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空気呼吸器が怖くなった消防士

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空気呼吸器が怖い。消防士20年目に初めて感じました。その時の思い。
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空気呼吸器が怖い消防士 その4【勉強編】

仲間の消防士を救えずして、消防士は語れない空気呼吸器が怖い。これは消防士にとってとてもつらい事です。 「職場で素直に話せる環境を醸成し、チームで解決すればよい。」確かにその通りなのですが、その環境がない消防士も多いのではないでしょうか。 その場合、空気呼吸器で苦しむ消防士は、様々な不安と戦いながら個人で戦うことになってしまいます。次第に職場での会話も少なくなり、笑顔もなくなり、職場に行くのもつらくなるでしょう。 消防士は火災現場に取り残された”要救助者”を救うのが目的の一

空気呼吸器が怖い消防士 その3

彼「隊長、ちょっとこの後いいですか?」 勤務が終わって私服に着替えようとロッカーに向かっていると、後ろから声をかけられた。 誰にも聞こえないように、でもしっかりとした声で僕に話しかけてきたのは、あの彼である。 👩‍🚒「ん?どうした?」 彼の表情を見ると、とても不安そうな顔をしていた。明らかに悩み事とわかるその顔を見て、休暇の相談か、はたまたやんちゃな後輩の相談か・・・。相談と言ってもその位だろうと当たりをつけた。 やれやれ。誰かに相談したいのはこっちの方だっていうの

空気呼吸器が怖い消防士 その2

空気呼吸器が怖い。 結局、職場に帰って誰かに打ち明けることは出来なかった。後輩にも先輩にも。 「研修はどうだった?」 署長にそう聞かれたときは、 「大変勉強になりました!」「コンテナの中は熱かったです!」って、適当に言っておいた。 本当はまだ訓練は始まっておらず、コンテナの中で火も付いていなかったのだから、熱いなんか感じるはずはない。 僕は逃げた。 苦しかった。 ただ1秒でも早く、このマスクを外したい。空気呼吸器を取り外したい。コンテナから出たい。明るいところに

空気呼吸器が怖くなった消防士

どうも!救急救命士のAPO隊長です👩‍🚒 今日は、空気呼吸器が怖くなってしまったという話です。 先日、消防学校に入校しました。 消防学校というのは県に一つある消防の教育機関です。 消防士として採用された後、半年くらいこの学校で教育を受けます。 そのあとに、それぞれの職場に戻っていくんですね。 その以外にも、消防団の教育が行われていたり、少年消防団といったような子供達の教育にも使われています。 そんな消防学校ですが。僕のようなベテラン消防士でも、入校することがあります。