見出し画像

アパートやマンションなどの建物の賃貸借契約には、どのような種類がありますか?(マンション経営Q&A)


(Q)アパートやマンションなどの建物の賃貸借契約には、どのような種類がありますか?

(A)物を貸して賃料をもらうことを約束する契約を賃貸借契約といい、賃貸借契約については民法に規定がありますが、建物の賃貸借については借家人保護の見地から借地借家法という特別の法律があります。
建物の賃貸借については借地借家法が優先的に適用され、借地借家法に特に規定のない部分について、民法が適用されます。

この借地借家法では、建物の賃貸借について「普通建物賃貸借契約」と「定期建物賃貸借契約」の2種類の契約を定めています。
この2つのうち、「普通建物賃貸借契約」が圧倒的に多く、「定期建物賃貸借契約」は少ないのが現状です。

・普通建物賃貸借契約
正当な理由がない限り契約期間が満了する度に更新され、貸主からの一方的な解約や契約更新を拒否できない契約です。契約期間は貸主が自由に決められますが、1年以上に設定する必要があります。
一方、借主は中途解約が可能ですが、解約を希望する1ヶ月以上前には貸主に告知をする必要があります。
契約時の特約で違約金に触れられていない限りは中途解約でも違約金は発生しません。
定期建物賃貸借契約とは異なり、書面だけではなく口頭での契約でも問題ないとされていますが、トラブル防止の観点からも契約書の取り交わしが推奨されています。

・定期建物賃貸借契約
「定借(ていしゃく)」とも呼ばれる契約定期建物賃貸借契約は、期間が満了すると物件を貸主に明け渡す必要がある契約です。
建て替え予定のビルや再開発予定地に建っている物件、貸主がいずれ活用する計画がある物件など定期建物賃貸借契約として提供される物件には様々な理由があるので、契約更新はありません。
ただ、貸主と借主の意向が合致して契約条件に合意した場合には再度、賃貸借契約を再契約することができます。
この時は新規契約時と同じだけの費用がかかる可能性がありますが、敷金や礼金を請求しない場合も多いです。
さらに、定期建物賃貸借契約は公正証書などの書面で契約する必要があり、貸主側は契約期間を明確に定めなければなりません。
貸主は契約満了となる日の1年前から半年までの間に、その旨を借主に伝える義務があります。

これら2つ以外にも取壊し予定の建物の賃貸借契約(借地借家法)と終身建物賃貸借契約(高齢者の居住の安定の確保に関する法律)がありますが、少し特殊な契約ですので、ここでは説明を割愛します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?