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第2章 その②
救世主①現る
―転院―
〈外部の者は入れない〉
閉鎖病棟に私が入院するのを拒んだとき、この先生は母を特別に一緒に入れてくれて、中を案内してくれたんだ。
それでやっと安心した私は入院することにしました。
先生は、大量の処方薬を一旦ゼロにして、抗精神病薬はアリピプラゾール、それと少量の睡眠薬のみにしてくれたんだ。
すると一日二日で、みるみる元気になり一週間ちょっとで退院できました。
毎日診察に来てくれたんだよ。
この先生は3色ボールペンを使って、カルテに細かく書き込んでたなぁ。
OT(作業療法)の時、中庭の一角でホルンを吹いていいと、言ってくれたんだ。
中庭はテニスコートになっていて、患者は職員の付き添いならOTの時だけ出入りできました。
他の患者さんがホルンに興味を持ってくれて、「持ってもいい?」と、持たせてあげたり、のんびり基礎練習をしていたら、近所の人がいい音するね、と、鼻歌で歌っていたりしたんだよ。
ところで、周りの入院患者さんたちは私より大変そうな方たちばかりで、私は「頑張って退院するぞー!」と、さらに元気になっていったんだ。
退院後もお世話になり、勉強しろ! 名前書くだけでいいからテスト行ってこい! と、厳しくしてもらったおかげで、病気に負けない!!と心が折れることなく勉強も頑張れたんだ。
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