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いくら恥をかいても構わない!チームとしてうまく機能すれば、結果として全体がうまくいく🚒🚑✨

どうも👩‍🚒🤚✨
救急救命士のAPO隊長です。

今日から新年度ですね。新しい環境、新しいメンバーとなって、心機一転!って感じですね🙂

そんなメンバーの入れ替わりが行われた時、やはり事故は起きやすいものです。

共通認識もずれていますし、適切なコミュニケーションも取れません。ちょっとしたミスであっても、”過剰に空気を読む”ことをしたり、”前回の職場ではエラーとはしていなかった”などの認識のズレによって、小さなエラーが見逃されていきます。

新年度は新しい気持ちでスタートできますが、職場内の事故には十分気をつけなければいけないということですね。

それでは今日も行きましょう👩‍🚒
「特集!ノンテクニカルスキル」

今日は、CRM(クルーリソースマネージメント)について、こんな説明をします✨

1、CRMは、”ノンテクニカルスキルを高めるためのプログラム”である
2、諸外国のハイリスク産業では、すでにCRMを取り入れている
3、チームとして機能すれば、結果として全体がうまくいく


CRMは、ノンテクニカルスキルを高める

CRMって聞いたことありますか?
医療業界は近年、教育が進んでいる分野ですね。消防分野ではあまり浸透していません。昨年度の、アドレナリン誤投与における報告書では、”ノンテクニカルスキル”という言葉が使われていましたが、

多くの消防職員は、
👩‍🚒「ん???ノン・・テクニカル?ってなに?」
と思ったことでしょう。

消防職員とノンテクニカルスキル。

もっとも関連のある場所といえば、防災航空隊です🚁。

各県に設置された防災航空隊は🚁を運用していますが、CRMというのは、そもそも航空業界から始まった教育疑念なんです👩‍🚒

ヘリコプターの航空業界の範疇という事で、航空隊員はCRMに関して一定の教育を受けるようです。

ほとんどの消防士にとっては、初めて聞くようなCRMという言葉ですが、諸外国では、何年も前からこの概念があり、大きな事故が発生した際にこの項目についても検証されるのが常のようです。

👩‍🚒CRMは、”ノンテクニカルスキルを高めるためのプログラム”と考えてくださいね。

ノンテクニカルスキルの失敗とされた事故例

👩‍🚒以下に、ノンテクニカルスキルの失敗とされた事例を紹介します。簡略化して書きましたが、どれも大きな事故ですね。

⑴ NASA
 航空業界における失敗の原因を、ボイスレコーダーのデータを分析したところ、リーダーシップの欠如、チームの悪い協調関係、コミュニケーションの崩壊、自己主張の欠如、不注意、不適切な意思決定、人間能力の限界などが挙げられ、多くの場合でストレスや疲労が関係していたことが明らかとなった。

⑵ 原子力発電所
 2つの原子力発電所の事故を分析したところ、状況認識の甘さと意思決定の欠如が主要な要因であった。

⑶ 軍事領域
 旅客機の誤爆撃により、乗客乗員290名の死者が発生した事例を分析したところ、意思決定とコミュニケーションの問題が明らかとなった。

⑷ 油田領域
 現場の崩落により167名の死者が発生した事例を分析したところ、シフト勤務の引き継ぎ時におけるコミュニケーションの失敗が原因であり、緊急事態発生時におけるリーダーシップの失敗が重なって発生したものであった。

⑸ 医療領域
 患者に対する有害事象の割合は、入院患者の10%に及ぶとされており、その多くはコミュニケーション、チームワークの崩壊、不適切な意思決定に原因があるとされている。

「現場安全の技術」から引用

ノンテクニカルスキルを高めるためのCRM

ノンテクニカルスキルは、航空分野で発展しており、欧州の民間航空規制機関で導入されたのが最初とされています。

NASAと航空心理学、大学が協力し、航空分野において、ノンテクニカルスキルに関する研究プログラム開発が進み、ノンテクニカルスキルの認識を高めるための講習や実習の提供が始まりました。

こうしたコースは、クルーリソースマネジメント(Crew Resource Management:CRM)と呼ばれ、機長、客室乗務員、その他スタッフもコースの対象に含まれるようになりました。

その後、原子力発電所、海運業、刑務所、緊急事態対応機関、病院などのハイリスク産業もCRMに準じた訓練の導入が開始されています。

CRMを学ぶための最初の一冊はこれ!

最初の一本にオススメなのは、小林 宏之さん(公益社団法人日本航空機操縦士協会副会長)の書かれた、「航空安全とパイロットの危機管理」という本です。小林さんは多数のノンテクニカルスキルについて執筆をされている、元パイロット🛩です。

APO隊長も数冊持っていますよ👩‍🚒とても読みやすくて、消防士としても十分活用できる本です。


小林さんは、論文でこのように書かれています。


提言:チーム医療に求められるノンテクニカルスキル 
小林宏之 

 私は,「社内あるいは操縦席では,いくら恥をかいても かまわない,チームとしてうまく機能することができれ ば,結果として全体がうまく」と言い続けてきました. 人間は,完璧な仕事をすることはできません.私自身, 100 点満点のフライトなど,一度もありませんでした.自身に甘い点数をつけたとしても,せいぜい 85 点がいいと ころです.にもかかわらず 42 年間,なんとか無事故を全 うできたのは,周囲の人に助けられた,チームの力のお陰だったと思っています. 専門分野でのテクニカルスキルを磨き続けるととも に,「チームとして安全を確保する」という意識をもって, ノンテクニカルスキルの向上にも努めることが大切なの ではないかと思います.

http://www.jsomt.jp/journal/pdf/061050314.pdf


職場の安全を守るためには、個人ではなくチームであると。
いくら恥をかいても構わない。チームとしてうまく機能することができれば、結果として全体がうまくいく。

👩‍🚒この考え方ができるようになれば、きっと事故は減るでしょうね。


まとめ

それでは今日のまとめです👩‍🚒✨

1、CRMは、”ノンテクニカルスキルを高めるためのプログラム”である
2、諸外国のハイリスク産業では、すでにCRMを取り入れている
3、チームとして機能すれば、結果として全体がうまくいく

APO隊長は、昨年度からCRMを消防署で実践しています🤓
講義も定期的に行っています。チーム力が間違いなく向上しますよ!

一緒に勉強していきましょうね👩‍🚒✍️

ではまたっ!!🤚



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