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#ネタバレ 映画「築城せよ!」

「築城せよ!」
2009年作品
ものには象徴が必要である
2009/6/23 10:43 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「 我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか 」ご存知ゴーギャンの名作絵画のタイトルですが、この映画を観たら思い出してしまいました。

役所(役人)と言えばハンコから始まったこの映画は、選挙と言えば公約、鎧かぶとと言えば合戦、ホームレスと言えばダンボール、町興しもダンボール、じゃなくて箱物、お年頃の女性と言えば結婚となり、武者と言えば城を欲するのでした。そして城の天守閣と言えばシャチホコが鎮座して、やっと武者の想いが叶うのです。

材料がたとえダンボールであっても、すぐに崩壊しても、城の主になれたことを祝い、無念は晴らし、成仏したのでした。

ひるがえって、私たちは、それぞれの象徴を持っているでしょうか。仕事を持っている人は、とりあえず仕事が、その人の社会的象徴になるのかもしれません。あの人はファンド・マネージャーとでも言うように。

では定年退職したら・・・もう肩書きは通用しない、となれば新しい象徴を見つけなければいけないのでしょうね。見つからないまま後半生を送り、天に召されるのは、ちょっぴり寂しいのかもしれません。

やや荒削りですが奇想天外でパワーがあり、ラストの余韻もある良い映画でした。

作るものが城なのか箱物(工場)なのか、町長は悩んでいましたが、城を再建すれば町の誇りでもある象徴ができ、それは観光のシンボルになもなり、町興しにもなることを暗に語っていましたね。

余談ですが、映画の舞台になった猿投町の隣は名古屋市です。そこには金の鯱で有名な名古屋城がありますが、実はあの城は戦争で焼失したので鉄筋で再建したものです。それを現在の名古屋市長は木造で再再建しようと考えているようなのです。新築でも年月が経てば国宝にできるとか。ここにも熱い話が芽生えていました。

★★★★

追記 ( シャバーニ君 ) 
2017/6/25 11:53 by さくらんぼ

名古屋の東山動植物園に「イケメンゴリラ」として有名なシャバーニ君がいます。私も一度ご挨拶に行ったことがありますが、すなおに「負けた!」と思いました。彼は意外とシャイで、そこにも好感が持てました。

そんなシャバーニ君が「等身大のレゴブロック」になって名古屋の栄町地下街に登場したのです。大人がレゴなんて…と、正直あまり期待はしていませんでしたが、この目で見て感動しました。ほんものに、そっくりだったのです。

でも、感動のポイントはそこでは無い事にも気づきました。

あの感動は円谷さんに代表されるような、日本の特撮時代黄金期の「ミニチュアを使った特撮を観たときの感動」に似ているのです。「手作り感」とでも言いましょうか、「おもちゃ感はあるけど、よくもまあ、こんな緻密な作業を…」という感動。

大人は「作業工程にも想いを馳せる事が出来る」のですね。

追記Ⅱ ( 人生は夢のごとく ) 
2017/6/26 8:37 by さくらんぼ

ふと黒澤明監督の映画「生きる」を思いだしました。「役人×早すぎる死=生きた証」みたいな。

そして「紙の城という儚さ=台湾などの葬儀の紙紮(しさつ)」も。

現段階ではオマージュと言うつもりはありませんが、B級映画の一言では片付けられない感慨が残るのは、そのせいもあるのかもしれません。

追記Ⅲ ( 「 炎上する名古屋城 」 ) 
2019/4/18 8:59 by さくらんぼ

「 炎上する名古屋城 」

( ウィキペディア 「名古屋大空襲」 主な被災文化財 炎上する名古屋城(1945年5月14日)より )

この時、名古屋人は、「この世の終わり」を味わったのかもしれません。

追記Ⅳ ( 遅れる、名古屋城天守閣の木造再建 ) 
2019/4/18 9:09 by さくらんぼ

>ひるがえって、私たちは、それぞれの象徴を持っているでしょうか。仕事を持っている人は、とりあえず仕事が、その人の社会的象徴になるのかもしれません。あの人はファンド・マネージャーとでも言うように。

>余談ですが、映画の舞台になった猿投町の隣は名古屋市です。そこには金の鯱で有名な名古屋城がありますが、実はあの城は戦争で焼失したので鉄筋で再建したものです。それを現在の名古屋市長は木造で再再建しようと考えているようなのです。新築でも年月が経てば国宝にできるとか。ここにも熱い話が芽生えていました。(本文より)

ところで、フランス・ノートルダム寺院の大火災ですが、大統領は2024年パリ五輪までの、5年間で再建したいとか。

名古屋城天守閣の木造再建も、市長は最初の頃、2020年東京五輪までに、完成させる意向を示していたと記憶しています。

それが、数々の反対に合って、工事は現在も始まっておらず、もう五輪には間に合いませんし、現在のお城ビルも、昨年の秋から、老朽化(耐震に問題あり)で入場できなくなっています。

追記Ⅴ ( 引っ越したシャバーニ君 ) 
2019/4/18 10:05 by さくらんぼ

>そんなシャバーニ君が「等身大のレゴブロック」になって名古屋の栄町地下街に登場したのです。大人がレゴなんて…と、正直あまり期待はしていませんでしたが、この目で見て感動しました。ほんものに、そっくりだったのです。(追記より)

現在、「等身大のレゴブロック」は、どこかに移設されたようで、もうありません。

元々そこにあった人工の池も、歩きスマホの人が落ちるようになったらしく、撤去されています。

オアシスのような、潤いのある水空間で好きでしたが、残念です。

追記Ⅵ ( 名古屋城天守閣の先行解体を申請 ) 
2019/4/20 16:44 by さくらんぼ

「 市は、現在の天守閣の解体と新たな天守閣の復元を一体的に進める従来の計画を見直し、19日、文化庁に対し、現在の天守閣の解体だけを先行して許可するよう求める申請書を提出しました。」

( 2019年04月19日19時47分 NHK東海のニュース 「名古屋城天守閣の先行解体を申請」より抜粋 )

追記Ⅶ ( 首里城火災 ) 
2019/10/31 22:49 by さくらんぼ

『 「政府挙げて取り組む」=首里城火災の対応で赤羽国交相 』

( 10/31(木) 16:29配信 「時事ドットコム」 )



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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