#ネタバレ 映画「ダークグラス」
映画「ダークグラス」
2022年 85分 PG12 イタリア・フランス合作
2023.4.10
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)
盲目のヒロインが敵に狙われるというお話は珍しくないので、(失礼ながら)余り新鮮味が…といった気持ちでした。
でも、上映開始時刻の都合が良いのと、85分という短さが嬉しいので、散歩がてら観てきました。
そうしたらエグイ作品でした。
B級映画の味わいというか、スプラッター映画というか、映画「ランボー ラスト・ブラッド」よりもっと刺激的です。
そのせいもあってか、私としては珍しく睡魔が襲わないで最後まで観られました。
ドキドキ、ハラハラしますよ。
日頃の憂さを忘れたい人は、映画館へどうぞ。
追記 2023.4.10 ( 闇の怖さ )
映画の冒頭に日食が出て来て、「理由のわからぬ動物たちは、不吉なものを感じて騒ぎ出す(犬らな吠える)」みたいな話が語られます。
日食を無防備に見たヒロインは、その後の交通事故もあって視力を失います。映画の記号としては、盲目→「わからない・怖い」につながっていくのだと思います。
この記号に反応するという事が主題なのかもしれません。
警察犬から盲導犬になり、ヒロインの目になったシェパードらしき犬は、最後に犯人のナイフに反応してしまいます。
追記Ⅱ 2023.4.10 ( 映画「燃えよドラゴン」)
「記号に反応するからは、『逆鱗に触れる』という言葉を連想」し、そこから映画「燃えよドラゴン」も思い出しました。
現時点ではオマージュかはわかりませんが、直感では、映画「燃えよドラゴン」を分解し、要素を再構成したら、映画「ダークグラス」的なものに、ならないこともないかも、と思っています。
追記Ⅲ 2023.4.11 ( 映画「燃えよドラゴン」② )
「考えるな感じるんだ。月を指さすのと似たようなものだ。」
「敵は見せかけの象の姿で現れる、野心は背後に隠してな。像を打て。」
映画「燃えよドラゴン」の冒頭にある師の言葉です。
ところで、「ドラゴンボール」という言葉がありますが、伝説のドラゴンは玉を持っているようですね。
さらに、(逆鱗に触れられ怒り狂うドラゴンを描いた)映画「燃えよドラゴン」の冒頭に、「考えるな感じるんだ」という名セリフがありましたが、それに続いて、「月を指さすのと似たようなものだ」というセリフもありました。
その月が、映画「ダークグラス」の冒頭に、日食として派手に出て来るのです。
映画「燃えよドラゴン」の主人公・リーは、映画「ダークグラス」ではヒロイン・ディアナと中国人少年・チン、そして警察犬上がりの盲導犬の、3つの総体として登場するようです。リーは妹を亡くしていますが、チンも両親を亡くしています。そして、これは敵討ちの物語でもあるのです。
カンフーの修行は、警察犬・盲導犬の修行、盲人としての歩行訓練(杖はヌンチャクや棒術でしょうか)。
そして、印象的なのは攻撃が首に対して行われる事です。映画「燃えよドラゴン」でもリーとオハラの戦いが印象的でした。
映画「ダークグラス」のクライマックス。
ブリーダーをしている敵に捕まり洗脳された盲導犬が、ヒロイン・ディアナの命令を聞かず、敵に命令に従いますが、不用意に敵が見せたナイフで真の敵を認識するところは、「敵は見せかけの象の姿で現れる、野心は背後に隠してな」というセリフを思い出させます。
そして、リーが得意の首への攻撃になるのです。
さがせば、他にも色々あるでしょうが、とりあえず思いだしましたので。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)