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製造業の現場について知る ① 〜 メーカーのお仕事とは 〜 |ドメインエキスパート 河江

こんにちは!アペルザ人事部です。
今回は、大手メーカーを経て、業界知見者(ドメインエキスパート)としてアペルザに入社し、業界やお客様の課題解決に取り組む河江さんにインタビューをしました。

今回は「製造業の現場って実際どんな感じなのか?」を連載企画としてお送りします!
第一弾は河江さんが実際に経験した「メーカーのお仕事」をお伝えします!

プロフィール

ーーまずは河江さんのプロフィールをご紹介!

1983年愛知県生まれ。新卒で三菱電機株式会社に入社。北陸支社のFAシステム部にて産業用タッチパネルなどの営業として6年半勤務。その後、東京本社のマーケティング部門で国内やASEANにおける担当製品の事業リードや、名古屋製作所で産業用ロボットの製品企画などに従事。
製造業に15年ほど関わった後、2022年1月にアペルザにドメインエキスパートとして入社。現在は営業・マーケティング支援SaaSのカスタマーサクセスとしてお客様支援をリード。

憧れの方を求めて、FA領域に飛び込む

ーー遡りますが、三菱電機さんに入社された理由を教えてください!

ただ「メーカーに入りたかった」のが理由で、高尚な理念があった訳ではないんですね。
車とか形のある物が好きだったこともありメーカーに入って、大きな世界で商品などを武器に世の中にいい影響を与えていければいいな、という漠然とした就職活動をしてましたね。
なので三菱電機以外のメーカーもたくさん話を聞いたり、大手電機メーカーや自動車メーカーに関しては、他も多く受けました。
三菱電機に入った理由は他社よりも「社員さんが自分のフィーリングの合った」からです。
事業がどうとか、FA(ファクトリーオートメーション)をしたいとかはなかったです。

※ ファクトリーオートメーションとは、工場における生産工程の自動化を図るシステム(ハードウェア・ソフトウェアで構成される)のことを指します。略称はFA。

しかも当時の三菱電機の採用説明会では、人工衛星やエレベータなど皆が日常的に知ってる製品が前面に出ていて、FA事業はほとんど触れられず、入るまでよく知りませんでした。
ただ、その説明会で出会ったあるFA事業の社員の方が自分の思い描く「なりたい社会人像」に一番近かったんですよね。
説明会の場で自分の担当しているFA事業の仕事に関して心から自信と誇りを持って語られていましたし、オフはオフで趣味と家庭に没頭する生活をしているという話も聞けて、とにかくカッコ良いなと思って。
それで、三菱電機のFA事業にはこんな面白い人がいるんだ、こんな働き方がしたいって、強く興味を持つきっかけになりました。
その後ありがたく採用内定を頂いた訳ですが、先ほどのような経緯があったのでエレベーターや人工衛星をやりたい、というよりは、できるだけその人の近くで仕事してみたいという気持ちがあって、その方に近い部署での配属希望を出したんですよね。
その人は当時北陸支社にいたんですけども、自分も希望が叶って北陸支社に配属になり、同じ部署の後輩として入社することになったんです。
なのでその方がいなければ恐らく三菱電機や北陸支社にも入ってないですし、アペルザにも出会ってなかったと思います。

高い技術力を誇る、北陸の製造業の現場

ーー三菱電機さんに入社され、最初は何をやっていたんですか?

北陸支社のFAシステム部で、いわゆるメーカーの支社営業をやってました。
支社営業は何をするかっていうと、メーカーや部門の役割にもよりますが、私の場合は、直接お客様の所に単独でガンガン営業して開拓するというよりは、代理店さんと一緒にお客様の元に同行訪問したり、代理店さんが仕事をしやすいように様々な形で後方支援をしたりというスタイルが主流でした。
同行訪問の際は製品のデモ機と提案書を持って行って製品PRもしていましたし、管理側に回るような仕事も比率としては一定ありました。

地域は北陸3県の、石川県、富山県、福井県を担当していました。
工場の装置を作るSIerさん、工場の装置の設計会社さんなどが主なお客様でした。その地域で有力な大手企業さんに訪問することもありましたが、下町ロケットの工場のような少人数で経営されている会社さんを訪問することも多かったですね。
例えば一見すると普通の民家で、そのうち一つのお部屋が仕事部屋になっており、そこで小さな設計や製造だけを請け負っているようなお客様にもよく訪問していました。

