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無形文化の未来に向けて~行政からビジネスの世界へ~

はじめに

はじめまして、株式会社あっぱれの伊東です。
 

鎌倉市役所で12年間勤務した後、今年4月にあっぱれにジョインしました。
前職では、世界遺産登録の推進、新設博物館の整備から運営、文化事業の推進など、キャリアを通じて行政マンの立場から文化財の保護、活用に携わってきました。
 
鎌倉は一般的に、源頼朝と武家のイメージが強いですが、近現代に至るまで多種多様な文化が育まれ、受け継がれています。有形・無形の文化財に加え、今は価値づけられていない将来の文化財など、日本の文化の坩堝とも言える場所で、悪戦苦闘しながらも濃密な時間を過ごさせていただきました。
  

次世代に伝えていくために

 
この仕事をする上で普遍のテーマだったのは、「地域の文化財の意義や価値を、次世代にどのように伝えていくか」ということでした。
一般的に、「文化財ってなんとなく大切そうなもの」というイメージはあっても、なぜその文化財に価値があるのか、なぜ現代の人々に受け継がれてきたのか、背景がわからなければ理解がしづらいかもしれません。
 
特に無形文化は、昔から守り伝えられてきた伝統の技術=人のワザそのものが文化財であり、目に見える形として残っていないものもあります。
そのワザがどのように生まれ、発展し、現在に至っているのかをわかりやすく伝えていく必要があります。

 
そのために行政でも、文化を守るための法令や、担い手を支えるための補助金を整備するだけでなく、イベントや体験プログラムの実施、文化財のアーカイブ化、情報発信など、多様な取り組みを進めてきました。
 
また、文化財は行政の力だけで守り、伝えていけるようなものではありません。以下のように、有形・無形のいずれの文化財にも、様々な関係者が関わっています。
 
・所有者、担い手
神社、お寺、保存会など
 
・地域コミュニティ
地域住民、自治会、ボランティアガイドなど
 
・学識経験者
学者、研究者、専門家、教育関係者など
 
・商工関連
商工会、職人など
 
・観光関連
観光協会、観光事業者など
 
 
立場の違いはありますが、無形文化を守っていくために、必要不可欠な方々です。
これまでも関係者が協力して、あらゆる手で無形文化を後世に伝えるために尽力してきました。
 

あっぱれの一員としてできること


これまでのエントリーでもお伝えさせていただきましたが、無形文化は今、大きな課題に直面しています。
 
担い手の減少、資金不足、社会環境の変化…
 
高齢化や新型コロナをきっかけに廃業や解散を余儀なくされた事例、補助金頼りで存続が危ぶまれている事例を見聞きしてきました。
 
ただ、マイナスな面ばかりだけでなく、その価値や面白さがしっかりと伝わっていない、仕組みさえ整えば、世界中の方々に興味を持ってもらえるのではないか、と思うことも多々ありました。
 
思い切ってビジネスの分野に転じてからは勉強の日々ですが、元文化財行政マンとしての経験を活かしながら、無形文化にまつわる情報をnoteで発信できればと考えています。

みなさま、よろしくお願いいたします!




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