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鉄工用のエンドミルを穴あけに使う

曲面や斜面に正確な穴あけをしたいのなら、お勧めの方法。

こんな記事を読んで面白いと思う人は、マニアな人だけだとは思いますが…

穴あけにドリルという刃物を使う事をご存知の方は多いと思います。

ドリルと一見して見分けがつかないような形をした刃物に
エンドミルというのがあります。
エンドミルという呼び方は金属を加工する刃物に使われる呼称で、
ほぼ、同一の形状をした木工用の刃物はビットと呼ばれています。

呼び方一つでもメンドクさいですよね。

ドリルとエンドミル(ビット)の違いは何かって言うと、
ドリルは先端にしか切れ刃が付いていないので穴あけ専用。
(それも材料面に対して垂直。一部例外有り)

対してエンドミルは先端だけでなく側面にも刃が付いていて、
側面でも切削が可能というところが違います。

ドリルで木材に穴あけする際に悩ましいのは、木目に引きずられて
穴が狙った位置からズレる事。

木は自然素材ですから、硬いところと柔らかい所が不均一に
分散しているんです。
分かりやすいのは年輪。通常、冬目と呼ばれる色の濃い部分は固くて
反対に夏目は柔らかい。

ドリルで穴あけすると硬い冬目から柔らかい夏目の方向に刃物が
逃げやすいんです。(結果的に穴がずれた位置に開いてしまう)

太いドリルなら、逃げようとする力(ドリルを曲げようとする)に
抵抗できるので、大きくはズレないんですが直径の細いものだと
かなり問題になります。

直径1mmなんていうものだと、穴あけの深さによっては表と裏が
2mm位は簡単にずれてしまいます。

また、斜めに穴開けしたい場合は、通常のドリルだと間違いなく
狙った位置に入ってくれません。
相当太い直径のドリルでも、先端にしか切れ刃の付いていないので、
斜面に流されてしまいます。

こういう場合は側面にも切れ刃の付いているエンドミルが重宝します。
エンドミルでも、木材の不均一性の影響は受けますが、
側面にも切れ刃が有るお陰で、送り速度を遅くすれば、
位置ずれが起きても自己修正してくれます。

こんな感じの刃物。直径1.5mmのスクエアエンドミル(超硬) ネック長は12mmくらい。
めっちゃ重宝してる。

本来は鉄やアルミ・真鍮などの非鉄金属を削るためのもので刃先の角度や
形状が木工用とは異なっている(木材用より鈍角)なので、
切れ味は良くなさそうにも感じますが、実用上は十分な程度に
仕上がります。

「木工用のビットを使えばいいじゃん」とも言われそうですが、
バリエーションが少ないんです。

木工用(トリマやルータ用の)ビットって、最小径が3mmまでしか
見当たりません。(dremelやproxxonのビットならもっと小さいのが
あるのかな…)

金属用だと、色々な径のエンドミルが販売されていて、選択に困ることは
あまりありません。
アスペクト比(直径と刃物の長さの比)は小さめですが、ロングネック
タイプのエンドミルも無いことはない。

当方、最小で0.7mmの穴開けをする事があるので、通常のドリルだと
結構厳しいものがあります。

なので、エンドミルを常用しています。

木材に正確な穴あけをしたいならお勧めです。
高いですけど。😿

仕方ない。これしかないんだから。

※※※ ご注意 ※※※
手持ちの電動工具での使用はお勧めしません。ボール盤など、
横方向に働く力を拘束できて、十分な剛性がある機械でお使いください。
また、材料はバイスなどでしっかり固定しないと、簡単に持って
いかれます。
ごく小さな刃物であれば大丈夫ですが、フリーハンドは危険です。

また、当然のことながら、ご使用の判断は自己責任でお願いします。

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