そういうお客様って、実は大きな会社から独立した人だったりするんですね。
例えばプログラミングだけを請け負うエンジニアリング会社として独立したり、ある設備の一部分を担当する会社として独立してる方もいらっしゃるんですよね。
だから元々技術力には定評がある方だったりするので、当時大手企業にいた頃の人脈でお仕事をもらえたり、そのエリアの他の大手企業からも信頼されていて「この仕事はあのフリーランスのエンジニアの方に任せよう」的な、大きい仕事を任されたりしています。
ただ、こういう高い技術力を持つ小さな会社さんって、たまたまそのエリアだけに留まって仕事をしているのですが、私は「もしかしたら北海道にこの技術を欲するお客様がいるのでは?」とか「海外に目を向けたら今持っている技術に10倍の値段がつくこともあるのでは?」と当時感じていました。
だけど、実際は地域の壁や人脈の壁があってそういう県外や国外のお客様に出会う術がなかなか無いんです。
もちろん、今の状態をよしとされている方もいらっしゃったとは思いますが、そういう高い技術を持っている人たちが、その技術を欲する人たちと出会って、力量を正しく評価され対価をちゃんと得る、ことが必要なんじゃないかと当時から頭の片隅でずっと思っていました。

これって、実は商社さんにも同じことが言えます。
「商品をただ売るだけ」でなくて「商品に自分たちの技術を付加価値として付けて、お客様にトータル提案する」みたいな力を身につけている商社さんもいっぱいいらっしゃるんですよね。
加工の技術があったり、半完成品のところまで組み合わせて納める、みたいな商社さんもいらっしゃいます。
あとはソフトウェアやプログラミングのケースもありますね。
例えば、今までロボットを単体で製品として売ってた商社さんたちが、技術を身につけることで、ロボットのプログラミングもできます、技術も持ってますという状態になる訳です。

こんな風に面白い技術を持ったSIerさん、設計会社さん、商社さんって、技術で差別化できてきます。
経験を重ねるごとに技術がさらにシャープになって、得意分野がどんどん出てくる訳です。
付加価値が尖ってくればくるほど特異性が増し、その技術を求める人って当然県外にもたくさん出てくると思うんですね。
このように全国や海外でも評価される領域は必ずありますし、私が最初に配属された北陸の方々の技術レベルが高かったので、エリアの壁を超えて、ちゃんと正しく評価されることがもっと広がっていけば日本の製造業ってもっと面白くなるし成長できるのではないかなと当時から思っていました。

本社勤務で知ることができた、国内の製造業の実情

ーー支社から本社に異動されたあとは何をやっていたんですか?

本社では、ある製品に関する国内・ASEAN地域のマーケティングのリードをしていましたね。
「最近◯◯な経営、事業環境なのでこの業界の開拓に注力しよう」とか、「今度新製品が出るのでこのようなお客様に対してこう売っていきましょう」という販売戦略から、そのための売り上げ計画や戦略戦術の策定などの販売計画までを担っていましたね。

自分の部署では製品ごとに担当が一人つき、国内やASEANの全エリアで担当製品をどう伸ばし、どういう戦略戦術でどんなプロモーションを打てばいいか、など含めてリードしていました。
また、多くのメーカーは販売とは対極に製品を生産をする工場がありますが、工場は工場で、製品の設計や企画をしたり、製造や量産の生産計画を立てる人たちがいます。
販売計画を作っても実際に計画通り作ってもらわないと販売できないので、工場側の生産計画を取り仕切ってる方たちとも頻繁に打ち合わせをしていました。
本社のマーケティング部門時代は全国の支社や拠点をよく飛び回ってましたが、その中でも一番打ち合わせする相手として多かったのは意外にも工場なんですよ。
製造と販売ってとにかく近い距離感で噛み合ってないと、とんでもない量の在庫になったり、とんでもない納期トラブルを起こしたりします。
そのため製造と販売の連携ってとても大事で、製造しているのは「名古屋製作所」っていう工場だったんですけども、本社にいた時は多い時は週3、最低でも週1程度は毎週のように出張していましたね。
今はWeb会議が当たり前になりましたが、私が本社にいた頃の2018年くらいまではWeb会議ツールが社内でまだそれほど普及しておらず、普通に新幹線に乗って行っていました。

振り返ると、この本社の仕事ってお客さんからは少し遠かったんですよね。
企画業務に近かったので、基本的には社内の人とミーティングすることが多かったです。
一方で、それまでは北陸という限られたエリアで仕事をしてたところから本社に出てきて全国を見る立場になったので、全国の支社で何が起こってるかを、広く把握する機会を得られて間接的に国内での製造業の事情を知れることになったんですね。
それにより北陸の時に感じていたような、「日本の製造業は高い技術力があって誇れる業界だな」と再認識した一方で、「まだまだ成長できるチャンスはあるな」と改めて感じることができました。
実はそんなことを考えてる時に、アペルザと出会ったんですよね。

(次回に続く)

ここまで読んで頂いてありがとうございます。河江さんのインタビューはまだ続きます!
第二弾は「河江さんがなぜアペルザに入社したか」をお届けします。

(第二弾はこちら) 

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