#ネタバレ 映画「ちはやふる -上の句-」
「ちはやふる -上の句-」
2016年作品
気持ちがゆれたら勝てない
2016/3/24 7:18 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
「起承転結」の転のあたりで不覚にも寝てしまいました。このままレビューを書くのは無謀かつ失礼なのですがお許しを。
映画の終わりに後編の予告編が流れますが、そのなかに主題のヒントがありました。ヒロインの千早(広瀬すずさん)が最強の敵を前にして「私…勝てる気がしない…」とか言うのです。
“気負け”してはいけませんね。それから上白石萌音さんふんする歴女が、「恋歌を詠んだ“かるた”をスポーツに使うなんて…」と憤慨し、かるた部への入部を断りますが、あれもそうです。
この映画には“気持ちが分裂してしまい集中できない”エピソードがいろいろありそうです。恋の三角関係からしてそうですし。
どんな競技でもそうですが、フィジカルが同等ならば、メンタル勝負になるのではないでしょうか。それがどれほどデリケートなものか。
たとえば弓などでは、一人で練習中、射場に他人が一人加わるだけでも、あるいは逆に、二人で練習中に一人が帰るだけでも、自分の矢の当たりが変化するものなのです。自覚できないほどの“心のさざ波”も即点数の変化になります。
この映画「ちはやふる -上の句-」もそんな映画でした。
★★★★
追記 ( CG創作物 )
2016/3/24 14:49 by さくらんぼ
映画「海街diary」の広瀬すずさんは、イメージとして等身大の人間に見えましたが、この映画「ちはやふる -上の句-」では、(失礼ながら)まるで身長が10センチ高いCG創作物にも見えました。
ときに“正統派の美少女”が過ぎ、漫画チックなほど元気の良い性格設定が裏目に出て、私の心は「対ショック・対閃光防御」のリミッターがONになってしまうのでした。
このあたり、良くも悪くも映画「セーラー服と機関銃 -卒業-」を等身大!?で演技し、生身を感じさせた橋本環奈さんとは違いましたね。
しかし「気持ちがゆれない性格設定」ならば、しかたのない事だったのかもしれません。
追記Ⅱ ( エンディング曲 )
2016/3/24 15:07 by さくらんぼ
エンドロールに流れるテーマ曲が、かなりリミッターをかけて平均音量を上げてありました。
音楽には「ピアニシモ」から「フォルティシモ」まで音の強弱がありますが、電気的に音量の小さい部分を底上げし、すべてが大音量になるよう、細工できるのです。もちろん宣伝効果UPのためでしょう。TV.CMなどでもありますが、あれほど極端なのはあまり知りません。
そのため音が歪んでいる様に聴こえました。私には、小さな粒粒、白い泡状の歪が点在している様子が視覚的に見えるのです。なめらかなチョコバーの中に粒粒の菓子が入っている製品のように。
劇中、繊細な音を聴き分けるヒロインの得意技が出てくるぐらいですから、テーマ曲にも気を使ってほしかった(もしかしたら製作者ではなく、劇場側の問題だったのかもしれません)。
追記Ⅲ ( 気持ちがゆれたら勝てない )
2016/3/24 15:25 by さくらんぼ
「気持ちがゆれたら勝てない」。
これは恋愛においても言えること。
校舎の屋上、彼が座っている横で、ミニスカートの股を広げ、大声で校庭の人を呼んでいるヒロイン。彼はヒロインに惚れています。でも…覗きません。立ち上がってしまいます。
あるいは、“かるた”に消耗し、試合が終わったら気を失うヒロイン。そんなヒロインが自分の膝枕で眠っているのですが、やっぱり、そのまま…。
恋する男は紳士でなければ、恋愛に勝ち目はありません。
そして、“かるた”も同じ。
“かるた”の恋歌に感動していてはスピードが鈍ります。だからヒロインは“音のみに生きていた”。
“かるたバカ”なのに(失礼)、歌の意味も良く知らなかった。
追記Ⅳ ( 映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」 )
2016/3/24 21:36 by さくらんぼ
以前、映画「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の追記で、「 マクロスに小倉百人一首を見る 」を書きました。
あの映画も百人一首をモチーフにしていました。もちろん歴史ある百人一首ですから、過去にも探せば色々あるでしょう。
追記Ⅴ ( 泣けました )
2016/3/24 21:46 by さくらんぼ
忘れてはいけませんでした。
この映画も泣けました。最初に出てくる、気合のこもった“かるた”のシーンからずっと。
どうやら私も、純な若者を見ると感動する歳になったみたいです。映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」の フランク中佐(アル・パチーノさん)みたいに。
追記Ⅵ ( 上白石萌音さんの存在感 )
2016/3/24 22:04 by さくらんぼ
ファンである私の“ひいき目”かもしれませんが、さりげない上白石萌音さんの存在感が良いですね。
まるで映画「2001年宇宙の旅」に寅さんが出てきたような安心感があります。
体温を感じさせる彼女を観ていると、個性派美人ばんざいですね。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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