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アルバムの代表曲は「卒業写真」ですが、私の中では「就職写真」です

「ハイ・ファイ・セット」 ファーストアルバム「Hi-Fi Set」の、LPジャケットの思い出
2024.1.14

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「人は何のために働くのか」。

答えは沢山あるでしょうが、その一つに、「社会を知るため」があります。

もちろん、30年や40年働いたところで、社会のすべてが分かるわけではありません。だから、いくつになっても、映画を観たり、本を読むと、新しい発見があるのです。

でも、30年も40年も働けば、学生時代と比べて、色んなことが分かってくる事もまた事実です。

ところで、私が就職直後に買ったLPレコード。

ジャケットには、不安そうな顔をした3人のアーティストが、ビルの大きなテラスのような場所で、コンクリートの冷たく頑丈な壁に寄りかかって、こちらを見ている写真がありました。

当時の私は、ジャケットをながめながら、それを、よく聴いていました。

おじさんになってから自覚したのですが、(私の中では)あの壁は「社会の壁」「就職した会社の壁」「研修会場の壁」であり、3人は「不安な新入社員」、つまり私だったような気がするのです。

・・・いつの間にか時は過ぎました。

今の私は、その壁を通りぬけ、もう先輩の目で、あの3人を眺めることが出来ます。

色々ありましたが、なんとか生きてきました。

壁の中は、お花畑ではありませんが、そんなに冷たいばかりではありません。温かい事、楽しい事も沢山ありました。

でも、そのLPは、CDへの移行期に手放してしまいました。

後に「しまった!」と思い、中古店で探しましたが見当たりません。

再版されもしましたが、「ジャケットが陰気で、今の世に合わない」とでも思ったのか、「まったく雰囲気の違うポップなもの」になっていました。

私にとっては、自分が写っているかのようなオリジナルジャケットこそが、中身と同じぐらい価値があるのに。

そんな折、先日、偶然に、本当に偶然見つけて、購入することができました。失くしたと思った若き日の記念写真を見つけたみたいで、とても、うれしいです。

(参考にさせていただきました。)
 LPレコード礼讃 | Hi-Fi Set (my-lp-record.com)

(関連記事)
レコードプレーヤー「AT-LP60X」を使ってみました|sakuranboのパレット (note.com)

( これは2018.10.15のパレット記事に加筆再掲したものです。)

追記 2024.1.15 ( 名古屋市公会堂の思い出 )

私が新人研修を受けた中で、印象深い場所の一つは「名古屋市公会堂」です。

「ポケモン」の聖地「名古屋鶴舞公園」の中にあるクラシックな建築物です。

「Hi-Fi Set」の、LPジャケットのセピア色の写真に写っている建物は、そこではなさそうですが、クラシックな雰囲気は同じで、公会堂での新人研修を思い出させるに十分でした。

研修では、(担当外だと思っていたのに)何十人もの中で講師に他係ことを質問され、当然に答えらず、恥ずかしい思いをさせられました。その時、「(他係の勉強も必要だが)他係の者に質問するのは筋が違う」と思った覚えもあります。

ランチ時、小心なので、近所の知らない店に一人では入りずらかった私は、片道20~30分も歩いて、遠くの、行ったことのある食堂で食べました。今でも知らない店は敷居が高いです。

公会堂は、後に、友だちと一緒に、ロックの「サンタナ」LIVEを観に行きました。「サンタナ」最高です。

今でも、あの当時の面影を残した公会堂を見ると、胸きゅんします。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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