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#ネタバレ 映画「エマ、愛の罠」

「エマ、愛の罠」
2019年作品
先例にとらわれない恋愛とは
2020/10/6 10:12 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

冒頭、火炎放射器で信号機を燃やすヒロインが出てきます。

その大胆でシュールな映像に驚きました。

チラシを読むと「これまでの価値観を壊して誕生した、」(抜粋)とありますので、信号機とは既存の価値観の記号だったのでしょう。

政治家が先例主義で面白くないと思っている国民は多いと思います。某国の新総理は「先例にとらわれない」と言っていましたが、さすがに、ここまではしないと思います。

いや、ベーシックインカムでやるのでしょうか。

映画の話に戻ります。

この作品は、愛において既存のモラル・価値観にとらわれずに突き進むヒロインを描いているようです。

要するに「不道徳で動物的」なのです。

恋するとき、人は「人間でいるか、動物になるか」のせめぎあいに苦しみますが(わたしだけか)、ヒロインは吹っ切れているのです。

ただ、例によって少し居眠りしていましたので、分からない部分も多々あります。ゆっくり考えようと思います。

いずれにしても、マニアックな一本であったと思います。

★★★☆

追記 ( 映画「惑星ソラリス」 ) 
2020/10/6 10:26 by さくらんぼ

チラシの写真にもあるように、映画「惑星ソラリス」を連想させるような映像も出てきます。

関係があるのか、ないのか、まだよく分かりません。

ただ、映画「惑星ソラリス」も愛にまつわる哀しみが流れている作品でした。

追記Ⅱ ( 子供が目的、恋愛は手段 ) 
2020/10/6 15:34 by さくらんぼ

改めてあらすじを読んでみると、映画「アヒルと鴨のコインロッカー」映画「フィッシュストーリー」のように、「ジグソーパズルを組んでいくと最後に意外な世界が出現する」みたいな、凝ったミステリーだったことが分かります。

ただ、上記の映画と違うのは、上記はある意味「見えを切る」みたいな分かりやい構造でもありましたし、事前に「たくらむ」ミステリーである事も分っていました。

しかし、映画「エマ、愛の罠」は、淡々として観客に媚びることが少なく、又、少なくとも私は前知識なしで臨んだので、クライマックスの彼女の勝利が見えなかったのでしょう。

いや、やはり寝ていたせいなのかもしれません。

映画「エマ、愛の罠」が、児童福祉局によって引き離された、コロンビア移民の7歳の養子・ポロを取り戻すための壮大な計画だったことが分かると、「子のためには何でもする」という女の決意は、(常軌を逸しているとしても)理解できそうな気もします。

追記Ⅲ ( 映画「ソラリス」〈2002年〉 ) 
2020/10/8 9:35 by さくらんぼ

( 以下、映画「ソラリス」(2002年)のネタバレです。 )

映画「惑星ソラリス」は観ていませんが、新解釈リメイクである映画「ソラリス」(2002年)を映画館で観ました。下記はそのレビュー抜粋です。

「 科学者は科学的に正しくなければそれを受け入れない。目の前に最愛の妻がいても受け入れない。しかしそれは本当に人間にとって幸せな事なのか。

そんな大げさな事柄ではないが、私にも理屈で考えたらこちらが正しいのだが、感情ではあちらが正解だというジレンマに、悩まされた事が何度有った事だろうか。どれだけ考えても頭の中は堂々巡りをして、最後には体が憔悴してくる。

そんな時、大抵は感情に身を任せる事が正解なのだとと今は思っている。真の幸福感は感情抜きでは成り立たないからだ。もちろんこれは次元の高い所での話であるので誤解のないようにお願いしたい。 」

( 2003/7/13 8:59 by さくらんぼ より抜粋 )

ちなみに「次元の高い話」の意味は、「感情に任せて悪事をしてはいけない」という意味です。

ところで映画「ソラリス」、内容を当時はあまり深追いしませんでしたが、記憶では、「ソラリスのエネルギー、あるいは宇宙人は、人間の記憶の中に潜む欲望を、幻覚化して、取り入る」ようです。

主人公・心理学者ケルヴィ(ジョージ・クルーニーさん)には地球で亡くした愛妻が現れました。

理性では否定しても、感性では目の前の妻に惹かれるケルヴィの苦悩が始まります。

追記Ⅳ ( 映画「ソラリス」〈2002年〉② ) 
2020/10/8 9:48 by さくらんぼ

映画「エマ、愛の罠」のヒロイン・エマは、奔放な行動で周囲を虜にするダンサーです。

彼女のダンスのテーマは自由。

音楽も麻酔のように強烈で、実際、映画館にはヤマハのPAスピーカー(30cm2ウエイか?)が二台追加されていました。

もしかしたら、エネルギーを放つエマとは、「ソラリス」の記号なのかもしれません。

エマは愛のエネルギーを全開にして、周囲の男女を操り、既存のモラルを超えた家族を創り出し、幸せをつかむのです。

つまり、エマに侵略されたわけで、

広義のハニートラップとも言えそうです。

ラストには、喜ぶエマと、隣室で困惑する男たちが、微妙に不安感のある音楽と共に描かれていました。

あの男たちはソラリスに翻弄された宇宙船の乗務員なのでしょうか。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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