昔サンタやってました。
実は昔サンタやってました。
もちろんホンモノではありません。
派遣の"ママサンタ"です。
11月頃からクリスマスまでの雇用期間でした。
派遣ママサンタは11月に入ったら、担当の子どもたちにリサーチを始めるのです。
「今年のクリスマスプレゼントは何を頼む?」
子どもたちはクリスマスにはまだ早いのでこう言います。
「まだ決めていない」
「早いんじゃない?」
それでは派遣ママサンタの仕事にならないので子どもたちを説得します。
「サンタさんはね、世界中の子どもたちにプレゼントを渡さないといけないから、今からサンタ工場でプレゼントを作らないといけないの。
12月にはラッピングまで終わっていないと子どもたちにプレゼントを配れないから、頼んでおいたほうがいいんじゃないかな」
そうすると子どもたちは
「うん、わかった」
とプレゼントを選びはじめてくれます。
その時すかさず、派遣ママサンタは子どもたちに注意事項を伝えます。
「サンタさんは忙しいから、途中の変更はできません」
子どもたちは「そうか」と言いながら
プレゼント選びをしていきます。
プレゼントが決まったら、派遣ママサンタは発注開始します。
今は、ネットで注文ができて、とても便利。現物を見たい場合はオモチャ売り場へgo!
派遣ママサンタの元にプレゼントが着いたら、大事に保管しておきます。子どもたちに見つからないようにそうっと。
そして、いよいよクリスマスイブ。
派遣ママサンタは、任務遂行のため準備をします。
保管場所からすぐに配れる場所にプレゼントを移動。ここにも細心の注意が必要です。夜中はビニール袋から出す時の音が響きます。音を出さないように工夫をします。
クリスマスイブのディナーを食べて、子どもたちの寝る時間になったら、活動開始です。派遣ママサンタは言います。
「サンタさんは、寝静まった頃にしか来ないから、早く寝よう!」
でも子どもたちは、ワクワクしてなかなか眠ってくれません。
「どこから入ってくるのかな? うちにはえんとつないよ」
そんなことを言いながら。
派遣ママサンタはまたしても、注意します。
「サンタさんは、姿が見えないのよ。もし見てしまったら、もう次の年は来ないのよ。もしそうなったら悲しいでしょ」
ようやく、子どもたちは寝てくれました。
派遣ママサンタ、出動します。
でも気をつけて。子どもたちは、時々目を覚まして、プレゼントがきているかどうか確かめています。
夜中に何度も何度も子どもたちが眠っているかを確認し、ようやく派遣ママサンタは枕元にプレゼントを置きました。
朝がきました。
子どもたちのクリスマスの日の寝起きはとてもいいです。
枕元に置いてあったプレゼントを見せてくれます。
「ちゃんと頼んだものだった。よかった!」
この瞬間、派遣ママサンタの任務は完了し、いつものママにもどるのです。
むかしむかしのお話でした。
クリスマスまであと一週間。
ちょっと早いけどメリークリスマス🎄
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