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介入観測はあと1か月観測のまま/日銀の介入はすべて覆面介入

4月29日のドル円の160円台から154台への急落の動きを受けて、メディアには「介入観測」や「覆面介入」という言葉が飛び交っています。
そもそも介入自体、実施されない時は何年も行われないので、メディアの記者さんの中には明らかに「よくわからないまま」記事を書いている人がいるようです。

そこで今回は「為替介入に関する正しい知識」をお伝えします。

実際に介入が行われたかどうかが正式に明らかになるのは、月末です。
財務省のウェブサイトの「外国為替平衡操作の実施状況」というページで今月の介入実績が更新されます。(過去の実績もこちらから見れます。)
そして、本日(4月30日)は月末なのですが、残念ながら本日発表されたデータは令和6年3月28日~令和6年4月25日までのものです。
4月29日を含むデータは、来月末の5月31日午後7時に発表されます。

実際に介入があったかどうかを知っているのは次の3つの機関の担当者のみです。
①財務省
②日本銀行
⓷介入行に指定されている銀行

介入行に指定されている銀行は守秘義務があるため、介入に関しての情報は間違っても口外しません。(自分の勤務先が介入行であるかどうかも言えません。)
ですから、財務省か日銀が「介入しました」と白状しない限り、4月29日に介入があったかどうかは5月31日までは正式にはわからない。つまり、それまでは「介入観測」はずっと「観測」のままであることになります。
実際、財務省/日銀が月末の「外国為替平衡操作の実施状況」更新前に、「介入しました」とコメントするのは稀です。

また、メディアには「覆面介入」という言葉も飛び交っていますが、日銀の介入は常に「覆面介入」です。日銀から指示を受けた介入行が(今回介入があったとすれば)インターバンク市場でドル円を売る、これがオペレーションのすべてです。日銀から指示を受けていない銀行は、市場の状況と値動きから介入が入ったであろうことは容易に想像はつきます。しかもドル円の下落局面でドル円を買っていた時に、インターバンク市場のカウンターパーティ(取引相手)がつねにA銀行であれば、「A銀行を通じて介入をしていた」ことも想像できます。その想像がどれほど確信に近くても、事実かどうか今の時点では決してわかりません。(どこの銀行を通じて介入が入ったかは決して公にはされません。)

海外の中央銀行は覆面介入ではない介入を行うことがあります。そういう場合、中央銀行がインターバンクの市場に自ら入ってきます。インターバンクのシステムは取引成立と同時にカウンターパーティ(取引相手)が明らかになるので、そこに中央銀行の名前が出ていれば介入であることは容易に想像がつきます。昔は銀行のディーラーの横のつながりが強かったので、どこかの国の中央銀行がインターバンクの市場に現れたら、そのニュースはディーラーのネットワークを通じて一瞬のうちに世界中に広まりました。日銀は昔から覆面介入オンリーです。

また、インターバンクの為替取引は2営業日後に決済されます。4月29日のドル円の取引の決済日は5月1日です。
先ほど、日銀のウェブサイトに「日銀当座預金増減要因と金融調節(毎営業日更新)」というページがあり、先ほど5月1日の予想値が更新されました。
こちらのBloombergの記事にもある通り、実際に介入が行われたことはほぼ間違いないでしょう。

これだけ証拠が揃っていても、正式なアナウンスがない限りは、「介入観測」はやはり「観測」のままでしょうね。

以上、為替介入に関する「正しい情報」でした。
でも、これはFXに勝つために必要な情報ではありません。

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