見出し画像

神津島には”あそび”がある|HAPPY TURN/神津島

はじめまして。入江彩美と申します。
2022年6月からアーツカウンシル東京でプログラムオフィサーとして勤務しています。

「居場所のつくられかた」に興味があり、いろいろ吸収をしつつ、東京アートポイント計画に関わりながら、さまざまなあり方をおもいみています。
「居場所」について考えるきっかけとなったのは、水戸芸術館現代美術ギャラリーで「高校生ウィーク」という、教育普及の一環としてひらかれるカフェに関わっていたことが大きくあります。展示室内の一角に突如現れる期間限定の無料カフェスペースで、ちょっと休憩したり、工作をしたり、ぼーっとしたりできる、いろんな人がさまざまな状態でいられる場所でした。

このnoteでは、プログラムオフィサーとして現場に関わるなかで「実際に起こっている/たこと」を自分視点で書いていけたらと思います。

「入江さん、島行きましょう」


東京アートポイント計画の事業の中で「HAPPY TURN/神津島」プロジェクトに関わることとなり、7月、大型フェリーに乗って神津島に入島。
冒頭のセリフは、同じく島担当のプログラムオフィサー、櫻井さんから出たひとことです。

神津島は、島の南西部に一つの集落があり、人口約1800の人びとが住んでいます。
ほとんどの道はさほど広くなく軽自動車1台分が通れるくらいの幅で、滞在先の宿では隣の一軒家からテレビの音も聞こえてくるような距離感。

HAPPY TURN/神津島については、以下のnoteもご覧ください

「Aさん」たちは動き出している|"アートじゃない"アートプロジェクトがまなざすもの|雨貝未来(東京アートポイント計画)|note

予習復習、創造拠点としての「はらっぱ」|大内伸輔(東京アートポイント計画)|note

HAPPY TURN/神津島 拠点「くると」

HAPPY TURN/神津島の拠点「くると」では、事務局の中村圭さん、飯島知代さん、今年から拠点スタッフとなった、はるの(角村悠野)さん、まなみ(野口愛美)さん、まい(八島麻衣)さんと「くると」で起こっていること・感じたこと、神津島でのくらしについて伺うことができました。

はるのさん、まなみさん、まいさんは3人とも「Iターン」で神津島に移り住んできた方々です。
これまでの「くると」の話や、神津島に移住してから感じたこと、これからどんなことをしていきたいかなど、これまでとこれからの話を聞いていきました。

左から 中村さん、飯島さん、まいさん、はるのさん、まなみさん

話を聞いている最中、帰宅途中の小学生が覗きながら、今日の学校でのできごとを話していくこともありました。
「またあとで来るね」と言い残したのもつかの間、気づくころにはあっという間に子どもたちで大賑わいに。

工作をする子もいれば、庭遊びする子もおり、おもいおもいの遊びをそれぞれ楽しんでいます。庭でバレーボールをやっていると思ったら、水遊びに代わり、庭を掘り起こし、池を作りだし、めまぐるしく変化する遊び。
一方で、工作に集中する子や、工作と庭を行ったり来たりする子、黒板だけ書いて颯爽と去っていく子など、さまざまな在り方が共存する場所となっていくことを目の当たりにします。

「くると」の庭のようす

そのなかで、一人ひとりのやりたい!のために一生懸命方法をともに考えるスタッフのすがたがありました。
やりたいことをできる限りサポートし、ともにたのしみ、フォローしあう。
そしてさらに、自らのやりたい!のためにどういう方法があるか、試行錯誤していく子どもたち。

くるとに訪れる人びとの話を丁寧に拾いあげる、拠点スタッフの皆さんあってこその「くると」であることを再認識すると同時に、スタッフの皆さんとのお話のなかでたびたび出てきた、「選択肢を増やしたい」というおもいあってのこの環境なのだと実感しました。

「くると」に来ると


さらに、くるとには、拠点スタッフを訪ねにいろんな島の人びとがやってきます。スタッフに用事があったり、ただおしゃべりに来たり、目的も過ごし方もさまざま。
「くると」があるからつながり、広がり、また新たに生み出される関係性。
一人ひとりの顔が見える距離感であるからこそふらっと立ち寄れるのかもしれません。

目的をもって来ても、そうでなくても、出会ったことで新たに創りだされること/ものたち。
そんなひらいた場所であるからこそ、遊びはなにかと出会い、また出会いによってかたちを変え、変化しつづける。次々と遊びが生みだされていく。
遊びは、受け入れることのできる間、すなわち”あそび”があるからこそ創造されていくものなのだと、はっとした瞬間でした。

そんな”あそび”を思い出させてくれ、安心してあそぶことのできる居場所である「くると」。私の目にはそんな風にうつりました。

「オル太」の視点から


そんな創造性に満ちた「くると」を中心に、アーティストプログラムが9/15-18(木~日)の4日間にわたって開催されます。

その名も アーティストプログラム in 神津島/オル太 オープンスタジオ『漂白と遍歴』

※画像をクリックするとイベント情報の詳細のウェブページを見ることができます


青木彬さんをキュレーターとして迎え、6人組のアーティスト集団である「オル太」が、滞在と島の人びとへのインタビューをとおして制作した作品を紹介します。
≫オル太来島の様子はこちら

今回はプレ企画として制作中の作品が展示されますが、オープンスタジオ形式を経て完成したものは、来年2月に発表予定です。

オル太の皆さんは、神津島をどのようにみて、感じたのでしょうか?そして、どのようなかたちをつくりだすのでしょうか?
オル太をとおして島の今までがかたちとなったとき、それはどのようなものなのでしょうか?
それを見たとき、私たちはどのように感じるでしょうか?

実際に作品を見に、そして会場にいるオル太の皆さんやスタッフと交流をしに、ぜひくるとに訪れてみてください。
あなたの知らない角度からみた神津島は、また新たな選択肢を与えてくれるかもしれません。