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#ネタバレ 映画「もらとりあむタマ子」

「もらとりあむタマ子」
2013年作品
子ども還りした女
2016/5/8 7:53 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

主人公・タマ子(前田敦子さん)は東京の大学を卒業し、父親が一人で営む甲府のスポーツ店に戻ってきます。そこで就職もせず、仕事も手伝わず、映画「百円の恋」のヒロインみたいな自堕落な生活をするようになります。

「タマ子」という名前が指し示すとおり、この映画は「卵からかえったら巣立ちしなさい」と言っているのだと思います。それが淡々と語られます。ストーリーはあまりドラマチックではありません。

でも前田敦子さんの演技がすごいのです。

ご承知のとおり彼女はAKB48のセンターを務めたこともあるトップアイドルです。「前田敦子はキリストを超えた」などという本もあるくらいの女神なのです。その彼女がトップアイドルのオーラを封印し、全力で「子ども還りした女」を演じています。

こんなことを言うとお叱りを受けるかもしれません。どうか「演技に対する、ほめ言葉として受け取ってほしい」のですが…ときに彼女が「ゾンビ」に見える瞬間があったのです。あの体当たりの演技のすごさ、覚悟に、敬意を表します。

そして、そこから見えてきたのは前田敦子さんの演技力だけでなく「新世代ゾンビ映画へのヒント」でもありました。スプラッターではないゾンビ映画も有りなのかもしれません。テーマ曲は「カリフォルニア・シャワー」(渡辺貞夫さん)などがよいかも。

映画史に残る名作映画「E.T.」だって微修正で怪獣映画になり得たかもしれないのですから。

★★★★

追記 ( 「感性の言葉」も大事にしたい ) 
2016/10/7 17:09 by さくらんぼ

「いつやるか? 今でしょ!」という流行語がありました。背中を押されるような、あれは①「理性の言葉」ですね。

この映画「 もらとりあむタマ子」には、父が就職活動を急かすと、タマ子は絶妙な間のあと、「少なくとも今ではない!」と、ひと言では表現できないようなダークな表情をして、切り返すシーンがあります。彼女はああいう表情がうまい。こっちは②「感性の言葉」ですね。

私はずっと①を目指して生きてきました。①が実行できたとは言いませんが、模範としてはいました。

しかし最近、この映画を観たせい、だけではありませんが、「心が、少なくとも今ではない!」と叫んだ日は、むりに理性を発動せず、しばらく様子見することにしました。

なぜなら、今日が「私の吉日ではない」可能性がありますし、「休むも相場なり」とも言います。少なくとも「嵐の日は、不要・不急な外出はせぬ」方が身のためですからね。

追記Ⅱ ( お見合いの席 ) 
2016/10/7 17:27 by さくらんぼ

若いころからの、何十年の経験から言うと、「オーディオ製品の購入というお見合いの席」では、①「理性だけ」で製品を選ぶと、後に「愛することができず」後悔することが多いです。

かといって②「感性」だけで選ぼうとすると、「理性」がストップをかけてくるので、なかなか結婚できません。

③でも「理性」と「感性」を満足させてくれる製品に巡り合えることは希です。

この問題を解決するのが私のライフワークの一つでした。でも最近は少し枯れてきたせいか、天を信じて「感性」に身をゆだねてみようかと、そんな気になってきたのです。

そして、それは人生全般にも通じる真理なのではないのかと。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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