#ネタバレ 映画「九十歳。何がめでたい」
「次のステージに進みましょう」
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
そう言えば、本屋さんで同名の本を見かけたことがあります。あれの映画化でしょうか。
私も、いくつかのドラマを拝見する内に、いつのまにか草笛光子さんのファンになっていましたし、上映時間も99分と短いのにも好感を持ち、さっそく観に行きました。
少し前に、TV「不適切にもほどがある」がありました。
昭和の頑固おやじと令和の衝突を描いていましたが、あれを連想するようなお話です。しかし、あちらはタイムスリップが出てきたりして弾けていますが、こちらは、もっと常識的な作りになっており、昔ながらの映画ファンも、安心して楽しめると思います。
しかし、確かに面白かったのですが、体感上、99分ではなく120分に感じたのはなぜでしょう。
追記 2024.6.23 ( 「次のステージに進みましょう」 )
昭和と令和の価値観の対立を描いたTV「不適切にもほどがある」では、「二つの世代が共存していくには、頭ごなしに否定しあうだけではいけない。『話し合いましょう』」と語られているようでした。
では、映画「九十歳。何がめでたい」で描いていたのは何でしょうか。私は「次のステージに進みましょう」だと思いました。これは「リスキリングの時代背景」とも馴染みます。
ドラマの主人公・佐藤愛子先生(草笛光子さん)は、人生相談で、夫が嫌いになった妻に「『あなたを嫌いになった』とハッキリ言ってやりなさい」とアドバイスし、それを聞いた妻は離婚を決意します。
しかし、その夫は、佐藤愛子先生の担当編集者だったのです。断筆していた先生を全身全霊で口説き、再起させて、本を大ヒットさせ、旭日小綬章を受賞するまでにした、編集者・吉川(唐沢寿明さん)だったのです。
夫は離婚したくないので妻に復縁を求めますが、妻は「あなた嫌いになった」と言い放ち、夫婦関係は終わります。
私は、それを知った佐藤愛子先生が、「恩を仇で返すようなことをしたかも・・・」と反省し、二人の仲を修復するのだと予想しましたが、違いました。クールに、これはこれ、あれはあれ、なのです。
このストーリーが必要ならば、その上に建つ主題は、「次のステージに進みましょう」になるのかもしれません。
そう思うと、映画の冒頭、管理職の吉川が、部下からハラスメントの抗議を受けた後の顛末も理解できそうです。彼は降格⁉され、現在のポジションに異動しました。そして、ふがいない同僚の仕事ぶりに憤りを感じて、自ら進んで佐藤愛子先生の担当になり、先生から断られても、断られても、その度に(違う)銘菓を持参して、御百度を踏んだのも、「次のステージに進む」事だったのでしょう。
映画館で頂いたポケットティッシュです。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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