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仕事に追い詰められた20歳

関内の駅はすっかり変わっていた。重い足どりで降りた階段はエスカレーターになっていた。何度も足を踏み外そうと思った。改札も新しくなっていた。
駅を出てすぐのビル地下にあるスーパー、"あおば"に入る。濡れたレタスの匂い、鳥の血の匂い、階段のすぐ横にある女子トイレで恐怖のあまり嘔吐する私。
昌吾さんは怒ると本当に恐ろしかった。
昌吾さんはいつも私に期待してくれていた。可愛がり、怒った。そうして私は役に立ちたいと常に思った。
買ってこいと言われた魚の目をいつまでも見つめた。おまえは死んで、昌吾さんの役に立ててうらやましいな。生きて、昌吾さんの役に立とうとするのは心底しんどい。本当は生きていたい。でもおまえのように死ねるならそれでもいい。本気で思っていた。
いつまでか。逃げるには。どうやって。認められたい。明日は。
LINEの通知音で胃に穴があく。
早く戻れ と昌吾さんからのメッセージが歪む。

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