<アパレル用語・仕様標準化Web会議>Vol.1 議事録
<アパレル用語・仕様標準化Web会議>Vol.1 議事録 15名参加
アパレル用語・仕様名称・附属名称は用語辞典などで基本はあれど、同じ意味で地域・企業・ブランドで使われている用語が異なっている場合が多く、仕様書も各社各担当で異なります。デジタル化の推進・ECの台頭などで、状況の変化・統一の必要性が高まっています。
現在、国や一部の団体等での動きが見られますが、現場の団体が入っておりません。現場を外した話では無く、業界全体で動く必要があると思っています。
今回は第一回目なので、問題点や意見を上げていただきました。参加いただいた方は、デザイナー・パタンナー・縫製士・アパレルスタートアップ経営者・生産管理・衣装制作・工場経営者・CADプログラマー・老舗生地メーカー経営者など多様なメンバーです。
①地域・会社・ブランド等で差がある。メンズ・レディース・テーラーでも違っている。専門学校・企業内での教育の違い、内製から外注(OEM・商社)体制が増えて、教育が行き届きにくくなっている。分かれていた領域が混在してきている。
②手書きからソフトに移行するにあたり、海外向けの翻訳機能を使う場合も増えるが、用語のバラつきがあると機能しにくい。
③用語の標準化に関して国や団体の動きはあるが、現場の団体が入っていない。そうなると、 取り決めをしたとしても現場に落とし込めない可能性がある。
④サイズの明記の違い。カットソーと布帛では、測り方・指示位置が異なる。また、ECサイトの台頭により更に複雑になってきている。ECでの表記は、カットソー(平置き寸)の測り方が理解しやすいが、フィッティングと布帛の表記は共通で人体構造に基づく測り方になっている。この部分の区分けが、昔と違い混ざってきてしまっている。
⑤3DCADベースの話では、工業系3DCADでもメーカーによって用語の違いは発生する(工業系資材名称等でも地域性などがあるよう)。ユーザー目線で揃える事が普及のしやすさになるのでは?
⑥ 海外の仕様書の規定はあるか?→バラけてはいるはず。
⑦日本の国立の衣服の学校があるか?→ない。統一しにくい要因の一つなのでは?(国立では被服学になってしまう)
⑧学校毎でも言い方を変えてる。言葉を独自に作っていることがある。国立の学校を作って、統一をしていくとスムーズに進むのでは?(民間では難しい)
⑨英語が共通言語になるので、日本だけではなく、海外とも統一していく必要がある。
⑩仕様書を文章より図解をメインにしていく。国が違っても意思疎通がしやすい。パターンマジック(東レ)の図解を有効的に使う。図解で自ら学んで知識も付けられるような事があった方がいい。
⑪誰の為にやるのか?(社内?工場?)。内需だけで無く、世界展開を前提に置いてメリットを撒くイメージが必要。
⑫各国の洋裁用語集をヒントに。辞書メーカーの方にも入って貰う?
⑬仕様書に図解する人とパターンに図解する人がいる。工場さんによってもパターンを優先する場合と仕様書を優先する場合がある。
⑭行動からの名称なのか、アタッチメント・ミシン等機械由来の名称なのか。
⑮統一は難しいが、正解を明確化することはできるのでは?(附属類なども同様)
⑯工場と情報共有するには写真を送るのが一番早い。いってこい始末を海外の工場に説明するのは難しい。日本人の曖昧な表現をどう表現するか?
⑰工場見学をする事が減ったので、ミシンと用途が認識されていない。
⑱この統一をする目的は、自分たちが作りたいと思っているものを最後まで事故なく、スムーズに作れるような指示をできるようにする事では?目線は作る人への配慮なのでは。
⑲仕様書フォーマットそのものが統一されていないので、入社した会社のフォーマット次第になり、指示の範疇が曖昧。知識の差が出やすい。
⑳ブラザーさんが出してる縫製用語集がある。日中の翻訳/英語も書いてあったはず。
㉑専門用語のオープンソースがあったら良いのでは?同じ仕様でも複数の言い方があるものが出てくると分かりやすいのでは?Notion・Wikiツール・WordPressなど。正解はさておき、どんな言い方があるのか書き込んで貰うのも良いのでは。
㉒国内のIT会社も言語統一出来ていなく日本という国が統一が苦手である。マイクロソフトやGoogleが統一した感があるだけ。ITの仕様書も統一されていない。どうやったら浸透させていくかの戦略の方が重要。
㉓工場サイドとしては少ない資料(仕様書)で、いかに簡潔に伝えるかが重要。行き詰まった時に大量に資料を読み漁ることが現場としては大変。縫製仕様に関してはミシンのカタログを基準にして呼ぶ事が多い。カタログの図解等も活用すべき。産業機器をベースに考えたら良いのではないか?
㉔生地屋でも分かれている。統一されてない理由はジャンルによって使い勝手の良さが違ったのでは?例えば布帛ではm換算、ニットカットは重さの違いがある。
㉕クリエイションは枠組みにハマりきらないことが面白いという人も居そう。辞書くらいまでならありなのでは。
㉖仕様書と共に請負の契約形態や工賃の不明瞭さが問題では?工数も単価の標準化・技術評価が曖昧。人件費可視化の必要。生産背景のクローズ体系が問題。
まずは、広く各地各企業で使っている用語を皆様が書き込み・編集できるような情報共有ツールがあると良いのではと言う話になりました(使用ツールは、検討中)。実際、普段作っているアイテムとは異なる分野の方から、初めて聞く用語も出てきて面白かったです。用語集やサイトにも載っていない、現場ならではの単語もあるわけです。知見の広がりから楽しさと興味を持っていただく所を手始めにと思います。