第1回APDプレゼン会レポート

2022年3月26日に開催したAPD(聴覚情報処理障害)プレゼン会レポートです。

今回のAPDプレゼン会は、交流会のファシリテーターを手伝ってくださっている、oh!yeah!!さん、あーりんさん、炎いっせーさんをプレゼンターとしてお招きし、プレゼンテーションしていただきました。

イベント開催のきっかけとしては、「どのような仕事をするのがよいのか」 「どのような工夫をしているか」「APDの診断をもらっても治療法がないから意味がない」「APDの診断を受けるメリットはなにか」といった当事者の声がよく聞かれるので、そういった方へのアンサーになればと思い、APDプレゼン会を企画しました。

APD症状を抱えながらもこれから生きていくにあたって、プレゼンテーションを聞いてなにかヒントを得ることができたり、希望が見えてきたり、モデルになる人を見つけられるイベントになればいいなと思いやっています。

もともとは30名の定員でしたが、たくさんのお申し込みいただき定員90名とに変更し、109名の方の申し込みがありました。キャンセル等あり当日の参加者は最大65名ほどでした。


【oh!yeah!!さんのプレゼン】

以前から言葉の聞こえづらさを感じていたoh!yeah!!さん。勤務場所が変わったことで、本当の自分、不便さを知って体調を崩して休職。諦めて退職しようとしていたところでしたが、体調が回復し元気になって仕事を続けているまでの過程を小学校の教員の立場から話してくださいました。

こどもから「先生は無視をする」といわれたつらい体験や体調を崩しての体重減少のエピソードが驚愕でした。実際に職場に配慮をお願いした内容についてはとても参考になりました。参加者の方々にも今後活かせることだったと思います。

【あーりんさんのプレゼン】

エンジニアであるあーりんさんから、APD診断の経緯や診断を受けるメリット、学生時代・家庭・職場での困りごとと対策、APDに適していそうな仕事、APDの当事者会の活動に参加した感想など、盛りだくさんでお話しいただきました。

個人的には、学生時代に教科書の○○ページとの先生の声が聞き取れず隣の人のページを覗いていたことや優秀な人がメモを取らずに覚えていて不思議に感じていたことについてとても共感しました。また、マミーブレインという言葉を知らなかったので学びになりました。他にも産後から聞き取り困難が生じたことがある人がいるのか気になります。

【炎いっせーさんのプレゼン】

2013年にAPDに気づきネットでの診断にて自己診断、その後医療機関を巡るも、診断されなかった炎いっせーさん。「知ることの大切さ」と「自己支援」にポイントを置いてお話しいただきました。当時のAPDの情報の少なさからは炎いっせーさんが独自に編み出した解決策を教えていただきました。

飲食店で働いていたときの「ウニ」と「ぶり」のエピソード、「敵を知り己を知る」との言葉が印象に残りました。APDのこと、自分のことを知ることは大事だと感じます。炎いっせーさん推奨のコールセンター力、国語力、推理力は自分ができることから試してみようと思いました。


【oh!yeah!!さんのプレゼン感想】※一部抜粋

・特に職場での経験を興味深く感じました。具体的には自身の聴取体験の気づき、APDの気づき、教育現場での社会包摂など大変含蓄のある発表という印象を持ちました。
・oh!yeah!!さんの悩みが、私に一番近く、大変参考になりました。悩み→気づき→対策と心得 全て、聞きたい内容が語られていて、今後の道標となりました。
・学校の先生をされているとの事で、職員室の席を端っこの電話の近くから真ん中にしてもらったのは、良いと思いました。
・専門家の小渕先生や大阪の坂本Drに相談されたり、Drが書いた読みやすい本を周りに渡された事も参考になりました。中でも、分かってくれそうな人から話す、と言う事は、とても大事だと思いました。

【あーりんさんのプレゼン感想】※一部抜粋

・出産後にAPDの事で悩まれるようになったという事が、産後の体調不良の話を良く聞くので、参考になりました。なにより、当事者会等への参加で、共感してくれる人がいて癒された、と仰っていた事が印象に残りました。本当にそうだと思います。
・話す内容をすべて文字に起こしていたのが、頭に入りやすく助かりました。状況別にトラブルを乗り越える方法も聞けて勉強になりました。
・とても丁寧に 言葉を選ばれているなあと 思いました。 お話が具体的で、また、質問で 丁寧に相手に寄り添われている姿勢に 温かみを感じました。
・ご自身のライフイベントも原因となりうるなど、自己理解が必要なことを知ることができました。

【炎いっせーさんのプレゼン感想】※一部抜粋

・ウニとぶり…不謹慎ですがおもしろおかしくはなしていただいて自分も苦手な子音があるな、と振り返ることができました。対処法などしっかり考えておられたので自分も鼓舞されました。
・電話のメモを手書きからワード登録したパソコンに切り替える事で苦手を克服しているというお話は、大変ためになりました。聞き間違えのお話は「APDあるある」で、私もよくやるので、親近感を覚えながらも、苦手を工夫で乗り越えようとする前向きな姿を聞いて、励まされました。
・仕事で困った事の話で、同じように困った経験を持つ人がいるのだ、と言う事が良く分かって、ちょっと安心出来ました。自分や他人を支援する所を立ち上げた行動力もですが、コールセンター力や、国語力、推理力等の解決策も参考になりました。発音や表情も分かりやすく、こういった事もコミュニケーションに取り入れる事が出来たら良いなと思いました。
・飲食店での話がAPDでない人にも伝わりやすいと感じたため、症状説明の参考にさせていただきます。コールセンター力・国語力・推理力を高めるという話にもとても共感しました。


今回のイベント参加方法につきまして、運営側でミスがあることが判明し、参加方法についての連絡が直前になってしまいご迷惑をおかけしてしまいました。深くお詫び申し上げます。

参加を希望されていたにも関わらず、こちらのトラブルで参加できなかった方がいるとの声も届いています。大変申し訳ございませんでした。今後はこのようなことがないように気を付けてまいります。

こちらのミスで、ご迷惑おかけしたにもかかわらず、あたたかく見守っていただいた方々、チャットで励ましのお言葉をくださった方々、大変感謝しております。

また、トラブルにより開始時間が遅れたうえに、進行が不慣れなこともあって終了時間が大幅に伸びてしまいました。最後までプレゼンを聞けなかった方もいまして申し訳ございません。時間を過ぎてしまったにもかかわらず、最後まで残ってくださった方々ありがとうございます。

今回のイベントは参加者のみなさま、プレゼンターの御三方のご協力のおかげで、イベントが成立したと思います。質問をしてくださった方やチャットでコメントしてくれた方もありがとうございました。


おかげさまで次回のプレゼンターの申し込みも届いています。また次回も開催しますのでどうぞご参加検討くださいませ。

プレゼンターは以下のフォームより募集していますので、お気軽に申し込みください。次回のプレゼン会は5月以降に開催予定です。

ご自身の体験や人生、活動、考え方などを発表してみたい方、APDをいろんな人に知ってもらいたいので発信したい方、人前で話す練習をしてみたい方、当事者ではないけれどAPDについて伝えたいことがある方、他の聴覚障害で聞こえについて伝えたいことがある方、発達障害や精神障害について話したい方などなどのご応募をお待ちしております。


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