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「ロボットによるトランペット演奏に拍手をすべきか」という問題に直面したデパート催事場

2024.1.24

愛知万博のとき、トヨタ館が人気で、「何時間待ち」が当たり前でした。行列(束縛)の嫌いな私は、行列のない館ばかりまわっていたので、行けずじまい。

( ランチでも、行列のできる店は旨いから、自分も並ぶという人と、隣の空いてる店に入るという人がいると思いますが、私は後者。)

トヨタ館の目玉の一つが、「ロボットによるトランペット演奏」でした。人口唇から息を吹き込み、指先を上下させ、本物のトランペットで見事な演奏をするのです。

あれは万博から一年ぐらいたった頃でしょうか。

地元のデパートで、そのロボットの演奏会があったのです。

大喜びで見に行きましたよ。

とても良かった。

ロボットは見事でしたし、なんと言っても生演奏ですからね。音も良いし、大迫力。

でも、30分間ぐらいの演奏が終わったとき、拍手すべきか否か、迷いました。そして私は、けっきょくしなかったのです。

なぜなら、ロボットには感情がありませんから。

他の観客がしていたのかどうかは、ハッキリした記憶がありません。たしか…ほとんど無かったような…。

その後、「その重大テーマ」について、しばらく考えていました。そして、私なりの結論を出しました。

やっぱり「拍手はすべきだった」と。

確かにロボットに感情はありませんが、ロボットや会場の手配をして頂いた「裏方の皆様」へは、まちがいなく感謝の拍手が必要だと思ったのです。

(追記)

一流ブランドが、たいてい高価なのは、なぜか。

いろんな理由があるでしょう。

全部は思いつきませんが、その一つに、「一流の技術と、センス・思想に対する対価」もあるのだと思います。

たとえば、オーディオ・アンプで、昔からよく言われてきたことですが、一流品の回路図を入手して、同じように作っても、音は同じにはならないのです。

使われている部品の一個、たとえ電気上の規格が同じでも、違うメーカーのものを使えば、(錯覚の場合もあるが)音は違って聴こえる。それがたくさん集まれば、音が変わるファクターは無数にあると言っても良いのです。

マニアでない人には信じられないかもしれませんが、私はアンプのボリュームにつける「ツマミ」によって、音が変わるのを、実験によって確認しました。材質で変わるのです。例えば、アルミ削り出しと、合成樹脂製では音が違う。振動モードが変化することにより、その振動が電気エネルギーに影響を与えていると考えられます。

同様に、部品の配置、ケースの材質や形、さらには、ネジ締めのトルクなども、音に影響を与えるようです。

一流メーカーのエンジニアは、経験上、沢山のそれを知っているはず。マイナスとマイナスを掛け合わせてプラスにするなんて、朝飯前。さらに一流のセンスと耳を持って、慎重にまとめ上げれば、製品は、他の者が到達できない高見を見せてくれるのでしょう。

( これは2018.5.12のパレット記事に加筆再掲したものです。)


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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