが数学が得意だっただけあって、彼は数学の入試問題が難しいことで有名な一橋大学に現役で合格しました。

H君の合格体験記に書いてあることは、独特です。
「大学なんてどこでもいい。どの大学に入ってもやりたいことは必ず見つかる」
「だから志望大学は適当に決めればよい。僕も得意な数学の配点が高いから一橋にした。これでいいんですよ」
「模試の判定やセンター試験のボーダーはあてにならない。自分も模試はD判定でセンター試験もボーダーに達してなかったのに受かっちゃってるから」

高校卒業直後の人が書いたとは思えない達観ぶりです。天才肌がにじみ出ているように思います。

さてそんなH君はその後どうなっているのか?ググって調べてみると、一橋大を卒業後一流企業(NTTグループの1社)に入社し、現在はシステムエンジニアのような仕事をしているようです。どこかで講演した記事が出てきました。手堅く一流企業に入って活躍しているところはさすがです。きっと彼の「数学力」は、今の仕事でも存分に生かされていることでしょう。

Y君(大阪大学工学部進学)

Y君は高3のときのクラスメイトで、親友の一人でした。自宅が比較的近かったこともあり、高校からチャリで一緒に帰宅したり、カラオケやゲーセンにも何度となく行って遊んだ記憶があります(田舎なので遊ぶところと言えばカラオケ、ゲーセン、ボーリングでした)。

Y君はイケメンでした。背はすらっと高く(180cmくらい)、目鼻立ちもはっきりしていました。しかし性格はちょっと変わっていました。自分で言うのもなんですが、アップルも変わりものなので、変わり者同士ウマが合ったのだと思います笑。

そんなY君とは大学生のときにも何度か会いました。最後に会ったのが大学4年生のときだったでしょうか。Y君はテレビ局への就職が決まったと話しました。工学部からテレビ局に就職する人はあまりいないので、やはり彼は変わりものです。

社会人になってからは一度も会う機会がなく、SNSでもつながっていないので、半ば彼の存在を忘れかけていました。今回合格体験記にY君の名前をみつけて「あー、Y君っていたなあ」と懐かしい気持ちになりました。

さて、このY君、調べてみると今も就職したテレビ局にいるようです(Y君の名前+テレビ局名で検索するといくつか情報が出てきました)。今はプロデューサーとして活躍しているようです。彼のようなちょっと変わった感性を持っている人には、テレビ番組の制作は向いているのかもしれません。

そんなY君の合格体験記は異彩を放っています。自身を「参考書フリーク」と称し、ひたすらお勧めの参考書を紹介しています笑。これは果たして合格体験記なのだろうか?と疑うような内容ですが、「こうしてたくさん参考書を紹介すると、参考書を買いすぎだろうと思う方がいるかもしれませんが、予備校の1ヶ月分の授業料でこれだけたくさんの参考書は買えます。お得です」という一文で締められており、妙に説得力があります。

彼は一切塾や予備校には通わず、学校の授業と大量の学習参考書だけで阪大の現役合格を勝ち取ったのです。近隣にまともな塾や予備校がない田舎だからこその戦略ともいえますね。

なんとなく読み取れること

以上、象徴的な3人の人柄、合格体験記の内容、その後の進路を紹介しました。なんとなくですが、3人ともその強みやキャラを生かした道に進んでいるように思います。三つ子の魂百までということわざがあるように、高校生のときに既に発現しているその人の強みや気質は、社会人になってからも大きくは変わらないということかもしれません。

他人のことはさておき、アップルの合格体験記にはどんなことが書いてあるのか?そんな声が聞こえてきますが、これを書くと身バレするかもしれないので詳細は差し控えます笑。少しだけご紹介すると、
「身の丈に合わないと思うくらいのレベルの大学を目指せ」
「目指した時点で勝利である。合格するかどうかは二の次」
という、およそ後輩たちには何の参考にもならないであろう乱暴な精神論のメッセージを打ち出しておりました笑。加えて、寄稿している約20人の中で文字数が最も少なかったです(よく言えばクリスタライズされている、悪く言えば不親切)。

どうやら、戦略コンサルティングの仕事をする遥か前から「メッセージドリブン」だったようです。私もなるべくして今の仕事をしているのかもしれません笑。これもまた三つ子の百までということかと。

みなさんも、学校や塾で配られた昔の合格体験記が手元にあれば、そこに寄稿している人が今何をやっているのか、ググって調べてみると面白いと思います!

最後に、もしも、もしも、G君、H君、Y君がこの記事をみかけて「あ、これ、俺のことかもしれない」「だとするとこの記事を書いているのは・・」と気づいても、そっと心の内にとどめておいてください笑。


今回はここまでです。
最後までご覧いただきありがとうございました!

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